こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
電気工事の見積や現場管理に欠かせない「1人工単価」。自社の単価設定が適正なのか、もっと単価を上げて利益を確保できないかと悩んでいませんか?
適正な単価設定は利益を守る基本ですが、ただ相場を知るだけでは不十分です。積算の仕組みが整っていなければ、いくら単価を上げても利益は残りません。
今回は、電気工事における1人工の基礎知識や地域・作業別の単価相場に加え、
単価を引き上げる具体的な方法と、利益を残すための積算をわかりやすく解説します。

目次
電気工事の「1人工単価」とは?
電気工事の見積や現場管理で重要となる「1人工(にんく)」。
まずは1人工という基本単位を押さえ、地域ごとの単価相場を確認しましょう。
「人工(にんく)」とは
1人工
作業に必要な手間を数値化した「歩掛(ぶがかり)」をベースに、
工事などの労務費(人件費)を算出する際に利用する。
建設現場では労働量を時給ではなく「人数×日数」で管理します。例えば「1人で5日」かかる作業も「5人で1日」で終える作業も、同じ5人工(にんく)と換算します。
このように人工で計算するのには、主に2つの理由があります。
①工事単位での計画・管理がしやすい
工事ごとに規模や内容が異なるため「何人で何日かかるか」という単位で計画するほうが精度の高い計画を立てられます。
②作業量の標準化と適正な労務費を算出できる
歩掛と組み合わせることで、誰が積算しても同じ工数として計算できるため、
適正な労務費算出に役立ちます。
【地域別】電気工事士の公共工事設計労務単価
国土交通省が公表する「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表」によると、
主要な都道府県の単価は以下のとおりです。
【都道府県電工の設計労務単価(日額)】
- 神奈川県:31,500円
- 東京都:34,300円
- 千葉県:31,400円
- 埼玉県:31,200円
- 静岡県:29,700円
- 北海道:29,100円
- 大阪府:28,100円
- 福岡県:28,900円
- 愛知県:28,200円
- 兵庫県:26,600円
- 沖縄県:23,700円
※参照:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表」
公共工事の基準単価は、東京都で34,300円、沖縄県で23,700円と地域間で1万円以上の開きがあり、同じ作業でもエリアによって利益が大きく変動するため注意が必要です。
なお、この「公共工事設計労務単価」は、民間工事の見積もりでも重要な指標(基準)として参考にされています。
電気工事の「1人工」の単価は変動する
人工単価は地域差だけでなく、「工事の規模や現場の環境、作業者が持つスキル」によっても変動します。大規模な工事ほど人工数は増え、高所や狭所などの危険・特殊な環境では手間がかかるため単価が上がります。
また、第1種電気工事士などの上位資格や実績を持つ作業員は、対応幅が広いため高単価になりやすいのが特徴です。
1人工は施工単価に反映される!電気工事の作業別施工単価相場も確認

電気工事の見積では、1人工を労務費のベースとして、それに材料費と工賃を加えた「施工単価」として提示されるケースがほとんどです。
ここでは代表的な4つの作業ごとに施工単価の目安をご紹介します。
なお、以下は「工事1件あたりの施工単価」の目安であり、純粋な人工代のみの金額ではない点にご注意ください。
①防犯カメラ・センサーの設置
防犯カメラや人感センサーの設置は、1台あたり3万円〜10万円が一般的な目安。
カメラ本体の価格や配線部材費も含まれます。
高所作業の有無・屋外配線の距離・電源状況などによって難易度が変わるため、事前の現場確認が重要です。
②コンセント・ブレーカーの設置
依頼頻度が高い定番の作業のひとつ。新築時と既存建物への増設では
壁内配線の難易度が異なり、単価にも差が出やすくなります。
主な施工単価の目安は以下の通りです。
- コンセント増設:1ヶ所 5,000〜15,000円
- 専用回路増設:1回路 16,000円〜
- ブレーカー交換:1つあたり 10,000~30,000円
- 分電盤交換:50,000円〜150,000円
天井裏や床下への隠蔽配線が発生すると、予想以上に人工がかさむことがあります。
一律金額での受注は赤字につながりやすいため、歩掛の見極めが大切です。
③照明器具の取付・交換
照明器具の施工単価は、取り付け方法や器具の重量によって変わります。
主な施工単価の目安は以下の通りです。
- 直付け照明の交換:1つあたり 3,000円〜10,000円
- ダウンライトの設置:1つあたり 5,000~12,000円
- スイッチの増設:1ヶ所 5,000円〜15,000円
吹き抜け部分の照明など高所作業が伴う場合は、安全確保のために作業員を増員するケースもあります。
④LAN工事・パソコン配線
ネットワークの知識も求められるため、他の作業と比べて1人工あたりの単価が高めに設定されやすい分野です。
主な施工単価の目安は以下の通りです。
- 一般家庭(5メートル程度の配線):20,000円〜
- オフィス(10名規模の環境構築):150,000円〜
電気工事で1人工の単価を上げるには?

