単線図・複線図とは？違いをチェック！

こんにちは！ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

住宅やオフィスなどの建設工事では、建物内でさまざまな電気設備を使えるようにするために、電気工事が行われます。

このときに使われるのが、電気図面。

電気図面には複数の種類があり、作業員はそれを使い分けながら作業を進めていきます。

 

今回は、電気図面の中でも「単線図」と「複線図」に注目し、その概要や書き方、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。

電気図面の種類

電気図面は、新設の電気工事や電気関連の修理に使用される図面で、電気接続図・電気配線図などとも呼ばれます。

 

この図面には、対象の建物内に設置する電気回路や電気設備の制御情報が、電気用図記号を用いて示されています。

これを確認することで、作業員は工事の内容を把握したり、不具合のある場所を特定したりすることができます。

 

電気図面は、複数の種類に分類されます。

その代表的なものを挙げてみましょう。

• 単線図（単線接続図）：電気機器の接続情報を単線で表した図面
• 複線図（複線接続図）：電気機器の接続情報を複線で表した図面
• 内部接続図（裏面接続図）：機器の配置と接続を実際の位置から機器の端子まで詳しく表した図面
• 展開接続図：機器・システムの動作順序を表した図面
• 屋内配線図（電気設備図）：取り付ける電気機器の位置を表した図面

 

これらの図面には異なる情報が記載されており、それぞれの用途も異なります。

電気工事を正確かつスムーズに進めるためには、これらの図面の見方や書き方を理解しておく必要があります。

 

電気図面の「単線図」「複線図」とは？

ここからは、電気図面の「単線図」と「複線図」について、どのようなものなのか、またその書き方を詳しくご紹介します。

 

単線図（単線接続図）とは

単線図（単線接続図）とは、電気機器の接続情報を簡略化して単線で表した図面のこと。

電気回路は単線で、そこに接続される機器や接続点は記号で記載されます。

 

単線図は、電気設備の全体像を大まかに理解するための図面です。

具体的には、電気工事の打ち合わせや計画の策定、電気関連の不具合の解決のためなどに活用されます。

 

シンプルなつくりで視認性が高く、コンセントやスイッチなどといった機器の配置がすぐに見て取れる点が、単線図の特徴です。

 

ただし、見やすい一方で、そこに記載される情報は大まかなものであるため、実際の作業に単線図が単独で用いられることはほとんどありません。

作業員は、作業の正確性を保つために、単線図を他の図面と併用したり複線図に書き換えたりして活用します。

 

単線図の基本の書き方

単線図は、次の流れで作成します。

1. 外部からの電源の接続情報を確認
2. 接続する電気機器の配置
3. 接続線の記入
4. 各種仕様の記入
5. 補足情報の記入（必要に応じて）

 

まずは、外部からの電源の接続情報を確認します。

電流量や電源の種類、電圧レベルなどを把握し、正確に記載しましょう。

 

次に、記号を用いて照明器具やスイッチ、変圧器などといった接続機器を図面に配置していきます。

 

機器を配置したら、各機器を単線で結んでいきます。

その後、機器の仕様（型番、容量、定格電圧など）を記載し、必要に応じて補足情報を書き込んだら、単線図は完成です。

単線図は見やすさが重要であるため、補足情報は付け足しすぎないようにします。

 

複線図とは

複線図とは、電気機器の接続情報を複数の線と記号を用いて表した図面です。

 

単線図に記載されるものよりも詳しく情報が記されているのが複線図の特徴です。

電線の往路・復路や接続先の機器の形式、端子番号、電線の太さ、本数、接続用部材など、電気工事に必要なあらゆる情報が記載されています。

 

正確に電気工事を行うためには、複線図が欠かせません。

 

ただし複線図には、シンプルな単線図に比べ、複雑で見にくいというデメリットもあります。

複線図に記載された情報を正しく読み取るには、図面の見方や記号の知識が必要です。

 

そのため、複線図は図面に慣れている作業員間での打ち合わせには用いられますが、取引先の担当者や顧客など、図面の専門知識を持たない人との打ち合わせには用いられません。

このような場では、見やすい単線図が用いられることになります。

 

単線図や複線図をはじめとした電気工事図面の見方については、「電気工事図面の見方は？種類や記号、見るポイントを紹介」で詳しく解説しています。

 

複線図の書き方

複線図は、次の流れで作成します。

1. 単線図の情報を確認
2. 接続する電気機器の配置
3. 接地面・非接地面の確認
4. 接続線の記入

 

複線図は、基本的に単線図からの書き換えという形で作成します。

まず単線図の情報を確認し、その情報どおりに、照明器具やスイッチなどの接続する電気機器を図面上に配置しましょう。

 

次に、接地面と非接地面を確認した上で、負荷とコンセントにつなぐ接地側（プラス側）の電線を記入します。

この電線は、白線で記入します。

コンセントやスイッチとつなぐ非接地側（マイナス側）の電線については、黒線で記入します。

 

最後に、配置されたすべての電気機器をつなぎ、全体の回路のつながりを確認して、問題なければ複線図は完成です。

 

電気図面の「単線図」「複線図」の違い

最後に、電気図面の「単線図」と「複線図」について、それぞれの違いを確認していきましょう。

 

単線図と複線図の違いは、図面上の情報量にあります。

既にご紹介したとおり、単線図は大まかな情報が記載されたシンプルで見やすい図面。

一方の複線図は、電気回路や機器の詳細が示された複雑な図面です。

 

単線図よりも複線図の方が情報量が多いですが、その複雑さから、読み取りの難易度は複線図のほうが高いです。

専門知識を持たない方にも理解しやすいため、単線図は顧客との打ち合わせや保守に、複線図は実際の施工や作業員間での打ち合わせに使われるのが一般的となっています。

 

単線図と複線図は、記載される情報の方向性は同じであるものの、メリット・デメリットにおいては対となる図面です。

電気工事を正確に、そしてスムーズに進めるためには、これらの図面をうまく使い分けることが大切です。

 

単線図・複線図とは電気機器の接続を表す図面！違いは情報量

「単線図」と「複線図」は、電気工事に用いられる電気図面の一種です。

単線図は電気機器の接続情報を簡略化して表した図面で、情報量は少ないものの、シンプルで見やすい点が特徴です。

 

一方の複線図は、電気機器の接続情報を詳細に示した図面。

情報量が多い分、複雑で、読み取るには電気図面に関する専門知識が必要です。

 

電気工事の正確な施工にあたっては、特徴の異なるこれらの図面をうまく使い分け、確実に情報を読み取ることが大切です。

また、単線図・複線図以外の図面も、それぞれの目的に応じて活用していきましょう。

 

 

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