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建設業界動向

2020.11.17

2021年にかけて建設業界の景気先行きは? ―10月の景気ウォッチャー調査より―

“2020年7~9月の実質国内総生産(GDP)成長率は5.0%(年率21.4%)、11月17日の日経平均株価は続伸で一時2万6000円台に乗せるなど、日本経済は好調に見えます。では建設業界の先行き見通しも明るいものでしょうか。今月も景気ウォッチャー調査結果から建設に関わる人々の声をピックアップしましょう。”

現状判断DIは前月差5.2ポイントの上昇、先行き判断DIも

内閣府が11月10日に発表した10月の景気ウォッチャー調査結果では、景気の現状判断DI(季節調整値)が前月差5.2ポイント上昇の54.5。先行き判断DIは前月差0.8ポイント上昇の49.1でした。

現場の見方は?

では今月は2~3カ月先を見据えた景気の先行き判断と、その理由について建設業界および周辺のコメントを見ていきましょう。

 

北海道

【景気の先行き判断:変わらず】

「次年度以降の受注見通しが厳しい状況に変わりはない。また、新型コロナウイルスの影響が長期化することで、設備投資の抑制が避けられない状況となることが懸念される」(建設業・役員)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「来年度の工事需要については、特に民間工事での減少が見込まれるが、今後2~3か月については前年並みで推移することになる」(建設機械レンタル・総務担当)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「冬季を迎えて、工事の稼働が徐々に低下するとともに、新規案件の受注が減ることになる。新型コロナウイルスの悪影響もあり、そう簡単に景気は回復しない」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「道内地方都市においては、民間の発注予定工事がほとんどないことから、大手及び準大手の建設会社では営業マンの駐在を解き、道央圏での受注獲得に当たらせている」(建設業・従業員)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「北海道において新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあることから、客の設備投資意欲が落ちてきている雰囲気がある」(建設機械リース・支店長)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「新型コロナウイルスに対するワクチンや特効薬が開発されない限り、各種のGo Toキャンペ-ンで一時的に景気回復が見られたとしても、景気状況が劇的に回復するまでには至らないと推察する。しかし、回復基調となっている業種もあり、景気としては現状と大きく変わらないとみている」(建設業・企画担当)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「政府のGo Toキャンペーンなどで消費需要が伸びるだろうが、コロナ禍以前まで戻ることは考えられない。飲食、小売、建設などでの対前年での業績悪化はもう少し続くとみられる」(公認会計士)

 

東北地方

【景気の先行き判断:良】

「国の施策であるGo To TravelやEatキャンペーンが効果を上げている。飲食業の経営者に話を聞いても、客足がひどいときは前年の2~3割だったが、今は前年の8~9割くらい、特に休日や休日前にはかなり戻ってきているということである。建設業も建設の先送りは若干みられるものの、堅調で仕事はあるという状況である。いろいろな業界でも余り厳しい話や見通しが悪いという話は聞かない」(人材派遣会社)

 

北関東地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「当社の今期公共工事受注は前年比10%増と有り難い状況である。建設業は10年来の不況業種であり、従業員の高齢化が進み、若年層に魅力ある業種になっていない。当社の売上も10年前と比べると3分の1になってしまっている。いろいろと問題はあるが、何とか乗り越えながら頑張っていく」(建設業・開発担当)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「民間の動きがすこぶる落ちてきており、先行きが非常に不安である」(建設業・総務担当)

 

南関東地方

【景気の先行き判断:やや悪】

「一時的な補助金等にて動きが出ているが、全体的な動きにはつながっていないように感じる。そのため今後は更に厳しくなる」(建設業・営業担当)

 

【景気の先行き判断:悪】

「新型コロナウイルス感染症がいつ収束するか分からないので、経済は不透明である。なかなか良くならないのではないか」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:悪】

「経済が止まり、動き出すまでに時間が掛かり過ぎたことと、新型コロナウイルス後の新しい働き方改革で年収が減りそうなので、悪くなる」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:悪】

「公共、民間共に案件がない。新型コロナウイルスの影響で様子見というのもあるが、先が見えないので厳しい」(建設業・経営者)

 

甲信越地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「新型コロナウイルス収束の展望が見えてこなければ、景気回復にはもう少し時間が掛かるのではないか」(建設業・経営者)

 

東海地方

【景気の先行き判断:やや良】

「予算を組んでいたが新型コロナウイルスの影響により実施しない方向となった案件が、結局年末までに実施しなければならなくなったため、多少は上向く。しかし、全体としては下がっている状態である」(建設業・営業担当)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「特に良くなる条件はなく、むしろ新型コロナウイルスの状況悪化など不安要因がある」(建設業・役員)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「政府の施策がどのような力を発揮するのか予測が付かない」(建設業・経営者)

