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建設業界動向

2020.12.28

建設業界の2021年は ―2020年11月の景気ウォッチャー調査より―

“遅くなってしまいましたが、今月も景気ウォッチャー調査結果から建築業界周辺の声をご紹介します。11月の同調査では、街角の景気実感を示す現状判断DI(季節調整値)が前月から8.9ポイント下げて45.6。これは7月ぶりの低下です。先行き判断DI(季節調整値)もまた新型コロナウイルス感染症の第3波が懸念されるなか前月差12.6ポイント低下の36.5となっていますが……。”

 

家計動向関連のマイナス幅が大きい先行き判断DI

内閣府が2020年12月8日に発表した、11月の景気ウォッチャー調査結果。2~3カ月先の見通しを示す景気の先行き判断DI(季節調整値)は前月差12.6ポイント低下の36.5となりました。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが低下したということですが、、冒頭のグラフは企業動向関連と、そのうち建設業が属する非製造業にフォーカスしたものです。2020年を振り返ってみると、最も落ち込んだのは非常事態宣言の出た4月でした。そこから持ち直してきた6~7月頃の水準といえそうですね、11月については。12月はどうなるでしょう。また低下してしまうのか、ワクチン導入などの見通しで好転するか。また当ブログでもご紹介したいと思います。

 

現場の見方は?

では今月も景気の先行き判断と、その理由について建設業界および周辺のコメントを見ていきましょう。

 

北海道

【景気の先行き判断:変わらず】

「今後については、厳冬季に入ることから、工事の稼働率が低くなる。新規の受注も民間工事はまだ動かない。公共工事については3次補正予算やゼロ国債による公募が一部始まるとみられるが、まだ契約のみの段階となるため、実態的な動きは発生せず、マインド面での効果が僅かに生じる程度とみられる」(建設業・経営者)

 

東北地方

【景気の先行き判断:やや悪】

「新型コロナウイルスのワクチンや特効薬が開発されない限り、景気状況が劇的に回復することはないと推察する。国が推進している各種のGo Toキャンペ-ンは、景気のテコ入れに寄与していると考えるが、冬場を迎え新型コロナウイルス感染が拡大傾向にあることを踏まえると、この先の景気は現状よりやや悪くなるとみている。」建設業(企画担当)

 

北関東地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「今期発注額は前年比30%増となっているが、これは自然災害による復旧工事によるものである。10年来の建設業不況で企業数が減り、受注したくても人員不足で思うように受注できない。また、新型コロナウイルスによるコロナ禍の問題で、経営の先読みは大変難しい状況が続いている」(建設業・開発担当)

 

南関東地方

【景気の先行き判断:やや良】

「建設、不動産分野は、心配していたほど新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けていないことがはっきりしてきたように感じる」(住宅販売会社・従業員)

【景気の先行き判断:悪】

「新型コロナウイルス感染症に関連する行政の補助金等により、次年度以降は公共工事の削減が回避できないと感じる。それにも増して民間工事は大幅に減少する」(建設業・営業担当)

 

東海地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「現場で仕事ができない、客と会えないとなると仕事が進まない。感染対策との兼ね合いもあり難しいと感じている」(建設業・営業担当)

【景気の先行き判断:やや悪】

「新型コロナウイルスの第3波が来ているので、移動の規制が出てくると更に集客が伸びず、契約数にも影響するであろう」(建設業・役員)

 

北陸地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「これまで受注した工事の完成に向かって、現場の忙しさは変わらないだろう。また、今冬はここ2年の小雪とは違いかなりの降雪が予想されている。除雪作業が加わり、工事部門は休日出勤も見込んでいる」(建設業・経営者)

 

近畿地方

【景気の先行き判断:良】

「例年であれば、時期的には受注が増える。また、新型コロナウイルスの影響が長引くなか、取引先が積極的に仕事を取りに行っているという話を聞くため、今後は受注が少しずつ増えていく」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「これから本格的な冬を迎え、新型コロナウイルスの感染拡大が予想されるなか、住宅関連への投資意欲も低下することが懸念される」(建設業・経営者)

 

中国地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「土曜日、日曜日で作業していた製造業の工場改修工事が、日曜日のみの作業となり、工場の稼働率が上がってきているので、今後、これ以上景気は悪くならない」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「今後に向けての予定物件は十分にあるが、景気は変わらない」(建設業・総務担当)

 

四国地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「公共事業の量に大きく影響される本業界においては、補正予算や次年度予算次第ではあるが、国土強靱化等への課題対応施策の継続が見通されており、約半年先までは大きな変化はなく推移すると見込まれる。なお、これから年度末に掛けて繁忙期に入るため、生産性は向上するものの、これは例年どおりの傾向である」(建設業・経営者)

 

九州地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「今期の受注額は、達成できている。また、見積案件は多くないが、受注に向けて配置人員等を考慮していきたい。新型コロナウイルスの影響が、この冬の業績にも影響するため、今後の動向に注視したい」(建設業・従業員)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「今は忙しいが、年度末や新年度のことを考えれば受注しておきたい一方、技術者不足により、入札に参加できていない。官公庁の発注も少ないが、平準化で発注がされないため、発注時期が偏っている。発注時期の勘案があれば、受注に参加する同業者は多い」(建設業・社員)

 

沖縄県

【景気の先行き判断:変わらず】

「注文住宅の営業、打合せはどうしても今まで対面に頼っていたので、この新型コロナウイルスで客の来場が少なくなっている」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「宮古島、石垣島の建設関連は、官需部門においては、新型コロナウイルスの感染拡大で現場も戦々恐々としてはいるが、自衛隊関連の建設工事を中心に比較的好調に推移すると考える。民需は、アパート等の需要は落ちているが、壊滅状態のクルーズ船乗客に比べ、国内の旅行者は戻りつつあり、大手企業のホテル建設は持ち直している」(輸送業・代表者)

 

今回は「景気の先行きに対する判断理由」から比較的具体性のあるコメントのみピックアップしました。近畿地方と沖縄県(宮古島・石垣島)からはポジティブな声が届いていますね。

全体的には2021年、厳しいスタートになる見通しのようです。生産性を上げて臨みましょう。そのために役立つ情報を引き続きご提供できれば、と考えております。

来年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

◆関連リンク

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