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積算の基礎知識

2026.02.27

建設業の工事積算で押さえたい「労務費」。人件費との違いや計算方法も

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献するアークシステムです。

 

工事費の積算・見積は、工事にかかるさまざまな費用を算出し、積み上げていく作業です。

 

その中の「労務費」は、積算・見積の対象となる工事費用の中の一つです。

現場工事に直接関わる職人や管理者などに支払われるお金を指します。

 

今回は、建設業における「労務費」について解説。

建設業の工事積算における「労務費」と一般的な「人件費」との違いや労務費の計算方法などもわかりやすくご紹介します。

ビル建設現場

建設業の工事積算の「労務費」とは?一般的な人件費との違いも

建設業の工事積算における労務費とは、工事価格、工事原価に含まれる費用の一つで、工事施工に直接関わる職人の人件費(工賃)のことです。

 

一般的に労務費には、以下のような項目が含まれます。

  • 従業員の給与
  • パート、アルバイトの給与
  • 賞与や各種手当
  • 退職金の積み立て費用
  • 法定福利費(雇用保険、健康保険などの事業主負担分)

 

ただし、労務費については、人件費や販管費、外注費などとの考え方の違いで処理上の混乱が起きやすい点に注意が必要です。

ここから詳しく解説していきましょう。

 

一般的な人件費は建設業では労務費とその他に分かれる

一般的に「人件費」というと、給与や賞与、各種手当など、企業が従業員に支払う経費の全てを指します。

建設業の会計処理では、人件費は以下のような種類に分かれます。

  1. 工事施工や製造に関わる人件費(職人など)
  2. 販売に関わる人件費(販売・営業スタッフなど)
  3. 会社の管理に関わる人件費(事務スタッフなど)

 

上記の1の人件費は「労務費」として「工事原価」に、2・3は「販管費」として「一般管理費」などに分類されます。

つまり、同じ人件費でも、「誰に支払われるか」によって、会計処理上の分類は「労務費」と「一般管理費」などに分かれるのです。

 

労務費は直接労務費と間接労務費にも分けて考えることができる

労務費は、「直接労務費」と「間接労務費」に分けて考えることもできます。

 

直接労務費

工事に直接関わる職人に対する給料のうち、工事の直接作業に従事している部分の費用

現場から現場への移動時間に該当する部分などは、直接作業に従事している部分ではないので、含まれません。

 

間接労務費

直接労務費以外の工事に間接的にかかわって発生する費用

現場監督や現場事務員の給料、本店・支店の従業員などの給与、賞与、各種手当、退職金積み立て費用、法定福利費などが該当します。

 

建設業の積算における労務費は、一般的に直接労務費のことを指します。

「直接労務費」は工事施工に直接関わる職人の給料のことで、積算上は「直接工事費」に含まれます。

 

一方で「間接労務費」として考えることができる現場監督や現場事務員の給料は「現場管理費」、本店・支店の従業員の給料は「一般管理費等」として計上され、まとめて「間接工事費」に含まれる形になります。

実際には「間接労務費」という言葉で計上されることはありません。

 

労務費を含む工事価格の構成・考え方については下記コラムでわかりやすく解説しておりますので、あわせて参考にしてみてくださいね!

工事価格の構成とは?内訳や積算に関わる直接工事費や間接工事費も

 

また、直接工事費・間接工事費の積算における考え方については、以下もぜひお読みください。

積算における直接工事費とは?その内訳や計算方法を詳しく解説!

積算における間接工事費とは?直接工事費との違いや内訳を解説!

 

建設業の積算で使う労務費の計算を確認!外注費・経費の把握の仕方も

建設業の積算・見積で労務費(直接労務費)を計算する場合は、以下の計算式を使用します。

 

■労務費=所要人数(設計作業量×該当作業の歩掛)×労務単価(基本日額+割増賃金)

 

歩掛とは、作業ごとにかかる手間を数値化したもので、労務費の計算に必要な指標です。

歩掛についてはこちらのコラムで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧くださいね。

積算に重要な歩掛とは?計算や使用の注意点・メリットをチェック

 

労務単価とは工事現場で働く作業員1人が1日(8時間)働いた場合の人件費の目安のことで、国土交通省から発表されています。

例えば神奈川県の場合、2026年2月現在、特殊作業員の労務単価は29,900円、普通作業員の労務単価は26,500円、軽作業員の労務単価は18,000円となっています。

 

各地域の労務単価については、国土交通省「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価表」をご確認ください。

 

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建設業の積算における外注費と経費の取り扱い

工事内容や作業によっては、自社のスタッフで作業をせず他社に外注して工事をするケースもあるでしょう。

そのときの費用は、「工事原価(材料費・労務費・経費・外注費)」のうちの外注費の項目に含めます。

建設業では工事費用に占める外注費の割合が大きいため、個別に項目を設けています。

 

外注費の金額は契約書や注文請書によって確認し、工事進行中には工事出来高調書や工事金額請求書などで把握していきます。

「労務費」と「外注費」の取り扱いを誤ると、税制上の問題が発生する可能性があるため、慎重に対応するようにしましょう。

 

また、材料費・労務費(直接労務費)・外注費以外の「工事原価」は、「経費」と呼んで分類します。

これには間接工事費などを含み、費用の種類や分類は多岐に渡ります。

具体的には、以下のような分類があります。

  • 固定資産に関わる費用:減価償却費、賃借料、修繕費、保険料など
  • 外部供給サービス使用に関わる費用:電力、ガス、水道、交通費、通信費など
  • 材料費以外の消耗品:事務用品費、図書費など
  • 現場管理や一般管理費:現場管理者給料手当、設計者・技能者給料手当、福利厚生など
  • 社会的費用:租税公課、公害防止費、補償関係費など

 

複数の工事にまたがる費用も多いため、税務上の根拠書類に基づき、適切に個々の工事へ正確に振り分けていく必要があります。

 

特定の業種では労災保険料算定に「労務費率」を活用する!

