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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献するアークシステムです。
建設業法とは建設業に関する多くのルールを定めている法律。
建設業を営む上では必ず知っておかなくてはいけませんが、内容もなかなか複雑でボリュームも大きいです。
そこで今回のコラムでは建設業法入門として、建設業法とはどんな法律なのかをわかりやすく解説。
建設業法の目的や対象となる工事内容、建設業法で定められているルールなどをお伝えします。
目次
建設業法とは?目的や内容、対象をわかりやすく解説!法改正についても
建設業法とは、建設業を営む上で守らなくてはいけないさまざまなルールを定めた法律です。
建設業法の最終的な目的は「公共の福祉の増進」、つまり社会全体の共通の利益です。
この目的のために、主に以下の3点が定められています。
- 建設工事の適正な施工を確保する
- 発注者を保護する
- 建設業の健全な発達を促進する
これにより、建設業者の資質の向上と、建設工事の請負契約の適正化を図っています。
建設業法では対象となる29の工事を定義しており、以下の工事を行う事業者は建設業法を遵守しなくてはいけません。
- 土木一式工事
- 建築一式工事
- 大工工事
- 左官工事
- とび・土工・コンクリート工事
- 石工事
- 屋根工事
- 電気工事
- 管工事
- タイル・れんが・ブロツク工事
- 鋼構造物工事
- 鉄筋工事
- 舗装工事
- しゆんせつ工事
- 板金工事
- ガラス工事
- 塗装工事
- 防水工事
- 内装仕上工事
- 機械器具設置工事
- 熱絶縁工事
- 電気通信工事
- 造園工事
- さく井工事
- 建具工事
- 水道施設工事
- 消防施設工事
- 清掃施設工事
- 解体工事
建設業法の制定の背景と改正の変遷
建設業法は、戦後復興により建設業者が急増した時代の1949年に制定されました。
建設業者の急増とともに、手抜き工事や中抜き工事、代金未払いなどの不正やトラブル、不祥事も増えてしまったため、それらを防止し、関係者を守るために制定されたのです。
その後、不祥事などの事件やバブル崩壊、災害、東京オリンピックなどのイベントなど、受注競争の激化や時代背景などに合わせて改正されてきました。
1971年の大改正では登録制度から許可制への移行、下請負人保護規定の新設などが盛り込まれ、2020年の改正では働き方改革や人材活用により生産性を向上させるため、工期の適正化の規定などが加わりました。
建設業法で知っておくべき主なルールとは?
建設業法ではさまざまなルールが定められていますが、中でも主に知っておくべきルールにはこんなものがあります。
【建設業法第3条】建設業の許可
1:建設業の許可
建設業を営もうとする者は、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、建設業法第3条の 規定に基づき、建設業の許可を受けなければなりません。
【軽微な建設工事とは】
- 契約金額工事1件の請負代金※の額が500万円未満の工事
- 建築一式工事で工事1件の請負代金※の額が1,500万円未満、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事のみ行っている工事
※2つ以上の契約に分割して請け負う際は、各契約の請負代金の合計額
※ 注文者が材料を提供する場合、その材料費等を含む額
※単価契約とする場合、1件の工事に係る全体の額
※消費税及び地方消費税を含んだ額
また、自分で使うために行う工事など、建設請負契約が発生しない工事に関しても対象外となります。
2: 許可行政庁(大臣許可と知事許可)
本社や支店、事務所などを営業所と定義し、営業所を設ける場合は都道府県の許可が必要。
複数の都道府県に営業所を設ける場合は、国土交通大臣の許可も必要です。
3: 建設業の許可業種
建設業の許可は、前述した29業種ごとに行われ、営業する業種ごとに取得する必要があります。
2つ以上の業種の許可を受けることができ、現有の許可業種に業種を追加することも可能です。
ある業種の許可を受けた場合でも、他の業種の工事を請け負うことは、その業種の許可を受けていなければいけません。
【建設業法第19条】建設工事の請負契約の内容
建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、以下の事項を書面(契約書)に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければなりません。
- 工事内容
- 請負代金の額
- 工期
- 支払時期と支払方法
- 工事を施工しない日や時間の定め
- 損害賠償に関する定め
- 契約に関する紛争の解決方法 など
【建設業法第20条】建設工事の見積り等
建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に応じ、工事の種別ごとに材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにし、建設工事の見積りを行うよう努めなければなりません。
発注者が見積を依頼する際は、明確な条件を提示し、見積もり作成に必要な一定期間を設ける必要があります。
見積の作成期間については「建設業法における見積期間とは?見積時のルールもチェック」にて詳しくご紹介しています。
また、見積を作成する事業者は契約締結までに見積書を作成・交付しなくてはいけません。
【建設業法第26条】主任技術者及び監理技術者の設置等
建設業者は工事の技術管理のため、現場には必ず主任技術者を、請負金額が一定以上の工事では監理技術者を配置しなければなりません。
主任技術者は現場作業における責任者資格で、監理技術者は主任技術者の上位資格となります。
そのほか、弱い立場になりがちな下請負人を守るために、以下の事項の禁止も定めています。
- 不当に安い請負報酬での契約(建設業法第19条の3)
- 不当な使用資材等の購入強制(建設業法第19条の4)
- 著しく短い工期での契約(建設業法第19条の5)
- 一括下請負(丸投げ)(建設業法第22)
これらは下請負業者が不利な契約を結ばされることを防ぐためのものです。
不当に安い金額で発注された工事は、最終的には品質へ影響が出てしまい、発注者にも悪影響を与えてしまうため、発注者を守ることにもつながります。
国土交通省でも「建設業法令遵守ガイドライン(第7版)」、「建設企業のための適正取引ハンドブック」などを示していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
建設業法に違反した場合の罰則
建設業法の違反は、罰金や懲役など罰則の対象となります。
罰則の内容には以下のようなものがありますよ。
・必要な許可を受けずに建設業を営んだ、営業停止処分中に営業した
→3年以下の懲役または300万円以下の罰金
・提出書類に虚偽があった
→6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金
・現場に必要な技術者を配置しなかった
→100万円以下の罰金
建設業法違反で罰金刑(刑事罰)を受けると、その事実によって即、許可取消処分という監督処分を受けてしまいます。
一度建設業許可が取り消されると、その後5年間は許可を取得できません。
そのほか刑事罰ではありませんが、営業所や工事現場への標識の掲示をしない場合に「10万円以下の過料」などもあります。
建設業法とは建設業者の資質向上・請負契約の適正化を図るための法律
建設業法とは、建設業を営む際に守るべきさまざまなルールを定めた法律。
建設業者の資質向上や請負契約の適正化を図り、公共の福祉(社会全体の利益)を増進することを目的としています。
具体的には、建設業の許可制度や契約時の見積や契約書作例のルール、現場への技術責任者の配置、下請負業者の保護などを定めています。
建設業の対象となるのは29種の工事を行う業者で、一定の小規模工事のみを行う会社を除き、ほぼすべての事業者が対象となります。
建設業法に違反すると、刑事罰処分として懲役や罰則の対象になることも。
刑事罰を受けると、建設業の許可を取り消されてしまいます。
建設業法を正しく理解して、健全な営業を行い、適正な請負契約を結んでくださいね。
建設工事では、法律に基づいたさまざまな手続きや書類作成が必要です。
業務の中で少しでも効率化できる部分は、効率化の工夫をしてみましょう。
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