こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
近年、建設資材の価格高騰が問題となっています。
木材や塗料、住宅設備など、多くの資材が大幅に価格を上げ、建設業者や施主の負担を増大させました。
多くの建築物に使われる生コンクリートもその一つです。
生コンの価格高騰は数ある建設資材の中でも深刻で、ここ2、3年の間に大幅な値上げも行われました。
この価格上昇はしばらく続くと予想されます。
では、なぜ生コンの価格はこんなにも高騰しているのでしょうか。
今回はその理由について解説します。
目次
生コンが高騰!値上げの現状を解説
ここ数年、世界的に建設資材の値上げが続いています。
特に木材や鋼材の価格高騰は深刻で、新築住宅にもそれが反映され、住宅の平均価格は首都圏では2020年から2022年にかけて、20%近く上昇したといわれています。
しかし、2022年後半になって、木材価格は下落。
鋼材価格は、下落こそしないものの上昇は落ち着き、高止まりしています。
このように、価格高騰が落ち着いた資材もあるにも関わらず、生コンの値上げは止まりません。
生コンの価格は2020年以降段階的に上昇し、2022年にはその値上げ幅は約2年で25%以上にも上りました。
RC構造の一般住宅で、生コン価格が工事価格の15〜20%を占めることを踏まえると、生コンの高騰により、伴って工事価格も高騰することがわかります。
都内の状況に注目すると、東京地区生コンクリート協同組合では、2022年6月に3,000円/㎥の値上げを、2023年4月にはさらに2,000円/㎥の値上げを実行しています。
また、2022年9月には、旧契約分(2017年12月~22年5月)の生コンについても500円/㎥の値上げを決定しました。
結果、生コンの東京17区現場持ち込み価格は大きく値を上げ、2022年10月時点で1万7,800円/㎥という高値をつけ、その水準で推移しています。
このように大幅な値上げを続けていても、生コンメーカーの負担は大きくなるばかり。
これは、価格上昇の根本原因が解消されていないためです。
2022年12月に政府が生コンメーカーとの売買契約の適正化を建設関連団体に求め、生コンへの価格転嫁がしやすくなったことからも、生コンの価格高騰は今後も続くでしょう。
生コンが値上げしている理由
生コンの急激な値上げには、次のようなことが関係しています。
- 原材料の価格高騰
- 輸送コストの高騰
- 価格競争が起こりにくい体制
生コンの値上げを引き起こしている各理由について、詳しく見ていきましょう。
原材料の価格高騰
生コンの原材料は、セメント、粗骨材である砂利、細骨材である砂、混和材、水です。
これらの原材料のうち、セメントと各骨材、混和材の価格が上昇していることが、生コンの価格高騰に大きく影響しています。
セメントの価格は、以前から徐々に上昇していたものの、その影響は大きくはありませんでした。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻により、石炭の価格が急上昇。
セメントの生成には高温焼成の工程がありますが、石炭はこの燃料として使用されます。
そのため、石炭の価格高騰はセメントの価格高騰につながり、その影響から生コンの価格も跳ね上がることになりました。
また、生コンの骨材として使用されている砂利や砂、混和材の価格も上昇しています。
これも、ウクライナ危機によるエネルギー価格高騰の影響によるもの。
輸送をはじめとしたあらゆるコストが上がり、それが骨材や混和材の値上がりを引き起こしています。
このように、生コンの原材料価格は高騰を続けています。
これらの動きが落ち着かないことには、生コンの価格も下がらないでしょう。
輸送コストの高騰
輸送コストの高騰も、生コンの価格が高騰している理由の一つです。
輸送コストは、燃料費、つまり原油価格に大きな影響を受けます。
原油価格はここ数年大幅に高騰。
これにより生コンの輸送コストが上がり、それが生コン価格に反映されていると考えられます。
この原油価格の高騰は、次のような事柄が関係しています。
- 新型コロナウイルスによる需要の落ち込みの急激な回復
- ウクライナ侵攻によるロシアの原油供給量の減少
コロナ禍からの回復で需要が増えつつあるにも関わらず、原油の主要な産出国であるロシアからの原油供給量は減少。
それにより、需要と供給のバランスが崩れ、原油価格は高騰しているのです。
また、輸送における深刻な人手不足を踏まえた人件費の値上げも、生コンの輸送費上昇に関係しています。
価格競争が起こりにくい体制
生コンは、他の資材と比較して、価格競争が起こりにくいという特徴を持ちます。
なぜなら、JIS規格により、練り混ぜ開始から1時間半以内に供給しなければならないと定められているからです。
工場で生コンの練り混ぜをはじめてから、1時間半以内に工事現場に到着してそれを提供するとなると、当然それに対応できる工場は限られます。
また近年では、生コンの出荷数減少により、生コンを提供する工場自体の数も減ってきています。
工場の選択肢が少なければ、当然価格競争は働きにくくなるでしょう。
さらに、生コンクリート協同組合による絶対的な販売体制の構築も、価格競争を起きにくくする原因の一つ。
生コンについては、全国各地に協同組合が設置されており、その組合員である中小企業同士がコンクリートの共同管理・販売を行なっています。
その地域の複数の企業が共同で生コンの販売を行うため価格競争は働きにくく、むしろ組合は価格安定のため生コン価格を引き上げる傾向にあります。
組合で決まった価格は、他の資材のように短時間で変動することはほとんどないため、今後も生コンの価格は下がりにくいと予想されます。
値上げは生コンだけではない!他の資材は?
近年大幅に値上げされたのは、生コンだけではありません。
あらゆる建設資材の価格が高騰し、建設関連会社や消費者に打撃を与えました。
ここ数年で値段が大きく上がった資材の例を挙げてみましょう。
- 木材
- 鉄鉱石
- 鉄鋼
- 銅
- ニッケル
- 石炭
- ガラス
- 内装材
- 塗料 など
木材や鋼材など、建設工事に必要な主な資材は軒並み値上がりし、「ウッドショック」や「アイアンショック」などと呼ばれました。
特に値上がりが顕著だったのが、木材や合板、鉄鉱石。
ガラスや内装材までもが値上がりし、これは工事の総工費にかなりの影響を与えたと考えられます。
値段の変化が激しかったため、工事中の案件については追加請求が発生したケースもあったでしょう。
先にもお伝えしたとおり、最近では、木材、鋼材ともに価格は落ち着いてきていますが、円安の影響も懸念されるため、今後も資材の価格については注視していったほうが良いでしょう。
建設資材の価格推移については、「建設工事費の推移を詳しく解説!建設資材価格の上昇理由、今後の予測も」でもご紹介しています。
資材の価格変動に対応するなら積算見積ソフトの活用を
資材の価格変動は、建設業の積算見積業務にも影響を与えています。
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生コンの値上げは原材料の高騰が原因!世界情勢の影響も
生コンの価格は、ここ数年高騰を続けています。
その値上げ幅は2年ほどで約25%とかなり大きく、最近では2023年4月にも2,000円の値上げが行われました。
このような値上げは、生コンの原材料であるセメントや骨材の価格高騰、輸送コストの高騰にあります。
ウクライナ侵攻やコロナ禍の影響を受け、原材料や原油価格は高騰しており、それが生コン価格に影響しています。
また、生コン業界特有の価格競争が起こりにくい体制も、生コンの値が下がらない理由の一つでしょう。
生コン以外にも、木材や鋼材など、値上がりした建設資材は多数存在します。
建設業の積算見積業務では、この資材の激しい変化に、スピーディかつ正確に対応しなければなりません。
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