 

北陸地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「年末に向けての工事の発注が例年並みとみられ、現状と同水準で発注されると考える」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「受注動向について、前年に比べて現状は落ち込み傾向であり、先行きにも懸念がある」(建設業・役員)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「取引先の多くの業種で、今年の冬のボーナス減額、若しくは支給しないというところが広がっている。新型コロナウイルスの関係で見通しができないことから、設備投資や建設工事などの請負関係の事業計画では、現在中止や縮小が相次いでいる。二次産業を中心に需要が減退しているのが非常に心配である」(税理士・所長)

 

近畿地方

【景気の先行き判断:やや良】

「客へのヒアリングの状況では、少しずつ良くなりそうである。ただし、徐々に良くなるという状況で、回復の速度は遅い」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「新型コロナウイルスの影響による全体的な設備投資の減少で、民間の工事は減ることになる。また、官民共に工事価格の競争激化が予想される」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「例年は、年末年始に向けて小規模リフォームの駆け込み需要が出てくるが、今のところは低調である」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「取引先の設備投資計画について、予定どおり実施される場合もあるが、見直されたり、延期、凍結となる場合もある。年末から年度末に掛けて、各企業で来期の方針が立てられ、設備投資が更に低調になることが心配される」(建設業・営業担当)

 

【景気の先行き判断:やや良】

「新規求人倍率の季節調整値は、8~9月と2か月連続で前月に比べて上昇した。建設業が前年比でプラスとなったほか、求人数の多い製造業、卸売・小売業、医療・福祉は減少幅が縮小している」(職業安定所・職員)

 

中国地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「当面は現在のような状況が続く。3~7月の積極的な営業の自粛の影響が1~2年後に出てくるのではないかと心配している」(建設業・総務担当)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「政府が施策を打ち出しているが、国民の先行き不安感を払拭するには時間が掛かるため、景気はやや悪くなる」(建設業・経営者)

 

四国地方

【景気の先行き判断:やや良】

「Go Toキャンペーン関連の仕事や、比較的影響の少ない建設業の採用キャンペーン等が見込まれており、企業マインドも少し上向き、販売促進広告も若干増加傾向である」(広告代理店・経営者)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「年末や年度末を控える時期に仕事は繁忙期に入るが、今年は季節型インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行が懸念される。当業界でも感染防止策の徹底が図られると思われ、社外活動も制約されることになることから、景況感の好転は期待できない。ただし、業績自体は公共事業予算の安定的な施行で、さほど悪くはならないと予想している」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「受注減少や人手不足は、今後2~3か月では変わらないと考えている」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:やや悪】

「地域周辺の景況感が悪くなっていると感じている」(建設業・総務)

 

九州地方

【景気の先行き判断:変わらず】

「見積案件も低調なままで推移し、配置員も不足がちで大型物件は見込めず、余り景気は良くならない」(建設業・従業員)

 

【景気の先行き判断:悪】

「第4四半期の発注予定が、土木、舗装4本ではどうにもならない状態である。新型コロナウイルスの影響は、それほどはないが、地方の業者には、多くの補正工事が必要である」(建設業・社員)

 

沖縄県

【景気の先行き判断:やや良】

「宮古島、石垣島の建設関連は、民需部門においては新型コロナウイルスの感染拡大で、現場の方も戦々恐々としているが、比較的好調に推移すると考える。民需はアパート等は落ちているが、大手企業のホテル建設は持ち直しつつある」(輸送業・代表者)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「引き合いや相談があっても、具体的に商談が進まない」(建設業・経営者)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「次年度以降の受注見通しが厳しい状況に変わりはない。また、新型コロナウイルスの影響が長期化することで、設備投資の抑制が避けられない状況となることが懸念される」(建設業・役員)

 

【景気の先行き判断:変わらず】

「来年度の工事需要については、特に民間工事での減少が見込まれるが、今後2~3か月については前年並みで推移することになる」(建設機械レンタル・総務担当)

 

マクロの数字は踊れど、現場では厳しい見方が支配的であるようです。ただコメント中、黄色のハイライト部分からは、採用の動きに光明が見えるようにも感じました。

皆さまはどのようにご覧になるでしょうか。

 

先週は予定していた木曜日の更新ができず、失礼いたしました。今週はしっかり火・木曜日の更新を行いたいと思います。

それではまた!

 

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