計算をする男性

労務費率とは、請負金額に対する賃金総額の割合を示す数値です。

毎年厚生労働省から発表されるもので、建設業をはじめとした特定の業種では、労災保険料の算定の際に用いられます。

 

一般的に労災保険料は「賃金総額×労災保険料率」で計算します。

しかし、請負労働者が多い業界では、数次の請負で工事が行われるため、労働者の賃金総額の把握が困難です。

そのため、賃金総額を使用せず、労務費率を用いた計算式で労災保険料を決定することになっています。

 

■労災保険料=請負金額×労務費率×労災保険料率

 

労務費率は工事内容ごとに厚生労働省が定め、定期的に更新されています。

2026年2月現在の労務費率は以下の通りです。

 

【建設事業】

  • 水力発電施設、ずい道等新設事業:19%
  • 道路新設事業:19%
  • 舗装工事業:17%
  • 鉄道又は軌道新設事業:19%
  • 建築事業(既設建築物設備工事業を除く):23%
  • 既設建築物設備工事業 :23%
  • 機械装置の組立て又は据付けの事業で、組立て又は取付けに関するもの:38%
  • その他のもの: 21%
  • その他の建設事業:23%

※厚生労働省「令和7年度の労災保険率等について」より

 

労務費管理の重要性と課題とは

ここからは、建設業における労務費管理の重要性と課題について見ていきましょう。

 

労務費管理の重要性

労務費を正しく管理することは、以下の点で非常に重要です。

 

労働環境の整備

労働環境を整備するために、労務費管理は欠かせません。

正確な労務費管理は、最適な労働時間の設定や人員配置を可能にし、長時間労働の是正や業務効率化、従業員のモチベーションアップにもつながります。

 

各種法令への対応

2024年4月より、改正労働基準法による時間外労働の上限規制が建設業にも適用されるようになりました。

この法律に対応するためには、建設業者はより厳密に労務費管理を行い、従業員の労働時間を把握しなければなりません。

 

また、2025年12月には、建設業法の改正にもとづく標準労務費制度がスタート。

これは建設工事に従事する技能者に支払われるべき賃金の最低水準を示すものです。

この標準労務費制度を遵守するためにも、正確な労務管理は重要です。

 

法改正による時間外労働の規制強化を受け、建設業では週休2日制の導入も進んでいます。

週休2日制による労務費補正の積算方法は?補正係数も詳しく解説」では、週休2日制導入に伴う労務費補正についてご紹介していますのでぜひご確認ください!

 

工事原価の正確な管理

建設工事でしっかり利益を確保するためには、労務費を含む工事原価を正確に管理しなければなりません。

労務費の管理がおろそかになると、工事原価を正しく算出できず、結果として利益が出ずに赤字になってしまう可能性があります。

 

また、施主に提示する見積の内容を正確なものにするためにも、労務費をはじめとした工事原価の正確な把握は必須です。

 

労務費管理の課題

労務費の管理については、以下の点が課題となります。

 

人手不足による人件費の高騰

建設業界は深刻な人手不足が続いています。

それにより人件費は高騰し、労務費が嵩んで建設業者の利益が減ってしまうケースが増えています。

 

この課題を解決するためには、業務を効率化し、人件費の無駄を減らす工夫が必要です。

 

管理の複雑さ

管理が複雑である点も、労務費管理の課題の一つでしょう。

ここまでご紹介してきたように、建設業の労務費管理には独自のルールがあり、実務には知識が必要です。

ツールなども活用し、正確でコツを押さえた効率的な作業が求められます。

 

IT活用により労務費管理の課題を解決!

労務費管理の課題は、ITツールを活用することで解決することができます。

 

ITツールの活用により一部業務を自動化・効率化できれば、人件費を抑えることができます。

また、複雑な計算・管理も、ITツールを使えばスムーズかつ正確に進めることが可能。

担当者の負担も軽減できるでしょう。

 

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建設業の積算での労務費とは施工を行う職人の給与

建設業の積算における「労務費」とは、工事施工を行う職人の人件費(工賃)のことです。

一般的に「人件費」というと従業員に支払う費用の全てを指しますが、建設業の積算での「労務費」はその中の一部であり、積算では工事価格、工事原価に含まれます

 

「労務費」は直接労務費と間接労務費に分けることもできますが、建設業の積算で「労務費」というと直接労務費が該当し、間接労務費は経費(間接工事費)に含まれることが多いです。

 

経費は現場でかかる費用のほか、本社など現場外でかかる費用もあり、個別の工事へ正確に振り分けることが大切です。

 

正確な労務費管理は、労働環境の整備法令への対応利益確保の点で非常に重要です。

ITシステムを活用しながら、効率的で正確な労務費管理を目指しましょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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