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積算の基礎知識

2026.01.08

一人親方の法人化を成功させる!会社設立の判断基準とポイント

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

一人親方として事業が軌道に乗ってくると「法人化したほうがいいのかな?」と考える方も多いのではないでしょうか。

法人化には節税や信用力向上といったメリットがある一方で、コストや事務負担の増加といったデメリットもあります。

 

今回は、一人親方が法人化を検討する際の判断基準やタイミングやメリット・デメリット、後悔しないためのポイントについて詳しく解説します。

法人化に悩む一人親方

「一人親方」と「法人」はどう違う?法人化の流れも

一人親方として働いている方が法人化を考える前に、まず両者の違いを理解しておきましょう。

 

一人親方と法人の主な違い

一人親方は「個人事業主」として事業を行う形態です。

開業届を提出すれば比較的簡単に始められ、自由度が高いのが特徴です。

 

一方、法人は「会社」という組織として事業を行う形態で、株式会社や合同会社などの種類があります。

ここからは、具体的な違いについて解説します。

 

事業形態の違い

一人親方は個人として事業を営むため、事業主本人と事業が一体となっています。

対して法人は、法律上「人」として扱われる独立した組織です。

 

事業主とは別の存在として、契約や財産を所有できます。

 

責任範囲の違い

一人親方の場合、事業で生じた負債は全て個人が負担します。

事業がうまくいかなければ個人の財産も失うリスクがあるということです。

 

法人の場合は「有限責任」となり、原則として出資した範囲内での責任となります。

 

税制の違い

一人親方は所得税が課税され、累進課税制度により所得が増えるほど税率が上がります。

 

一方、法人は法人税が課税されますが、一定の所得を超えると同じ所得額のときに一人親方よりも低い税率となります。

 

社会保険の違い

一人親方は国民健康保険と国民年金に加入するのが基本ですが、法人化すると健康保険と厚生年金への加入が義務付けられる点も大きな違いです。

厚生年金は将来受け取れる年金額が増える一方、保険料負担も大きくなります。

 

一人親方に必要な手続きや準備については「一人親方になるには?必要な手続きや準備を詳しく解説!」を参考にしてくださいね。

 

一人親方が法人化する際の基本的な流れ

法人化を決めたら、次のような流れで手続きを進めます。

 

1. 会社形態を選ぶ

株式会社合同会社かを選択します。

株式会社は社会的な信用度が高く、合同会社は設立費用が安く済むのが特徴です。

 

2. 会社の基本事項を決める

会社名(商号)、事業目的、本店所在地、資本金、決算月などを決定します。

 

3. 定款を作成する

会社の基本ルールを定めた「定款」を作成し、株式会社の場合は公証役場で認証を受けます。

 

4. 資本金を払い込む

発起人の個人口座に資本金を払い込みます。

 

5. 登記申請を行う

法務局で設立登記の申請を行います。

申請が受理された日が会社の設立日となります。

 

6. 各種届出を行う

税務署、都道府県税事務所、市区町村役場、年金事務所などに必要な届出を提出します。

 

一人親方が法人化(会社設立)するタイミングはいつ?

会社の設立を考え始めた作業員と一人親方

法人化には適切なタイミングがあります。

ここでは、一人親方が法人化を検討すべき主なタイミングについて見ていきましょう。

 

売上や利益が安定して増えてきたとき

事業の売上や利益が安定して増加してきたら、法人化を考える良いタイミングです。

 

一般的に、課税所得が年間500~800万円を超えるあたりが目安とされています。

この水準を超えると、個人事業主として払う所得税よりも法人として払う法人税のほうが税率が低くなるため、節税効果が期待できるからです。

 

ただし、法人化すると社会保険料の負担が増えるため、全体のコストを考慮して判断することが大切です。

社会保険や税理士報酬などの追加コストを考えると、課税所得の目安は600〜900万円程度といわれることもあります。

 

従業員を雇用する予定ができたとき

事業が拡大し、従業員を雇用する計画が出てきたときも法人化を検討する良いタイミングです。

求職者の多くは、個人事業主よりも法人のほうが経営面や福利厚生面で安定していると感じるため、採用活動で有利になります。

 

取引先から法人との契約を求められたとき

建設業界では「法人としか契約しない」という方針の元請け企業もあります。

大手企業や公共工事ではその傾向が強く、個人事業主では取引できない案件も少なくありません。

 

法人化することで、事業の幅を大きく広げられる可能性があります。

 

建設業許可を取得したいとき

建設業許可を取得することで、500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を請け負えるようになります。

許可を持つ法人は社会的信用が高まるため、大規模な工事の受注にもつながります。

 

個人事業主でも許可は取得できますが、法人のほうが許可要件を満たしやすいでしょう。

 

一人親方が法人化(会社設立)するメリット・デメリット

法人化の準備を進める一人親方

法人化には多くのメリットがありますが、同時にデメリットもあります。

両面を理解した上で判断することが、後悔しない法人化への第一歩です。

 

法人化の主なメリット

まずは、法人化することで得られる主なメリットをご紹介します。

 

節税効果が期待できる

所得が一定額を超えると、所得税よりも法人税のほうが税率が低くなります。

個人事業主の所得税は累進課税で最高45%ですが、法人税は中小企業の場合、所得800万円以下の部分で15%、それを超える部分でも23.2%です。

※2026年1月現在

 

