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建設業界動向

2021.06.11

街角景気から見る2021年中盤の建設業

5月の景気ウォッチャー調査結果が発表されました。わが国でも新型コロナウイルスのワクチン接種が進み始めた影響か、全体としては先行き判断DIが前月比5.9ポイント上昇。4月は-8.1だったので、良い感じですね。では建設業の声はいかがでしょう?

こんにちは、アークシステムのプロモーション担当・辻内です。2021年5月の景気ウォッチャー調査結果は、現状判断DI(季節調整値)が前月差1.0ポイント低下の38.1、先行き判断DIが前月差5.3ポイント上昇の46.8となりました。中でも目立つのは飲食関連ですね。現状判断DIは前月差マイナス4.4ポイント、先行き判断DIは8.8ポイント上昇となっています。

 

街角景気から見る2021年中盤の建設業 街角景気から見る2021年中盤の建設業

では建設業周辺のコメントをピックアップしてみましょう。この6月~8月はどうなると見ておられるでしょうか。

 

先行き判断◎:良くなる

「当地では、ワクチンの接種が始まり、新型コロナウイルス感染者数も安定してきているため、新型コロナウイルスに対する受け止め方がかなり落ち着いてきている」(東北地方・建設業 企画担当)

 

先行き判断○:やや良くなる

「公共工事の受注は例年とほぼ同水準の見込みである。民間建築、住宅の受注については新型コロナウイルスの影響がどうなるかはっきりしないが、全体的には稼働が上向くことになる。ただ、一部で資材価格が値上がりしており、その影響が懸念される」(北海道・建設業 経営者)

 

「建設業や製造業関係の受注は現在も比較的改善しているが、経営者の話によると6月以降の受注残については予定があり、自信を持っている状態が急速に出てきている。製造業関係や建設業を中心に、業況は大きく改善に向かうのではないかとみている。アフターコロナに向けての期待も入っているとは思うが、良い方向に向かっているのではないかと考える」(北陸地方・税理士事務所 所長)

 

先行き判断□:変わらない(どちらともいえない)

「新型コロナウイルスの感染再拡大に伴って民間設備投資の減少が懸念材料となっており、今後も受注状況は変わらないまま推移する」(北海道・建設業 役員)

 

「震災復興が一段落した状態であり、新たな建設需要を喚起する話題は特にない。今後は、脱炭素社会、省エネ等を念頭に置いた既存建物の改修が多くなり、設備設計は一定の業務が続くとみている。しかし、新築が減少することから、構造設計は市場が縮小すると予想している」(東北地方・設計事務所 経営者)

 

建設価格の高止まり及び東京オリンピック、パラリンピック開催後の新型コロナウイルスの感染状況によって、人々の気持ちがどのように変われるかによる。良くなることは考えられないので、現況のままではないか」(南関東・設計事務所 所長)

 

「取引先からの見積りの要望は増えているものの、新型コロナウイルスの影響もあり、仕事が決まっていくかどうかがはっきり分からない様子である」(南関東・建設業 従業員)

 

「マンションは、客の動きが悪くなってきている。戸建て住宅は、このところ資材の調達が厳しく今後コストアップによって値上がりが予想されるので、完成物件へ客が動いてくれることを期待したい」(東海地方・建設業 役員)

 

「新型コロナウイルスのワクチンの効果が出るのは、早くても秋以降である。業種や業態によって、業績の回復時期や速度も違う。感染拡大の影響を受けない企業や、体力のある企業による設備投資に期待している」(近畿地方・建設業 経営者)

 

「新型コロナウイルスの感染状況次第である。ワクチン接種が進んでいないため、数か月先も景況感は回復しないと推測する。一方で、公共事業の発注状況は好転しており、事業経営的には堅調を維持できると考える」(中国地方・建設業 経営者)

 

「民間部門の受注状況が少し悪いため、公共事業の受注次第である」(四国地方・建設業 経営者)

 

「官公庁の発注予定が出ても、本格的には6月にならなければ入札は多くならない。また入札が多くなっても、抽選が100%であるため悪循環の繰り返しが続くが、努力していくしかない」(九州地方・建設業 社員)

 

「具体的な商談に進む客が少ない」(沖縄県・建設業 経営者)

 

「宮古島、石垣島の建設関連は、新型コロナウイルスの感染が再拡大しており心配される状況下で、官需部門においては、宮古島の自衛隊関連を中心に終盤となっている。民需部門では大型ホテル等の物件が出てきている」(沖縄県・輸送業 代表者)

 

先行き判断▲:やや悪くなる

「緊急事態宣言の延長見込みにより、事業者内での意思決定が先延ばしになるケースが増加することが予想される」(東北地方・建設業 従業員)

 

「公共工事の発注予定を見ても余り動きが良くなさそうである。民間工事は、更に動きが悪くなっていて不安である」(北関東・建設業 総務担当)

 

「今年は仕掛工事があるため安心しているが、この先の仕事が見当たらないため、非常に心配している。下請企業も見積案件が減っているとのことである。木材の入手困難、価格の高騰や、鉄材の高騰など、影響が出始めている」(南関東・建設業 経営者)

 

「新型コロナウイルスは2~3か月では収束できないと考えられるので、それに伴う木材等の資材高騰がより強くなると感じている」(南関東・建設業 営業担当)

 

「ここに来て、資材不足や値上がりが著しく、将来の景気に不安が出ている」(南関東・建設業 経営者)

 

木材や鉄材の価格が高騰しているため、客の予算超過が心配である。また、これ以上木材の不足が深刻化すれば、計画の延期というケースも出てくると予想される」(近畿地方・建設業 経営者)

 

先行き判断×:悪くなる

「公共の仕事は予算変更などでめどが立ちにくくなっている。民間についても、新型コロナウイルスの変異株がまん延以上に更に加速度的に広がるおそれがあるので、そういったなかでは仕事の動きが強制的にストップしてしまうため、どこかの段階で悪くならざるを得ないと考える」(東海地方・建設業 営業担当)

 

全般的には楽観的でも悲観的でもなく、まだ厳しい時期が続くとの見方が多いようですね。

特に気になるのは、資材価格の高騰を懸念するコメントが多いことです。

となると皆さま、以前にもまして見積価格と原価のバランスを取ることが難しくなってきているのではないでしょうか。このあたり、楽王ユーザー様にも話を伺ってみたいと考えております。

 

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※近く楽王の材料マスタを更新する予定もございます。詳細は後日ご案内いたします。

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