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積算の基礎知識

2025.04.03

割付図とは?読み方と作成のポイントを解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

建設工事においては、さまざまな種類の図面が用いられますが、その中でも美しい仕上がりを実現するために欠かせない図面が「割付図」です。

 

今回は、割付図の基本的な知識から読み方、作成方法について解説します。

建築やリフォームに関わる方は、ぜひ最後までご覧ください。

きれいに割付けられたタイル

割付図とは?

割付図とは施工図の一種で、内装や外装の仕上げ材の細部までを図示したものです。

具体的には、タイルや石材、仕上げのボード類、外壁のサイディング、床の目地などの材料を用いて施工する場合の、配置や位置を正確に決める図面です。

 

仕上げ材はサイズが決まっているため、計画せずに施工を進めると半端な大きさの材料が必要になったり、つなぎ目が目立って見た目が美しくなかったりといった問題が生じます。

 

そこで、材料のサイズと施工範囲を照らし合わせて、半端や余りが少なく意匠的に美しく納まるように配置を検討し、図面に落とし込んだものが割付図です。

 

割付図のメリット

割付図を作成することで、次のようなメリットがあります。

  • 視覚的な理解の向上
  • 施工の指針になる
  • 設計図面の検証が可能

 

割付図を作成することで、まず、完成後のイメージを視覚的に理解しやすくなります。

これにより、関係者全員が同じイメージを共有でき、認識のズレを防ぐことができます。

 

また、材料の配置や目地の幅などが明確に示されているため、施工時のミスを減らし、効率的に作業が進められることもメリットです。

 

加えて、割付図を用いることで、設計図面が実際に施工可能かどうかを事前に検証することができ、施工に入ってからのトラブルを未然に防ぐことにも役立ちます。

 

割付図のデメリット

一方で、割付図には以下のようなデメリットもあります。

  • 図面作成に時間がかかる
  • 変更や追加への対応が難しい
  • 専門知識が必要

 

割付図を作成する際、詳細な寸法や材料の情報を収集する必要があり、それを手書きで図面に起こす場合は、作業にかなりの時間がかかります。

効率的に作成するためには、専用のツールを導入するのがおすすめです。

 

また、割付図に変更や追加が生じた場合、部分的な変更だけでなく、全体の計画を見直さなければならず、変更や追加に柔軟に対応するのが難しいという側面もあります。

 

さらに、適切な割付図を作成するためには、使用する素材の寸法や目地に関する専門的な知識が必要です。

正しい知識がないと、誤った割付図を作成してしまい、かえって現場の混乱を引き起こしてしまう可能性があります。

 

他の施工図との違い

割付図は施工図の一種で、施工図には他に「原寸図」「工作図」「プレカット図」などが含まれます。

 

原寸図は、装飾部分の施工時に正確な寸法を把握するために実寸で描かれる図面です。

工作図は、木工や鉄骨などの細部を示す図面で、実際の材料の加工方法を記載します。

プレカット図は、あらかじめ加工された部材の詳細を示した図面です。

 

施工図の種類については「施工図とは?設計図・竣工図との違いや書き方のポイントを解説」で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

 

割付図で覚えておきたい言葉

割付図について考えている様子

割付図を理解するために知っておきたい、代表的な用語をご紹介します。

 

タイル割り・石割り・レンガ割り

「タイル割り」とは、割付図の中でもタイルを使用する際に用いられる図面のことです。

タイルの配置やパターンのほか、タイルのサイズや目地の幅、設置の角度などを記載します。

 

「石割り」や「レンガ割り」は、タイル割りと同様に石材やレンガなどの材料を使用する際に用いられる図面です。

形状や種類、色、目地の幅、配置などについて細かく示されます。

 

レイアウト

レイアウトとは、割付図全体の配置や寸法などを示した図のことを指します。

使用する材料の名称や位置、寸法を明確に示し、施工範囲全体を把握するために用いられます。

 

心割り・片割り

心割り(しんわり)・片割り(かたわり)は、材料の配置方法に関する呼び名です。

 

心割りは、左右対称に材料を配置する方法です。

タイルの中心や目地を中心にして左右対称に配置することで、美しい仕上がりになります。

 

