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2024.07.18

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とは?難易度や勉強法を解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

ビルなどの建築物の管理・メンテナンスを行うには、スキルだけでなく資格が必要です。

ビルメンテナンスに関する資格は複数ありますが、その中の一つが建築物環境衛生管理技術者資格。

ビル管理士とも呼ばれるこの資格は専門性が高く、ビルメンテナンスにおいて重宝されており、仕事としての将来性も見込まれるものです。

 

では、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とはどのような内容の資格で、試験を受けるにはどのような要件を満たせば良いのでしょうか。

またその難易度はどれくらいのレベルなのでしょうか。

 

今回は、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の資格概要と試験概要、そして試験難易度についてわかりやすく解説します。

ビル管理士

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とは?仕事内容も解説

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)とは、建築物における環境衛生上の維持管理を行うために必要な国家資格です。

 

床面積が3,000㎡以上(学校は8,000㎡以上)で、特定の用途で使用される建築基準法に定義された建築物は「特定建築物」と呼ばれますが、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)」で、特定建築物の環境衛生管理においては、建築物環境衛生管理技術者の専任が義務づけられています。

 

建築物環境衛生管理技術者の仕事内容は、次のとおりです。

  • 建築物の維持管理計画の立案
  • 建築物の維持管理業務の実施
  • 建築物の維持管理業務の指揮・監督
  • 建築物環境衛生管理基準にもとづいた測定・検査・評価
  • 必要な是正措置の実施 など

 

建築物環境衛生管理技術者については、ビルのオーナーがビル管理会社に委託する場合もあれば、オーナーが自分自身で建築物環境衛生管理技術者となる場合もあります。

 

どちらの場合にせよ、ビルオーナーは1つの特定建築物につき1人の建築物環境衛生管理技術者を選任しなければなりません。

なお、建築物環境衛生管理技術者は、建築物への常駐は不要です。

 

建築物環境衛生管理技術者は専門性が高く、人手不足から求人における需要も高い資格です。

この資格を取得しておけば、ビルメンテナンス業界における転職にも有利でしょう。

 

ビルメンテナンス業界の仕事内容や課題については、以下もご一読ください。

ビルメンテナンスの仕事内容は?必要な資格ややりがいも

ビルメンテナンス業界の課題とは?現状・改善策・今後の動向も解説

 

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の受験資格と試験内容・合格難易度

清掃

ここからは、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の国家試験について詳しくみていきましょう。

 

受験資格

建築物環境衛生管理技術者試験の受験資格は以下のとおりです。

 

【建築物環境衛生管理技術者試験の受験資格】

次の用途に供される建築物の当該用途部分において、環境衛生上の維持管理に関する実務に業務として2年以上従事した方

  1. 興行場(映画館、劇場等)、百貨店、集会場(公民館、結婚式場、市民ホール等)、図書館、博物館、美術館、 遊技場(ボーリング場等)
  2. 店舗、事務所
  3. 学校(研修所を含む)
  4. 旅館、ホテル
  5. その他1〜4までの用途に類する用途(多数の者の使用、利用に供される用途であり、なおかつ衛生的環境も1〜4までの用途におけるものと類似しているとみられるもの)

 

また、「環境衛生上の維持管理に関する実務」とは、次に該当するものを指します。

  • 空気調和設備管理
  • 給水、給湯設備管理(貯水槽の維持管理を含み、浄水場の維持管理業務を除く)
  • 排水設備管理(浄化槽の維持管理を含み、下水処理場の維持管理業務を除く)
  • ボイラ設備管理
  • 電気設備管理(電気事業の変電、配電等のみの業務を除く)
  • 清掃及び廃棄物処理
  • ねずみ、昆虫等の防除

 

受験者は、上記の資格要件を満たしている必要があります。

 

このうち、資格要件に示されている実務期間は、試験に申し込む時点で2年以上でなければなりません。

試験への申し込み以降の期間を含めることはできないので注意しましょう。

 

また、建築物環境衛生管理技術者には試験の免除制度がありません。

どれだけ長く豊富な実務経験を持っていたとしても、国家資格を取得するためには、必ず試験に合格する必要があります。

 

試験概要

建築物環境衛生管理技術者資格試験の試験概要をご紹介します。

※2024年7月時点

 

【試験実施日】

毎年10月前半

 

【試験地】

北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、福岡県

 

