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建設業界動向

2020.09.14

建設業の景況感 ―景気ウォッチャー調査から―

今回は先週、9月8日(火)に発表された景気ウォッチャー調査(令和2年8月調査)から、建設業に関わるコメントをピックアップしてみました。建設業界も今年は新型コロナ感染拡大の影響を受けていますが、そこから持ち直す動きが地域によっては始まっているようです。

こんにちは。生まれも育ちも神奈川県のプロモーション担当・辻内です。
世界中が新型コロナ禍に見舞われている昨今ではありますが、日本の建設業界は復調に向かっているのでしょうか。

先週、内閣府が発表した景気ウォッチャー調査から関係者様のコメントを見てみましょう。(※調査の概要など関連リンクは文末に掲載します)

■北海道
建設現場では新型コロナウイルスと熱中症の防止対策で、作業効率の低下とコストアップを余儀なくされており、工事の進捗や収益面でマイナスとなっている。また、民間建築については次年度以降の新規受注案件の引き合いが依然として少ない」(建設業・役員)

北海道における新型コロナウイルス感染者数は比較的少ないため、求人意欲は徐々に上向いてきている。特に介護業界や建設業界などはふだんより人材が集まる傾向がみられるなど、堅調である。一方、観光客やビジネスマンの往来が少ないため、宿泊業は大打撃を受けている。飲食店はランチ客が増加傾向にあるが、求人を出すまでの忙しさにはなっていない」(求人情報誌製作会社・編集者)

「求人の申込件数が前年の8~9割まで回復してきている。特に介護業界、建設業界からの申込みが活発である。」ただし、飲食、ホテル、観光、娯楽、アミューズメント業界からの求人は前年の5割程度にとどまっている」(求人情報誌製作会社・編集者)

民間の大型設備投資案件について、当初より遅れはあったものの契約に至っている」建設業(従業員)

■東北地方
「新型コロナウイルス禍の影響で、客先の設備投資計画に延期や規模縮小となる案件が散見される一方で、一部設備投資を再開する客先もあり、一概に悪化しているとも言い切れない」(建設業・企画担当)

「景気はやや悪い状態が続いている。飲食業、旅行業、サービス業は少し回復してきたとはいえ、相変わらず前年の半数、良くても7割くらいしか戻っていない。建設業は新型コロナウイルスの関係で設備投資を控える動きが出てきている」(人材派遣会社・社員)

■北関東地方
「公共工事主体で売上の95%を占める建設業を営んでいる。現政権誕生後、公共工事は順調に推移しており、業界としては大変有り難く感謝している。健康問題による首相辞任は大変残念でならない。今期の公共工事は前年比55%増と、過去に経験したことのない発注額である。これは、前年秋の大雨による災害復旧によるところが大きく、喜ばしいことではない。災害に遭われた方の苦労を考えると申し訳ない気持ちである。当社も前期比10%増の受注がある」(建設業・開発担当)

「小中学校等の夏休み期間も終わったが、休み期間にかなり外出したようで、スーパー、大型店等の購買はみられた。引き続き、建設関係の受注、着工等は厳しいが、予算の関係上、建て直すところは建て直し、道路補修工事も進められている。暑さの影響がかなり出ているようである。」(人材派遣会社・経営者)

「当社は不動産ディベロッパー業と総合建設業である。ここ4~5年住宅の売行きがかなり落ち込んでいるところへ、新型コロナウイルスの影響で気持ちが冷えて、余計売れなくなっている。ホテル及び商業施設のテナントの賃料も入らない。建設業は、このような状況では新規プロジェクトを始める気持ちにならないということで、新規の受注はなかなかない。公共工事はあるが、工事原価が高止まりしているために、赤字となるので誰も入札しないこともある。」(住宅販売会社・経営者)

■南関東地方
「思う価格で物件が売れない。賃貸物件も、思うような賃料設定では入居者が来ない」(建設業・経営者)

「新型コロナウイルスの影響がある」(建設業・経営者)

「公共工事の入札は、参加企業者数が増加していて落札が難しくなっている。同業者も仕事がなく困っているようである。民間の競争物件も、破格の値段が出てきている」(建設業・経営者)

「新規の設備投資計画は、軒並み延期若しくは中止の声が出ている」(建設業・営業担当)