また、法人では役員報酬や退職金を経費として計上できるため、大きな節税効果が見込めます。

生命保険料や自宅の一部を社宅として計上するなど、経費として認められる範囲も広がるのもメリットといえるでしょう。

 

社会的信用が高まる

法人は個人事業主に比べて社会的な信用度が高く評価されます。

取引先からの信頼を得やすく、新規の契約や大型案件の受注につながりやすくなるでしょう。

 

金融機関からの融資も受けやすくなり、事業拡大のための資金調達がスムーズになる可能性も高まります。

 

事業の永続性が高まる

法人は代表者が変わっても組織として存続できるため、事業承継がしやすくなります。

株式の譲渡や相続により、スムーズに次世代へ引き継ぐことが可能です。

 

個人事業主の場合は事業主が亡くなると事業も終了してしまいますが、法人なら継続できます。

長期的に事業を続けたい方にとって大きなメリットです。

 

責任が有限になる

お伝えした通り、法人の場合は事業で生じた負債は出資額の範囲内での責任となるため、事業の失敗で個人の財産まで失うリスクが軽減されます。

万が一のときも、個人資産を守れるのは安心ですね。

 

法人化の主なデメリット

次に、法人化することで生じるデメリットについても確認しましょう。

 

設立・運営コストがかかる

法人を設立するには、登録免許税や定款用の収入印紙、資本金などを含めて最低でも株式会社で約25万円合同会社で約10万円程度の初期費用が必要です。

 

また、設立後も毎年の税理士報酬、登記費用、法人住民税の均等割などのコストが継続的に発生します。

個人事業主に比べて、金銭的な負担が大きくなることは理解する必要があります。

 

社会保険への加入が義務になる

法人化すると、健康保険と厚生年金への加入が義務付けられます。

なお、代表取締役1名の法人も原則として加入義務があります。

 

将来受け取れる年金額は増えますが、保険料の負担も大きくなります。

特に、会社が保険料の半額を負担するため、事業主にとってはコスト増となります。

 

事務作業の負担が増える

法人化すると、会計処理や税務申告が複雑になります。

個人事業主の確定申告に比べ、法人の決算申告は専門知識が必要で、多くの場合は税理士に依頼することになります。

 

また、社会保険の手続きや給与計算、株主総会の開催など、さまざまな事務作業が増えます。

 

経費の管理も厳格になるため、日々の記帳作業の負担も大きくなるでしょう。

 

こうした事務作業の負担を軽減するためには、会計ソフトや業務管理システムなどのツールを導入し、業務を効率化する工夫が大切です。

 

一人親方の経費計上については「一人親方の経費を正しく計上しよう!経費にできるものや相場を確認」で詳しく解説しています。

 

一人親方が法人化で後悔しないために

専門家に会社設立を相談する一人親方

法人化は大きな決断です。

後悔しないためには、事前にしっかりと準備し、慎重に判断することが重要です。

 

ここでは、法人化を成功させるために押さえておきたいポイントをご紹介します。

 

自分の事業規模や将来計画を整理する

法人化を検討する前に、まず自分の事業規模や将来の計画を整理しましょう。

「なぜ法人化したいのか」「法人化して何を実現したいのか」を明確にすることが大切です。

 

売上や利益の推移、今後の事業展開の予定、従業員の雇用計画などを具体的に明文化してみましょう。

 

専門家に相談して判断する

法人化は税金や社会保険、法律など、専門的な知識が必要な場面が多くあります。

自己判断だけで進めるのではなく、税理士や司法書士、社会保険労務士などの専門家に相談するのがおすすめです。

 

専門家のアドバイスを受けることで、失敗のリスクを大きく減らせます。

 

建設業許可の再取得の時期を考慮する

法人化した場合、建設業許可の再取得が必要となります。

建設業許可の再取得までの間に500万円以上の工事を請け負うのは違反になるため、法人化の時期には十分注意が必要です。

 

法人化後の資金繰りをシミュレーションする

法人化すると、設立費用や社会保険料、税理士報酬など、さまざまなコストが発生します。

事前に法人化後の資金繰りをシミュレーションし、キャッシュフローに問題がないか確認しておきましょう。

 

特に、法人住民税の均等割は赤字でも支払わなければならないため、資金に余裕を持っておくことが大切です。

 

無理な法人化は経営を圧迫する原因になるため、慎重に計画を立ててください。

 

業務効率化の仕組みを整える

法人化後は事務作業が増えるため、あらかじめ業務効率化の仕組みを整えておくことが重要です。

会計ソフトやクラウド型の業務管理システムを導入すれば、経理処理や見積作成、請求書発行などの作業を大幅に効率化できます。

建設業に特化したシステムなら、工事台帳の管理や原価管理もスムーズに行えます。

 

法人化のタイミングで、ITツールの導入もあわせて検討するのがおすすめです。

 

一人親方の法人化は慎重な判断と準備が成功の鍵

一人親方が法人化を成功させるには、タイミングの見極めメリット・デメリットの理解が欠かせません。

売上の増加や従業員の雇用、取引先の拡大など、自分の事業状況に合わせて判断することが大切です。

 

法人化には節税や信用力向上といった魅力がある一方、コストや事務負担の増加というデメリットもあります。

 

専門家に相談しながら、資金繰りや業務効率化の準備を整え、後悔のない選択をしてください。

業務の効率化を意識し、ITツールの導入などもあわせて検討してみましょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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