一人親方の経費を正しく計上しよう！経費にできるものや相場を確認

こんにちは！ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

一人親方として独立して間もない方の中には「経費はどこまで計上できるのか」「適切な経費の割合はどれくらいなのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、一人親方の経費についての基礎知識から経費として認められるものまでをわかりやすく解説します。

 

経費に関して間違えやすいポイント、判断に悩むところなどもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

一人親方の経費の相場・割合はどれくらい？

一人親方は、建設業などで個人で仕事を請け負って働く個人事業主の1つの形です。

 

そのため、一人親方の経費には建設現場で使用する工具や材料費、現場への交通費などの、業務に必要な費用が含まれます。

一人親方の場合、売上に対する経費の割合は一般的に30%～50%程度と言われています。

 

経費の割合が高くなれば、課税対象となる所得が減少して税金の負担を抑えられるため、事業拡大のための投資に回すことも可能になるでしょう。

 

ただし、不自然に経費が多いと税務調査の対象となるケースもあります。

 

また、経費の方が多くなり会計上の利益が赤字になると、金融機関からの融資を予定している場合に良くない印象を与えるため注意が必要です。

一方、経費の割合が低い場合は税金が高くなってしまいますが、融資を受ける際の審査では有利になりやすいといえます。

 

一人親方として働くメリット・デメリットについては、以下のコラムでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

一人親方のメリット・デメリットを解説！ツール活用で業務効率化を

 

一人親方が経費にできるものとは？

事業に必要な支出が経費として認められますが、具体的にどのようなものが対象となるのでしょうか。

ここからは、一人親方が経費にできるものとできないものを具体的にお伝えしていきます。

 

経費にできるもの

経費にできるものは主に次のような項目です。

• 材料費・消耗品費
• 地代家賃・水道光熱費
• 旅費交通費・車両費
• 通信費
• 接待交際費
• 組合費・租税公課
• 専従者給与

 

材料費・消耗品費

工具や作業着、文具など、事業に必要な物品の購入費用が該当します。

 

ただし、10万円以上の物品は減価償却の対象となり、一括での経費計上はできません。

 

地代家賃・水道光熱費

事務所の家賃や光熱費は経費として認められます。

自宅兼事務所の場合は、事業使用分を面積や時間で按分して計上する必要があります。

 

旅費交通費・車両費

現場への移動費用や出張費用が該当します。

現場と事務所間の交通費やガソリン代、出張時の宿泊費なども、業務に関係する支出であれば経費計上が可能です。

 

業務用自動車の購入費用や自家用車のガソリン代も、業務使用分を按分することで経費計上が可能です。

 

通信費

業務用の携帯電話代やインターネット料金、FAX代などが該当します。

プライベートと併用している場合は、使用実態に応じた按分が必要です。

 

接待交際費

取引先との打ち合わせ費用や贈答品代が該当します。

ただし、プライベートな飲食との区別がつきにくいため、税務調査でもチェックが厳しくなる傾向があります。

 

組合費（会費）・租税公課

一人親方団体に所属すると、労災保険の補償を受けられます。

所属する場合は、支払う費用の一部を経費にできます。

具体的には、入会金や組合費、事務手数料などです。

 

また、確定申告の際に事業を運営する上で必要な租税公課も経費計上できます。

租税公課に含まれるのは、個人事業税、固定資産税、自動車税、印紙税などです。

 

専従者給与

専従者とは、一人親方の家族で、事業に従事して働いている人のことです。

 

白色申告の場合、専従者給与をそのまま経費として計上できませんが、青色申告の場合は以下のような条件を満たせば経費にすることも可能です。

1. 生計を共にする15歳以上の家族で、事業に専従していること
2. 仕事内容に見合った給与を支払うこと
3. 「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出していること
4. 帳簿で給与や仕事内容を記録・管理していること

 

経費にできないもの

次に経費にできないものを見ていきましょう。

経費にできない代表的な項目は次の通りです。

• 生活費関連
• 福利厚生費
• 保険料

 

生活費関連

食費や衣服費など、プライベートに関する支出は経費として認められません。

 

福利厚生費

一人親方の場合、従業員がいないため、福利厚生費は原則として経費計上できません。

生計を共にする家族を従業員として雇用しているようなケースでも原則的には経費としては認められていないので注意しましょう。

 

保険料

一人親方専用の特別加入制度を利用して労災保険に入っているような場合でも、労災保険料や国民健康保険料は経費として認められません。

 

ただし、社会保険料控除の対象となります。

確定申告時に「社会保険控除」として申告しましょう。

 

一人親方の保険に関しては「工事保険は一人親方に必要？種類や補償について解説！」でも詳しく解説しています。

気になる方は、あわせて参考にしてください。

 

一人親方の経費に関するQ&A

一人親方になってからの期間が短い方は、経費について判断に迷うこともあるでしょう。

ここからは間違えやすいポイントや経費の判断でよく悩むポイントについて、具体的なQ&A形式で解説します。

 

Q：現場での飲み物は経費になりますか？

A：作業中の水分補給として必要な飲料水は経費として認められます。

ただし、以下の点に注意が必要です。

• 必要な量を超えていないこと
• 高額な飲み物は避けること
• レシートは必ず保管すること

 

そのほか、会議のときや現場で取引先の方へ飲み物を渡した場合は、会議費や交際費といった名目で経費として申告が可能です。

 

Q：自家用車に関する費用は経費にできますか？

A：業務で使用する分は経費として認められます。

ただし、以下の処理が必要です。

• プライベート使用分との按分
• ガソリン代、車検代、保険料などの按分

 

走行距離や移動場所などの記録を残し、業務と自家用の区別が明確になるようにしましょう。

 

Q：経費をごまかすとどうなりますか？

A：虚偽の経費計上は重大な違反となります。

虚偽の申告や過少な申告に関しては、以下のようなリスクがあるので注意が必要です。

• 過少申告加算税が加算される可能性がある
• 悪質な場合は重加算税が課される
• 過去の申告まで遡って調査される
• 悪質な場合は刑事罰の対象となる

 

Q：税務署から調査が来たらどうすればいいですか？

A：落ち着いて適切に対応しましょう。

冷静に対応するためには、日頃からの対策も重要です。

日常的に次のような点に気を付けて、準備をしておき、調査には誠実に協力するようにしましょう。

• 領収書や帳簿は日頃から適切に保管する
• 経費の内容を説明できるように準備する

 

領収書などは会計ソフトを利用すると管理が楽になり、急な税務調査にも応じやすくなります。

また、困ったときに相談できる税理士を探しておくのも安心です。

 

Q：プライベートと仕事で共用している場合の経費計上は？

A：合理的な説明ができる按分方法で計算します。

主な按分基準については次の通りです。

• 事務所スペースと住居の按分は「面積」を基準にする
• 通信費や光熱費におけるプライベートとの按分は「時間」を基準にする
• 車両費の按分は「走行距離」を基準にする

 

一人親方の経費を正しく理解して健全な事業運営を

一人親方の経費は、事業運営に必要な支出が認められます。

 

経費を適切に計上することは、健全な事業運営の基盤となるだけでなく、節税効果も期待できます。

ただし、経費の計上には明確な基準があり、事業との関連性を説明できることが重要です。

プライベートと兼用の自家用車や事務所兼自宅などは、適切に按分して経費計上を行いましょう。

 

日々の経費管理に不安を感じる場合は、税理士に相談したり、会計ソフトを活用したりするのが良いでしょう。

 

現場作業だけでなく事務作業も自分でこなさなければならない一人親方。

ITツールなども活用しながら、できるだけ効率的に日々の作業をこなしていきましょう。

 

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