■甲信越地方
受注は下げ止まり感があり、客も落ち着きを取り戻しつつある。ただし、まだ受注には至っていない」(建設業・経営者)

■東海地方
「建設関係は急激に落ち込むということはないが、不透明感が強まっており、受注量が想定より少ない」(金属製品製造業・従業員)

「8月は夏休みや酷暑もあり、例年集客が減少し成約が伸びない。今年は、新型コロナウイルスの影響で夏休みの減少や旅行の自粛もあり住宅見学に目が向いたのか、来場者数は横ばいで例年ほどは成約数にも落ち込みがなかった」(建設業・役員)

農業や建設業の外国人実習生関係やホテル、飲食関係は増加している。製造業など他の産業については増えてきていない」(職業安定所・職員)

■北陸地方
「緊急事態宣言が出ていたことで非常に厳しい状態だった事業体が、3か月前に比べると良くなっている。今のところ製造業、建設業の関係は、新型コロナウイルス感染症による落ち込みがなく続いていることから、全体としては3か月前と比較すると良くなっているという感じである」(税理士・所長)
「公共工事の発注が増えてきて、当社も受注ができてきている。新年度に入り工事が発注されてきたという意味では、例年どおりではある」(建設業・経営者)

今後の先行受注は減少傾向である」(建設業・役員)

■近畿地方
「一時期は動きが悪かったが、徐々に戻りつつある」(建設業・経営者)

「新型コロナウイルスの影響で、工事の延期や凍結が増えていたが、工事が再開し、一時的に技能労務者が不足する傾向が続いている」(建設業・経営者)
「ローコスト系の会社に、見込み客を立て続けに取られた。新型コロナウイルスによる消費マインドの低下が、受注金額にも影響し始めた可能性がある」(建設業・経営者)

「小売業や飲食業はやや回復しているが、製造業のほか、特に建設業の落ち込みがひどい」(職業安定所・職員)

■中国地方
「新型コロナウイルス関連で計画が保留となっている物件はあるが、多少の遅れはあるものの順調に受注ができ、手持ち工事も稼働している」(建設業・総務担当)
「新規求人数は前年同期と比べ24.6%減、有効求人数は32.0%減と大幅に減少している。新型コロナウイルスの影響で直近3か月の新規求人数も同様に前年同期と比べ31.5%減となっている。また、産業別新規求人数も、建設業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、公務・その他など一部の業種を除いて減少している。有効求人倍率は6月1.43倍、7月1.42倍で推移している。7月末時点の来春の新規学校卒業予定者対象の求人状況は、高卒で求人件数が前年比17.9%減、求人数が前年比27.0%減となり、大卒等では求人件数が前年比28.8%減、求人数が前年比26.9%減となっている」(職業安定所・事業所担当)

■四国地方
「民間、公共事業共に、数件は受注できた」(建設業・経営者)
公共事業の発注量が国、地方自治体共に前年度よりも微増しているが、企業や業種によって受注量はまだら模様である。新型コロナウイルスによる事業活動への悪影響は少ないものの、事業外の研修、セミナー、レクチャーなどは中止やリモート又は参加自粛していることより、景況感は、評価し難く分からない」(建設業・経営者)

■九州地方
「地元では、新型コロナウイルスの影響で、現場の工事が中止になっているとの情報は入っていない。しかし、官公庁の発注が上半期80%の目標のようであるが、前年度も目標金額に達していない。今年度も同じ状況であれば、新型コロナウイルスの影響外の所で非常に厳しい状態になると考えられる」(建設業・社員)

■沖縄県
「引き合い件数は結構あるが、具体的な商談には結び付かない」(建設業・経営者)

出典:景気判断理由集(現状)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2020/0908watcher/watcher2.pdf

令和2年8月調査(令和2年9月8日公表):景気ウォッチャー調査
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2020/0908watcher/menu.html

内閣府: 景気ウォッチャー調査(目的・範囲など)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/watcher/watcher_mokuteki.html#mokuteki

以上、少し長くなりましたが全国からのコメントです。
印象としては北日本や甲信越地方から持ち直してきているように見えます。東海地方はそもそも悪影響を受けておらず、近畿地方はまだら模様……という状況でしょうか。ただ企業による差もあろうかと思います。今後の調査でも違った傾向が出てくる可能性があるため、また続報をご紹介したいと考えています。

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