相場を把握した上で、どうすれば単価を引き上げるかを考えることが重要。
単に値上げをお願いするのではなく、他社にはない「高単価でも選ばれる理由(強み)」を自社の事業に組み込むことが、持続的な単価アップへの近道です。
1人工の単価をアップさせるための3つの戦略
高単価エリアへ商圏を拡大・シフト
先にご紹介した通り、地域によって1人工単価に1万円以上の差があります。
同じ作業内容でも、受注するエリアを変えるだけで利益が変わる可能性があります。
都市部では大型案件が集中しており、技術力や実績次第では高めの単価設定でも受注につながりやすい傾向があるでしょう。
ただし、移動距離が長くなると稼働率が落ちるため、交通費とのバランスも慎重に考える必要があります。
第1種電気工事士を取得して高圧工事に参入する
第1種電気工事士を取得すると、工場やビルなど最大電力500kW未満の「高圧受電設備」の工事も受注できるようになります。
上位資格の保有は技術力の証明にもなり、元請けへの単価交渉を有利に進められるため、価格競争からの脱却に有効です。
ただし、実際の受注には会社の施工管理体制や契約範囲、電気事業法などの要件クリアも必要となります。
関連資格を取得してワンストップ受注を目指す
電気工事に加えて関連設備の工事もまとめて受注できる体制を整えると、他社との差別化につながります。
「窓口を一本化できる」という付加価値が生まれ、相場以上の単価でも受注しやすくなるでしょう。単価アップに直結する主な資格と展開例は以下の通りです。
- 消防設備士:
電気工事と防災設備をセットで受注できる - 施工管理技士:
施工管理業務も担当できるため、より高い報酬単価が見込める - 認定電気工事従事者:
電圧600V以下で使用する電気工作物の工事ができる
(電線路に係るものを除く)
単価を上げる際の注意点も押さえておこう
売上増に伴う税負担(所得税・法人税等)には、税理士と連携した節税対策が不可欠。
また、一人親方の単価アップで特に注意すべきが契約方法です。「常用契約」は実態によって偽装請負や労働者派遣法違反とみなされるリスクがあるため、
コンプライアンスを遵守し、正しい「請負契約」を締結することが前提となります。
電気工事の適正な1人工の算出と利益確保を実現するために
単価相場の正しい把握と適切な価格引き上げの方針を立てることは極めて重要。
しかし、積算根拠が曖昧では、高い単価を設定しても利益は手元に残りません。
電気工事の見積は、図面から設備を把握し、労務費(人工数 × 1人工単価)や材料費を緻密に積み上げる作業。
「ベテランの勘」に頼る企業は多いですが、担当者の交代や物価高騰が起きた際、その精度は一気に崩れてしまいます。
これは個人のスキルの問題ではなく、「根拠を仕組みとして持たせていない」という経営構造の問題。
市場の最新相場と自社に蓄積された過去データを適切に組み合わせることで、
見積の信頼性は担保されます。
データの蓄積と活用によって「利益漏れ」を防ぐ環境を、整備しましょう。
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