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積算の基礎知識

2024.04.23

施工体制台帳とは?書き方を詳しく解説!

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

多くの企業が協力して行う工事は、計画的かつ安全に遂行しなくてはなりません。

 

そこで、工事を請け負った業者は、それぞれの企業が対応する工事内容や責任者、企業間の関係などをまとめた「施工体制台帳」の作成が義務付けられています。

 

今回は、施工体制台帳について、書き方や必要な添付書類などを解説していきます。

施工体制

 

施工体制台帳とは?

施工体制台帳とは、工事を請け負うすべての業者名、各業者の施工範囲、工期、各工事の技術者氏名などを記載した台帳です。

 

施工体制台帳を作成しなければならない工事は、以下のように法律で定義されています。

  1. 発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者が、当該工事に関して締結した下請け金額の総額が4,500万円(建設一式工事:7,000万円)以上となる場合
  2. 公共事業発注者から2015(平成27)年4月1日以降に直接建設工事を請け負った建設業者が、当該工事に関して下請け契約を締結した場合

 

特定建設業者とは、総額4,500万円以上(建築一式工事の場合は、7,000万円以上)の工事を下請けに出そうとする建設業者(元請業者)に取得が義務付けられている許可資格です。

 

このように、4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)の工事を請け負い、下請け契約を結ぶ場合は、民間工事、公共工事を問わず、施工体制台帳の作成が求められます。

尚、公共工事はすべての工事で作成が必要です。

 

施工体制台帳の目的は?

施工体制台帳の作成が義務付けられたのには、以下のようなトラブルや違反などの防止が背景にあります。

  • 品質・工程・安全などの施工上のトラブル
  • 一括下請負など不良不適格業者の参入や建設業法違反
  • 生産効率低下につながる安易な重層下請け

 

このようなトラブルや違反があった場合に、状況をすぐに把握できるよう、施工体制台帳の作成が求められています。

 

 

施工体制台帳の書き方を解説!

契約書

施工体制台帳は、工事を請け負うすべての業者、下請け、孫請けなどについても、施工期間や工事内容などが把握できるものでなければなりません。

必要な項目や記載内容について確認していきましょう。

 

書式は「全建統一様式第3号」を使用します。

施工体制台帳は、左右に分かれており、左側部分は元請業者の情報、右側部分は、下請負業者の情報を記入します。

 

左側部分:元請業者の情報

左側部分は元請業者の情報などを記入します。

 

【会社名・事業者名】

会社が建設キャリアアップシステムに登録されている場合は、事業者IDも記入します。

 

【建設業の許可】

元請業者が保有している建設業許可のすべてを記入します。

建設業許可の業種については、略語の記入でかまいません。

 

【工事名称・発注者名・住所・工期・契約日】

元請業者が請け負った工事の具体的な内容を記入します。

 

また、その工事を発注した会社や人の名称・住所も記載します。

 

工期については、始まりと終わりの日付を記入し、契約日については、発注者と元請事業者の間で締結された契約書の日付を記載しましょう。

 

【契約営業所】

契約を行なったのが本社でも、実際の工事を担当するのは支店や営業所などの場合があります。

この場合は、元請契約の欄には発注者との間で契約を締結した会社、下請契約の欄には本社から請け負った支店や営業所を記載します。

 

【発注者の監督員名など】

発注者の監督員とは、発注した側の代理人で工事の施工状況を監督する人です。

監督員名は、一次請負業者を監督するために設置した監督員の氏名を記載します。

 

【外国人建設就労者の従事の状況】

一号特定技術外国人、外国人建設就労者、外国人技能実習生の従事の有無を記載します。

  • 一号特定技術外国人:特定産業分野において相当の知識や経験を持ち、在留資格をもつ外国人
  • 外国建設就労者:建設分野の技能実習を修了し、引き続き日本国内に在留する外国人や終了後に再入国した外国人
  • 外国人技能実習生:母国のために日本に技術を学びに来た外国人

 

【健康保険などの加入状況】

元請業者の健康保険・厚生年金保険・雇用保険への加入状況について記載します。

  • 加入:営業所において加入に関する届け出をしている状態
  • 未加入:その営業所において社会保険に関する届け出を行なっていない状態
  • 適用除外:会社の規模などで加入義務のない状態の場合

 

右側部分:下請負業者の情報

右側部分の下請負業者の情報記載欄については、左半分の元請業者の記載事項と内容と同様です。

ご紹介した元請負業者の記載事項を確認しながら記載しましょう。

 

 

施工体制台帳に添付する書類も確認!

施工体制台帳には、ほかに添付する書類があります

 

添付書類は以下の通りです。

  • 工事担当技術者台帳
  • 作成建設業者が請け負った建設工事の契約書の写し
  • 下請負人が請け負った建設工事の契約書の写し
  • 主任技出社または監理技術者の資格を証する書面
    (技術者の専任を要する工事については監理技術者証の写し)
  • 主任技術者または監理技術者の雇用を証する書面
  • 監理技術者補佐(置いた場合に限る)の資格および雇用を証する書面
  • 専門技術者(置いた場合に限る)の資格および雇用を証する書面

 

複数の添付書類が必要なため、漏れのないよう、チェック表などを作成し提出しましょう。

 

建設工事着手前には、施工体制台帳のほかに、施工計画書も必要となります。

施工計画書の概要や作成手順については、こちらのコラムで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

施工計画書とは?作成手順やポイント・注意点を押さえておこう

 

 

施工体制台帳は、工事のトラブル回避に必要な書類、書き方にも注意しよう

施工体制台帳は、民間工事や公共工事どちらにも必要な台帳です。

 

民間工事では、下請け金額が4,500万円(建築一式工事の場合7,000万円)となる場合に必要です。

また、公共事業では、2015(平成27)年4月1日以降に請け負い、下請け契約を締結したすべての工事に必要となります。

 

施工体制台帳は、工事内容や工期、責任者の名前など、工事が安全に行われるのに必要な情報をすべて記入しなくてはなりません。

記入漏れ、添付書類漏れがないように書き方にも注意が必要です。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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