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積算の基礎知識

2022.04.12

施工計画書とは?作成手順やポイント・注意点を押さえておこう

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献するアークシステムです。

 

建設工事を確実に、そして安全に進めるためには、いろいろな書類を準備する必要があり、その中のひとつに「施工計画書」という書類があります。

施工計画書は工事の着手前に必ず作成し、積算を行う上でも必要な書類です。

 

今回のコラムではこの「施工計画書」とはどんな書類なのかについて解説。

施工計画書の概要や役割、記載内容や作成の手順などを紹介しますね。

データを打ち込む女性

 

 

施工計画書はどんな役割を持つ書類?

施工計画書は、工事の手順や工程、進捗管理や安全管理の方法など、工事を行うにあたって把握・管理すべきすべての内容をまとめた書類です。

 

記載される内容は、工事の施工手順や工法、工程、使用する機械や材料などから、安全対策や環境対策などまでさまざま。

 

工事を安全かつ確実に、そして効率的に行うため、各工程と内容を把握・管理する目的を持っています。

建築工事はもちろん、土木工事や電気設備工事などすべての工事において必要な書類です。

 

施工計画書は、工事の施工会社が作成し、発注者へ提出します。

国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」によると、「工事の着手に先立ち、工事の総合的な計画をまとめた施工計画書(総合施工計画書)を作成し、監督職員に提出する」となっています。

 

施工計画書の作成自体は3週間~1カ月程度かかり、遅くても工事開始の3週間前には提出する必要があるので、工事の日程が決まり次第できるだけ早く作成に着手したいものです。

施工計画書の作成に思った以上に時間がかかってしまったり、内容によっては発注者から承認を受けられず、作成し直して工事開始が遅れてしまった……なんてことにもなりかねません。

 

また、施工計画書は工事の条件や工程を決めて記載した書類ですので、積算で工事費を算出する際にも必要となります。

早めに着手をして、積算・見積作成時までには完成させておきましょう。

 

 

施工計画書に必要な項目とは?

施工計画書には、施工概要や工程・スケジュールのほか、現場の組織図や運営形態、仮設工事の計画など、工事をスムーズかつ安全・正確に進めるために必要な決まりや計画が記載されます。

 

施工計画書の書式に決まりはなく、必要な内容は工事内容や企業によっても異なりますが、おおむね以下のような項目になります。

  • 施工概要
  • 工程表
  • 現場の組織図
  • 現場の運営表(作業時間や休日、会議など)
  • 総合仮設計画 (仮設事務所、現場職員駐車場、資材置き場など)
  • 主要資材・機械 (工事で使用する資材や機械など)
  • 施工の方針・方法(工事の全体的な手順と進め方、施工方法など)
  • 施工管理計画(工事進捗管理、品質管理などの方法)
  • 安全衛生管理(安全管理活動の計画、責任者の策定、緊急連絡体制など)
  • 交通管理(現場周辺の交通規制や交通整理員の配置など)
  • 環境管理(騒音や振動対策、廃棄物の適切な処理方法、リサイクルなど)
  • 監督職員に対しての指示・報告・承諾・協議、書類申請などの手続き
  • 官公署への手続き・届出などの時期

など

 

なお、各自治体のホームページや整備局・開発局のホームページでも記載項目を含めたひな形を公開していますので、参考にしてみてください。

 

 

施工計画書の作成手順とは?

施工計画書の作成は、以下のような手順で進めましょう。

 

①工事内容の把握

まずは工事内容の把握が必要です。

契約書、設計書、図面など、工事に関わる書類をすべて精査し、工事内容を把握します。

 

また、工事現場にも直接足を運んで状況を確認します。

 

②発注者との協議

工事内容について、必要に応じて発注者と協議・確認を行い、方針や内容のずれがないようにします。

 

③ひな形の入手

施工計画書をゼロから作るより、ひな形を活用すると便利です。

発注企業で社内マニュアルを持っている場合もありますし、自治体や整備局のホームページにもひな形があるので、それらを上手に活用しましょう。

 

ただし、入手したひな形がそのまま使えるとは限りません。

工事内容に適した内容か確認し、過不足分は修正しながら作成しましょう。

 

④施工計画書の作成

必要な項目について記載し、添付書類なども合わせて準備していきます。

 

 

施工計画書を作成するポイント・注意点とは?

施工計画書を作成する際のポイントを3点ご紹介します。

 

分かりやすさを意識する

施工計画書は工事の要点や確認事項が誰にでも明確に伝わるよう、分かりやすさを意識して作成しましょう。

内容に不備があったり、分かりにくいと修正が必要になり、工事のスケジュールが遅れるなど関係各所へ迷惑がかかってしまいます。

 

誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように、の「5W1H」を意識して作成しましょう。

 

品質と効率のバランスを考慮する

とくに気をつけるべきは、安全衛生管理や交通管理での過剰な対応です。

 

たとえば、安全性を求めるあまり「機械の安全管理は毎日2時間」「交通整理員を10人配置する」など、現場作業員の負担が大きくなりすぎる計画を立てるのはNG。

立てた計画は遵守する必要がありますが、これでは工事の作業効率が悪くなってしまいます。

 

安全性を十分に担保するのはもちろんですが、スケジュールと効率のバランスを考慮して計画を立てましょう。

 

便利なツールやソフトを活用する

施工計画書のひな形をはじめとした便利なツールを利用して、効率的に作成することをおすすめします。

一般社団法人 日本建設連合会でも、パソコンの表計算ソフト形式でさまざまなテンプレートを公開しています。

 

また、施工計画書の作成に特化したソフトウェアなどもあります。

有料のものが多いですが、専用のソフトウェアは便利な機能が多く備わっているので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。

 

 

施工計画書は工事全体の計画をまとめた書類

施工計画書は、工事を安全かつ確実に、そして効率的に進めるために必要な書類です。

 

工事の概要や工程、使用する材料や機械、安全・交通・環境管理などの内容が記載され、この計画に沿って工事が行われます。

積算で工事費を算出する際にも必要な書類ですので、積算・見積作成時までには完成させておく必要があるでしょう。

 

施工計画書の作成は、関係書類や現場確認で工事の内容を把握し、発注者と内容の協議・確認をした上で進めます。

発注企業や自治体、日本建設連合会などが公開しているひな形や、便利なソフトウェアなどを活用すると、効率よく作成することができますよ。

 

工事関係の書類作成は、細かく、正確性が求められる業務です。

施工計画書の作成はもちろん、その後の積算見積も時間がかかります。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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