一方、片割りは、端から割付を行い、入隅(屋内の角)などに切り物(カットしたタイルなど)を持ってくる方法です。

 

使用する場所や目的に応じて、適切な割付方法を選択することが重要となります。

 

図面記号

割付図では、材料を表す図面記号も使用されます。

 

例えば、レンガは長方形に斜線を1本入れて表現され、タイルは長方形に斜線で網掛け処理(ハッチング)が施されます。

 

▼レンガ

レンガ

▼タイル

タイル

※出典:国土交通省「建築工事設計図書作成基準」

 

図面記号を正しく理解することで、設計者の意図を適切に把握し、図面通りの施工が可能になります。

 

割付図を作成するには

割付図の作成準備のイメージ

ここからは、割付図の作成方法や手順、各段階での注意点について解説します。

 

事前準備

割付図を作成する前に、以下の情報収集基本設計を行うことが重要です。

  • 建物のプランや設計図の確認
  • 施工場所の寸法や形状、使用目的の把握
  • 使用する材料のサイズや特性の確認

 

特に、使用する材料のサイズは正しく確認しておかないと、実際の現場で施工箇所に納まらないなどのトラブルにつながります。

 

割付図作成の手順

準備ができたら、実際に割付図を作成します。

ここでは、床にタイルを施工することを想定した割付図の作成手順を説明します。

 

1. スケールに合わせた基本図面を描く

まず、割付図を描くための基本となる図面(平面図や立面図など)を準備します。

タイルを割付る場合は平面図に、サイディングであれば立面図や正面図に、天井の仕上げ材を割付る場合は天井伏図に図示していきます。

 

2. 家具や建具、設備の配置を図示

基本図面が用意できたら、家具や建具、設備などを図示します。

割付図作成では、空間の有効スペースを正確に把握することが重要です。

 

造り付けの家具や建具の枠、住宅設備など、部屋に固定されるものをしっかりと図示して、工事完了時の有効スペースを明確にします。

 

3. 材料の割付を行う

有効スペースが明確になったら、実際に材料の割付を行います。

 

タイルであれば、サイズや目地の幅を確認し、配置パターンを決定します。

タイル割付のパターンには、1種類のタイルを使用するシンプルなものから複数のサイズや形状を組み合わせる複雑なものまであります。

配置パターンが決まったら、実際の割付を行います。

 

目地の幅も考慮しながら、美しく収まるように計画します。

 

4. 詳細部分の拡大図示や寸法の記入

建具の枠と干渉する部分など、細かい寸法指示が必要な箇所は別途拡大した図面で表現します。

 

また、部屋全体の寸法から内側の有効寸法まで明確に記入して、割付の根拠を示すことも重要です。

 

割付方法のポイント

割付図を作成する際のポイントをいくつか紹介します。

 

主観(優先順位)を決める

長辺方向と短辺方向がある場合は、一般的に長辺方向を優先します。

 

半端な材料の処理

どうしても半端な寸法になる部分は、入隅部分のようなできるだけ目立たない場所に配置しましょう。

また、タイルを切った切り物を使用する場合は、タイル幅の半分以上のサイズになるよう調整するとよいでしょう。

 

目地の考慮

タイルや石材の目地幅も含めて計算しないと、実際の施工では図面通りにならないことがあります。

 

割付図を用いて美しい仕上がりを実現しよう

割付図は、タイルや石材、ボード類、サイディングなどの仕上げ材を美しく配置するために欠かせない施工図の一種です。

 

割付図を作成することで、施工の指針となるだけでなく、視覚的な理解の助けとなったり、設計図面の検証も可能にします。

 

割付図を作成する際は、事前の情報収集と基本設計をしっかり行いましょう。

実際の設計では、スケールに合わせた基本図面の作成家具や建具の配置材料の割付詳細部分の図示と寸法の記入という手順で進めていきます。

 

適切な割付図の作成は、施工の効率化と美しい仕上がりを両立する重要な工程です。

タイル割り・石割り、心割りなどの用語も理解し、適切な図面記号を使用しながら、美しい仕上がりを目指しましょう。

 

割付図に限らず、建設におけるさまざまな業務を効率化するには、専用ツールを使用するのがおすすめです。

 

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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