【試験科目・範囲】

  1. 建築物衛生行政概論
  2. 建築物の構造概論
  3. 建築物の環境衛生
  4. 空気環境の調整
  5. 給水及び排水の管理
  6. 清掃
  7. ねずみ、昆虫等の防除

 

【解答方式】

マークシート

 

【試験時間】

  • 午前:9:30~12:30(1〜3の科目)
  • 午後:13:30~16:30(4〜7の科目)

 

【受験手数料】

13,900円(消費税非課税)

 

【合格基準】 

  • 各科目の得点が各科目の合格基準点(満点の40%)を超えていること
  • 全科目の得点が全科目の合格基準点(満点の65%)を超えていること

 

科目ごとの基準は以下のとおりです。

  • 建築物衛生行政概論:8点以上(満点20点)
  • 建築物の環境衛生:10点以上(満点25点)
  • 空気環境の調整:18点以上(満点45点)
  • 建築物の構造概論:6点以上(満点15点)
  • 給水及び排水の管理:14点以上(満点35点)
  • 清掃:10点以上(満点25点)
  • ねずみ、昆虫等の防除:6点以上(満点15点)
  • 合計:117点以上(満点180点)

 

【合格発表】

毎年10月下旬~11月上旬

 

合格難易度

過去5年間の建築物環境衛生管理技術者資格試験の合格率は、次のとおりです。

  • 2023年:22.1%
  • 2022年:17.9%
  • 2021年:17.7%
  • 2020年:19.5%
  • 2019年:12.3%

 

建築物環境衛生管理技術者資格試験の受験者は、毎年1万人前後で推移しており、試験の合格率は例年10〜20%台

試験の難易度は高いといえるでしょう。

 

建築物環境衛生管理技術者資格試験は、7つの科目から成りますが、各科目に合格ラインが定められており、幅広い出題範囲をバランスよく勉強しておかなければなりません

これが、建築物環境衛生管理技術者資格試験が難しい理由の一つです。

 

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)になるための学習方法

建築物環境衛生管理技術者資格試験に合格するためには、独学で500~1,000時間程度の勉強が必要だといわれています。

試験への合格には、効率的・効果的な学習方法を実践することが大切です。

 

効率的・効果的に学習を進めるための3つの方法を紹介します。

 

①専門教材を活用し繰り返し復習する

勉強にあたっては、専門の教材を活用するのがおすすめです。

 

効率的に学ぶためにも、活用するテキストや過去問集は絞って勉強を進めるようにしましょう。

一度使った教材は繰り返し利用し、復習によって理解度を高めていくことも大切です。

反復学習をすることで記憶の定着が良くなります。

 

試験では、過去問と似たような問題が出題されることも多いため、問題自体を暗記してしまうのも試験対策としては有効です。

 

また、専門家による講習を受講するのも、理解を深めるのにはおすすめです。

 

②実践で理解を深める

実際の設備機器を見ながら、勉強したことを再確認することも試験対策になります。

 

建築物環境衛生管理技術者の資格試験を受ける方は、実際にビルメンテナンスの仕事に就いていることが多いでしょう。

ビルメンテナンスの現場は、勉強した理論の確認に適しています。

普段の実務の中で、試験のために勉強したことを思い出し、実際の設備機器を見ながらイメージすれば、より理解が深まっていくでしょう。

 

③模擬試験に挑戦する

試験を受ける前には、模擬試験に挑戦しておきましょう。

当日と同じように、時間を測りながら試験問題を解いておけば、試験の状況に頭と体を慣らすことができます。

 

また模擬試験を受けた後は、ミスをした部分の復習もきちんと行うことが大切です。

 

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)の難易度は高め!効果的な学習計画を

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、特定建築物における環境衛生上の維持管理に必要な国家資格です。

この資格を取得するためには、2年以上の実務経験という受験資格を満たした上で、毎年行われる国家試験に合格しなければなりません。

 

試験はマークシート方式で、7つの科目から出題されます。

合否は総合点だけでなく、各科目における点数も影響するので、全ての範囲を網羅しておくことが大切です。

 

建築物環境衛生管理技術者試験の合格率は例年10〜20%台

難易度が高く、合格のためには効果的な方法で勉強する必要があります。

復習や現場でのイメージにも力を入れ、理解を深めながら試験に臨んでみましょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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