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積算の基礎知識

2025.05.16

配管図とは?配管図面の種類や記号を詳しく解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

建設工事において、さまざまな設備を効率的に配置するために必要な「配管図」。

水道・ガス・電気・空調といった建物の「血管」ともいえる配管を正確に施工するためには、精度の高い配管図が欠かせません。

しかし、配管図には独特の記号や表現方法があり、初めて見る方には少し複雑に感じるかもしれません。

 

そこで今回は、配管図の基本から種類、よく使われる記号、そして作成の際の注意点までを分かりやすく解説します。

これから建設に関わる方はもちろん、リフォームや設備工事に関心のある方も、ぜひ参考にしてください。

配管図と配管のイメージ

配管図とは?その種類も確認

配管図とは、建物内に設置される水道、電気、ガス、空調などの配管の経路や位置関係を表した図面です。

天井裏や床下、壁の中など、完成後には見えなくなる部分に設置される配管を正確に示すことで、適切な施工を可能にする重要な役割を担っています。

 

配管図は単に管の位置を示すだけでなく、使用する管の種類やサイズ、継手の位置、バルブや計器の配置など、施工に必要な情報を詳細に記載します。

現場での作業効率の向上正確な施工のために、非常に重要な図面です。

 

配管図の種類

配管図には、アイソメ図アクソメ図配管系統図という3種類があります。

ここからは、それぞれについてもう少し詳しく解説します。

 

アイソメ図とは

アイソメ図は配管を立体的に表現した図面で、アイソメトリック図の略称です。

 

立体のX、Y、Z軸をそれぞれ120°の等間隔で投影し、実寸で描きます。

管の配置や接続状態を視覚的に把握しやすいため、配管工事の現場では非常に重宝されます。

 

特に複雑な配管経路がある場合、平面図だけでは伝わりにくい立体的な関係性をアイソメ図で明確に表現できるのです。

 

奥行きや高さの情報も含めた立体表現ができるため、配管工事の精度向上施工ミスの防止に役立っています。

 

アクソメ図とは

アクソメ図は、アクソノメトリック図の略で、アイソメ図と似た立体表現の図面です。

平面図を水平線に対して幅と奥行きが30°と60°になるように傾け、そこに高さの情報を加える形で作成します。

 

平面図からアクソメ図を作成するのは比較的容易で、全体的な配管のイメージを把握するのに適しています

ただし、奥行きが長くなると違和感が目立ちやすく、遠近法が効かないという特徴があります。

 

配管系統図とは

配管系統図は、配管の流れや接続関係、設備機器との位置関係などを示した図面です。

平面図では表現できない情報も含まれており、配管のシステム全体を理解するのに役立ちます

 

例えば、水道配管の場合、給水・給湯・排水などの種類を明確に区分し、電気配線では配線の経路や機器の種類を示す必要があります。

そのためにさまざまな記号を用いて表現し、見る人が理解しやすいように工夫されています。

 

配管系統図は設計段階での検討だけでなく、施工後のメンテナンスや改修工事の際にも重要な資料となります。

 

配管図は誰が作成するの?

配管図は一般的に設計事務所や設備設計の専門家が作成しますが、現場の状況に合わせて施工業者が詳細を調整することもあります。

 

複雑な設備が必要な大規模建築物では、専門の設備設計者が設計者と協力して配管図を作成します。

一方、比較的小規模な工事では、経験豊富な配管工が現場の状況に応じて配管図を調整したり、詳細図を作成したりすることもあるのです。

 

配管図の作成には専門知識と経験が必要で、管材や継手の特性、流体の動きなどを理解していることが求められます。

 

配管図でよく使われる記号を知ろう

配管図を読み込む人

配管図には、配管の種類や継手、バルブなどを表現するための多くの記号が使われています。

記号を理解しなければ、必要な情報を正確に読み取れません。

 

国土交通省の規定では、管の太さや種類を示す記号は、図の下または右から読めるように図示するか、引出線を用いて図示するよう定められています。

また、管の太さと種類を同時に示す場合は、管の太さを表す文字の次に管の種類を表す記号を記入することが必要です。

 

