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積算の基礎知識

2024.06.04

建設業の特殊作業員・普通作業員とは?業務の違いや労務単価を紹介

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

建設の現場ではさまざまな作業を行う方が働いています。

現場で働く方は、技能や肉体的条件、作業内容によってさまざまな職種に分かれています。

そして、この職種の違いが建設業における積算に影響することをご存じでしょうか。

 

今回は、建設業における特殊作業員と普通作業員の違いについて解説します。

業務の違いだけでなく労務単価の違いにもつながりますので、積算業務に携わる方はぜひ、参考にしてください。

建設工事

建設業の特殊作業員・普通作業員とは?業務の違いを解説

特殊作業員と普通作業員の違いには、主に2つのポイントがあります。

  • 技能や肉体的条件
  • 主体的業務を行うかどうか

 

建設業においては、特殊作業員と普通作業員を明確に分けることが重要となります。

なぜなら、労務単価が異なるからです。

 

そこで、まずは特殊作業員と普通作業員、それぞれの定義や作業内容を確認しておきましょう。

 

特殊作業員とは

国土交通省による「特殊作業員」の定義は以下のとおりです。

  • 相当程度の技能および高度の肉体的条件を有すること
  • 作業について主体的業務を行うもの

 

ここで定義されている主体的業務を行うべき作業内容は次のようになっています。

  1. 軽機械を運転・操作して行う作業
  2. 相当程度の技能および高度の肉体的条件を有し、各種作業について必要とされる主体的業務を行うもの

 

軽機械には、一般的な自動車運転免許をはじめ特殊な免許や、作業に対する熟練度を必要とするものは含まれません。

 

例えば、土砂などの掘削や積み込み、運搬を行うためであれば、機械重量3t未満のブルドーザ・トラクタ・バックホウ(クローラ型)・トラクタショベル(クローラ型)・レーキドーザ・タイヤドーザなどが該当します。

また、資材の運搬に必要な吊上げ重量1t未満のクローラクレーン、吊上げ重量5t未満のウインチなども軽機械の一部です。

 

その他、土砂等の締固めに使う機械重量3t未満の振動ローラ(自走式)やランマ・タンパ、コンクリートの練上げや打設に使う可搬式ミキサやバイブレータ、コンクリートポンプ車の筒先作業なども特殊作業員が行うべき作業として定義されています。

 

いずれの場合も、ポイントは「主体的業務を行う」ということにあります。

軽機械を使用している作業の全てが「特殊作業員」にあたるわけではないことに注意しましょう。

 

普通作業員とは

普通作業員の定義は、次の1点に絞られます。

  • 普通の技能および肉体的条件を有するもの

 

つまり、特殊な免許や技術、資格や肉体的な条件は求められません

 

普通作業員に定められている作業内容には、次のようなものがあります。

なお、すべて、人力によって行う作業と定められています。

  • 土砂などの掘削・積込み・運搬・敷均し等
  • 資材等の積込み、運搬、片付け等
  • 除草・芝はり作業・小規模な作業(標識・境界ぐい設置など)

 

その他、各種作業について必要とされる補助的業務も、普通作業員の作業内容に含まれます。

 

建設業の特殊作業員・普通作業員の労務単価が引き上げに

道路工事

建設業の特殊作業員・普通作業員が工事に従事する際には、国土交通省によって決められた労務単価が適用されます。

労務単価を決定するために、1970(昭和45)年から毎年「公共事業労務費調査」が行われています。

 

直近の労働価格を適切・迅速に反映させるための措置で、2024(令和6)年度は全国職種単純平均で前年度より5.9%の引き上げとなりました。

全国全職種加重平均値の引き上げは、実に12年連続になります。

 

ここからは、公共工事設計労務単価の構成や、雇用に関する注意点について詳しく触れていきます。

 

公共工事設計労務単価の構成

公共工事設計労務単価は、次の項目から構成されます。

  • 基本給相当額
  • 基準内手当:作業の条件と内容に対する手当
  • 臨時の給与:賞与など
  • 実物給与:食事の支給など

 

基本給相当額と基準内手当は、所定労働時間内8時間当たりの金額です。

 

また、臨時の給与や実物給与は、1日当たりの金額として換算されます。

時間外や休日、深夜の労働に関する割増賃金や、通常の作業条件や内容を超えた労働に対する手当は含まれていないので注意しましょう。

 

なお、公共工事設計労務単価は「労働者本人が受け取るべき賃金」を基に設計されていることもポイントです。

事業主が負担すべき法定福利費や安全管理費などの必要経費は含まれていないので、この点にも注意が必要でしょう。

 

建設業における労務費については「建設業の積算における労務費とは?人件費との違いや計算法もチェック」でも詳しく解説します。

ぜひ、参考にしてください。

 

特殊作業員・普通作業員の労務単価は?

2024(令和6)年3月から適用となった公共工事設計労務単価では、建設業の特殊作業員・普通作業員の労務単価も前年と比較して引き上げられました。

2024(令和6)年度の全国平均値は、特殊作業員が25,598円(前年比+6.2%)普通作業員21,818円(前年比+5.5%)です。

 

この労務単価とは別に、事業主には法定福利費の事業主負担分や労務管理費、現場作業にかかる安全管理費などの必要経費がかかります。

法定福利費や労務管理費などは会社や工事の規模によっても変動します。

 

とはいえ、事業主が下請代金に必要経費分を計上しなかったり、下請代金から必要経費を値引くことは不当行為と見なされるので注意が必要です。

 

法定福利費については、こちらのコラムもご参考ください。

法定福利費とは? 含まれる項目や建設業での見積書についても解説

 

特殊作業員・普通作業員の違いを正しく理解しておこう

特殊作業員と普通作業員の違いは、主に作業内容にあります。
特殊作業員が相当程度の技能と高度の肉体条件を持って主体的業務を行うのに対し、普通作業員は普通の技能や肉体的条件を持って人力による作業を行うものをさします。

 

機械を使った作業であっても主体的な業務を行なっているかどうかで、特殊作業員と普通作業員は異なります。

特殊作業員と普通作業員では、工事を請け負う際の労務単価が異なります。

事業主が支払うべき人件費に大きく影響しますので、違いは明確にしておきましょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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