こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
工事の施工管理にあたっては、さまざまな書類・資料が作成されます。
施工要領書もその一つです。
元請会社とその協力会社(下請会社)が連携して行う工事を円滑で安全に進めるためには、施工要領書が欠かせません。
そこで今回は、施工要領書とは何なのか、またその重要性、施工計画書など他の書類との違い、作成の流れをわかりやすく解説します。
目次
施工要領書とは
施工要領書とは、工事を円滑・安全に実施するために作成される工事の要領をまとめた書類です。
具体的には、工事の手順や工程、必要な資材、注意点などが記載されます。
施工要領書は、元請会社が作成した設計図面や施工計画書をもとにして、その協力会社(下請会社)が作成し、元請会社に提出します。
これにより、元請会社と協力会社が工事の水準を揃えることができます。
また、施工要領書を共有することで、関係者は工事の全体像を把握しやすくなり、結果としてより質の高い工事を実施することができます。
施工要領書が作成される理由
工事にあたって施工要領書が作成されるのは、工事を円滑で効率的に、そして安全に進めていくためです。
元請会社と各協力会社とでは、工事の環境が異なります。
元請会社が作成した設計図面や施工計画書だけで工事を進めると、元請会社と各協力会社の間で理解や認識が必ずしも一致するとは限らず、作業がスムーズに進まないことがあります。
場合によっては、一部で品質管理や安全対策が不十分になってしまうおそれもあります。
しかし、施工計画書等をもとに協力会社が施工要領書を作成し共有すれば、元請会社と各協力会社との間で生じやすい理解や認識の溝を埋めやすくなります。
結果として、現場での効率性や安全性の向上が期待できます。
施工要領書が必要な工事
施工要領書の作成は、すべての工事で必要とされるわけではありませんが、安全性や品質を確保するために作成を求められることが多いです。
特に、次のような工事では施工要領書の重要性が高くなります。
- 大規模な建設工事や公共工事
- 高度な技術や特殊な設備を使用する工事
- 安全性が重要な現場(例:高所作業や危険物を取り扱う作業)
施工要領書は、工事の種類(電気工事・配管工事・空調工事・内装工事…など)を問わず、作成を求められます。
小規模の工事や標準的な住宅の新築工事などでは、必要とされないケースもあります。
施工要領書と施工計画書の違いは?作業手順書との違いも
施工要領書と混同されやすい工事関連書類に、施工計画書や作業手順書と呼ばれるものがあります。
書類を活用し効率的かつ安全に工事を進めるためには、これらの違いをしっかり把握しておくことが大切です。
ここでは、施工要領書と施工計画書、作業手順書についてご説明します。
施工要領書と施工計画書との違い
施工計画書は、工事の元請会社が作成し協力会社へ提出する書類です。
工事の手順や必要な資材、安全管理計画などが記載される点は施工要領書と同じですが、施工計画書の場合は、工事全体を管理するための総合的な指針として作成されます。
一方の施工要領書は、元請会社が作成した施工計画書をもとに協力会社によって作成され、元請会社へ提出される書類です。
基本的な記載項目は施工計画書と変わりませんが、現場の作業員が円滑に作業を行えるよう、その内容はより現場の作業に則した具体的なものになっています。
施工計画書については、「施工計画書とは?作成手順やポイント・注意点を押さえておこう」で詳しく解説しています。
施工要領書と作業手順書との違い
作業手順書は、工事現場の現場管理者や作業員が作成する書類です。
それぞれの作業の方法や手順が細分化され、より具体的に記載されるのが特徴で、特に工事の安全性を重視した内容になっています。
一方の施工要領書は、すでにご紹介したとおり下請会社が作成する書類で、全体の作業の方法や手順が詳細に示されます。
また、作業手順書と比較すると、品質を重視した内容になっているのも、施工要領書の特徴です。
施工要領書を作成・提出する流れ
ここからは、施工要領書を作成・提出する流れについて確認していきましょう。
施工要領書の作成手順
施工要領書の作成手順は、大きく分けて次の3つです。
- 準備
- 現場確認
- 内容の記入
各手順について詳しく解説していきます。
1.準備
まずは、施工要領書を作成する前の準備を整えます。
準備にあたっては、元請会社から受け取った施工計画書と設計図を用意し、その内容をしっかり確認して工事の詳細を把握しましょう。
また、必要に応じて仕様書や契約書、関連法規、基準書など資料も揃え、施工要領書に記さなければならない情報をピックアップしていきます。
誤りのないよう情報は慎重に抜き出し、施工要領書の下地となる内容をまとめていきましょう。
2.現場確認
情報収集などの準備の次に行うのが、現場確認です。
現場確認とは、現場を訪問し、実際の環境を確認する作業のこと。
この作業は、現場と整合性の取れた施工要領書を作成するために必要です。
現場確認では、現地の地形・地盤や環境、周辺の構造物、作業スペースなどを確認していきます。
確認したことは施工要領書に反映させ、現場の状況に即した実践的な内容の書類を作成しましょう。
3.内容の記入
現場を確認し必要な情報が揃ったら、施工要領書を作成していきます。
文章を短く簡潔にまとめる、図表を活用するなど、視覚的なわかりやすさも意識すると良いでしょう。
また、効率的に施工要領書を作成するには、あらかじめ作っておいたひな形を使用するのがおすすめです。
ひな形があれば、誰もが効率的に施工要領書を作成することができ、必要項目の記入漏れも防ぐことができます。
施工要領書が完成したら、内容をよく確認した後、元請会社へ提出します。
提出期限は、プロジェクトの開始前に設定されることが多いです。
施工要領書は工事の開始・スムーズな施工に関わるものなので、工期に影響を及ぼさないためにも、必ず提出期限を守るようにしましょう。
施工要領書に記載する内容
施工要領書に記載する内容は工事によって異なります。
どのような工事でも記載される一般的な内容には、次のようなものがあります。
- 工事概要(工事名、場所、発注者、施工業者、施工計画書、設計図面など)
- 工程表(工事の開始日・終了日、作業内容など)
- 使用する材料や部材、機器(種類、数量、納入業者など)
- 作業手順(各工程の手順、必要な工具類、注意点など)
- 安全対策(安全器具の使用方法、注意事項、緊急時の対応など)
- 品質管理(品質管理の基準、検査方法など)
- 環境対策(注意事項、廃棄物の処理方法など)
上記は、施工要領書に記載すべき基本の内容です。
施工要領書作成の際には、上記の内容を必ず記載し、わかりやすく具体的にまとめるようにしましょう。
施工要領書とは下請の立場から工事の内容をまとめた書類
施工要領書とは、元請会社が作成した施工計画書や設計図面をもとに協力会社が作成する、手順や注意点など工事に関する具体的な内容をまとめた書類です。
この書類は元請会社と協力会社、またその作業員の理解と認識を統一させ、工事を円滑・安全に実施するために作成されるものです。
施工要領書と似た書類に施工計画書がありますが、これは元請会社側が作成するという点、内容が総合的なものであるという点で、施工要領書とは異なります。
また作業手順書については、現場の監督者や作業員が作成する点、品質を重視する施工要領書と異なり安全性を重視した内容で記載されるという点に違いが見られます。
施工要領書は、【準備→現場確認→内容の記入】という手順で作成を進めます。
作成にあたっては必要な情報を漏らさず正しくピックアップすること、また提出期限を厳守することを徹底するようにしましょう。
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