ここからは、国土交通省の「一般共通事項」から、配管図でよく使用される主要な記号を紹介します。

 

全設備共通

まずは、配管の素材の種類や、その形状、構造などを表す記号をご紹介します。

配管図の配管の種類・素材を示す記号表

また、共通して使われる管の接続状態や立体的表示には次のようなものがあります。

配管図の接続状況を示す記号表

空調設備に用いられる記号

空調設備に用いられる代表的な記号もご紹介します。

空調設備の配管図に使われる記号表

 

衛生設備に用いられる記号

衛生設備には給排水管や消火管、ガス管などが含まれ、次のような記号を用いて示されます。

衛生設備の配管図に使われる記号表

 

配管図の作成方法と注意点

配管図の作成に必要な道具

配管図は、単に管の位置を示すだけでなく、実際の施工を見据えた正確な情報提供が求められます。

配管図作成の流れと注意すべきポイントについて解説します。

 

基本的な作成手順

配管図を作成する基本的な手順は以下のとおりです。

 

①基礎情報の収集と計画

建物のプランや設計図を確認し、必要な配管の種類や経路を計画します。

使用する材料のサイズや特性も把握しておきましょう。

 

②配管の位置や経路の記入

実線を使用して配管の位置や長さを図面に記入します。

給水・給湯・排水など、種類によって色を変えると分かりやすくなります。

 

③継手や分岐部分の記入

分岐や接続部には、適切な記号を用いて継手の種類や方向を示します。

 

④設備機器の記入

水道メーターや止水栓、排水桝などの位置も記号を用いて明確に記入します。

設備と配管との接続関係を正確に示すことが重要です。

 

⑤凡例の作成

使用した記号の意味を表にまとめた凡例(はんれい)を作成します。

凡例があることによって、図面を見る人が共通の認識を持って作業できるようになります。

 

作成時の注意点

配管図を作成する際には、以下の点に注意しましょう。

 

正確な寸法と材料情報の記載

配管のサイズや材質、継手の種類など、施工に必要な情報を正確に記載します。

現場での判断ミスや手戻りを防ぐために重要な工程です。

 

他の設備との干渉チェック

電気や空調など、他の設備との干渉がないかを確認します。

天井裏や壁内など、限られたスペースに複数の設備が集中する場所では、特に注意が必要です。

 

施工性の考慮

図面上では問題なくても、実際の施工が難しい配置になっていないか確認します。

特に排水管は勾配が必要なため、十分なスペースを確保する必要があります。

 

メンテナンス性への配慮

将来のメンテナンスや修繕を考慮した配管計画を立てましょう。

点検口や清掃口の位置も適切に設定することが大切です。

 

変更履歴の管理

設計変更が生じた場合は、その履歴を管理し、最新の図面が確実に現場で使用されるようにします。

古い図面と混同しないよう注意が必要です。

 

配管図の作成は専門知識を要する作業ですが、CADソフトの活用や既存の図面テンプレートの利用などで効率化もできます。

正確で分かりやすい配管図を作成することで、施工の質向上だけでなく、工期短縮やコスト削減にもつながるでしょう。

 

施工図全般の作成方法については「施工図とは?設計図・竣工図との違いや書き方のポイントを解説」で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてくださいね。

 

配管図の基本を理解して効率的な設備工事を実現しよう

配管図は、建物内の水道・ガス・電気・空調などの配管経路を正確に示す重要な図面です。

配管図を活用することで効率的に作業を進められるため工事全体の質向上にもつながります。

 

配管図には主にアイソメ図アクソメ図配管系統図の3種類があり、それぞれ異なる視点から配管情報を表現します。

多くの記号が用いられており、管の種類や継手、バルブなどを簡潔に示すための独自の表記法が確立されています。

 

配管図を作成する際には、正確な寸法と材料情報の記載他設備との干渉チェック施工性やメンテナンス性への配慮など、さまざまな点に注意が必要です。

これらを踏まえた質の高い配管図を用意することで、施工ミスの防止や工期短縮につながるでしょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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