こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
契約書や請求書、領収書など、建設業ではさまざまな帳票を日常的に使用します。
これらの帳票を毎回イチから作成するとなると、作業には時間がかかり、担当者の負担が大きくなってしまいます。
事前にエクセルでテンプレートを作成しておけば、帳票作成の手間を大きく軽減することができます。また、データベースシートの作成や関数、入力規則などを設けることにより、作業効率の良く、使い勝手の良いテンプレートを作成できます。
では、テンプレートはどのようにして作成すれば良いのでしょうか。
そこで今回は、ビジネスシーンでよく使われるエクセルを使ってテンプレートを作成する方法とその注意点について解説します。
目次
エクセルのテンプレートとは?
Microsoftが提供するエクセルは、多くの企業で使用されている表計算ソフト。
基本操作の簡単さと汎用性の高さが魅力のソフトです。
建築業界でも、帳票作成ツールとして利用している企業様も多いでしょう。
そんなエクセルでは、自身でテンプレートを作成して保存し、帳票作成に使用することができます。
テンプレートとは、文書のひな形のこと。
テンプレートを利用すれば、毎回フォーマットから帳票を作成する必要はありません。
必要に応じて、日付や取引先名などといった項目の内容を変更するだけで、帳票が完成します。
作業を効率化するため、使用頻度の高い帳票については、フォーマットをテンプレート化し組織で共有しておくと良いでしょう。
エクセルでのテンプレートの作り方
ここからは、エクセルを使ったテンプレートの作り方とその活用方法を見ていきましょう。
テンプレートの作り方
一例として、効率的に入力作業ができる、提出見積書のテンプレートを作成していきます。
ただ雛形を作るだけではなく、入力規則やデータベースシートなどを作成することで、効率的でミスのない見積書を作成することができますよ。
①表紙や内訳の作成
必要な記載項目を洗い出し、任意のレイアウトで表紙や内訳書を作成します。罫線などを設けて見やすいレイアウトにすることが大切です。
雛形は既存のテンプレートを活用することもおすすめです。インターネット上には、さまざまな雛形が無料で公開されています。
特段こだわりがない場合には、無料のテンプレートをそのまま利用したり、自社向けに編集を加えて自社にマッチした雛形を作ると良いでしょう。
▼表紙
▼内訳
データベースシートの作成
手入力で必要項目を入力すると、工数がかかりミスも起きやすいため、データベースシートを作成して登録された情報を呼び出せるようにしましょう。
取引先会社名や担当者名、連絡先などをデータベースシートに用意しておきます。
工事名や使用する材料名、規格、単価情報などもあらかじめ登録しておくことで、効率的に見積書を作成できます。
例:取引先▼
例:材料/単価▼
テンプレート作成で活用できるデータベースの作り方のコツについては、こちらのコラムでも触れておりますので、あわせてご参考ください。
③入力規則の設定やVLOOKUP関数の利用
”データの入力規則”を使って、プルダウン式で入力ができるように設定しておくと、入力内容を選択するだけで見積書が作成できます。
ミスを抑止し、効率的に入力作業が可能です。
<設定手順>
また、内訳の入力にはVLOOKUPなどの関数を利用することで、データベースシートから材料や単価などの必要な情報を一括で入力することができます。
例として、材料コードをキーに材料名、規格、単位、単価が自動で入力されるテンプレートを作成していきます。
VLOOKUP関数とは?
検索したデータに該当した行の指定列からデータを取り出す関数です。
=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索の型)
- [検索値]・・・検索をかける値を指定
- [範囲] ・・・検索範囲の指定
- [列番号]・・・指定した範囲の何列目の値を取得するかを指定
- [検索の型]・・・近似一致/完全一致検索の指定
VLOOKUP関数の流れ
内訳シート内の名称列”B2”を選択して、以下の数式を設定します。
=VLOOKUP(A2,‘データベース|材料’!A2:G8,2,FALSE)
意味:「材料コード」で「データベース|材料シート」内の指定範囲を検索し、
「左側から2列目」の「完全一致したデータ」を取得。
入力が完了したら、内訳シートに材料コードを入力します。
すると、目的の材料名が自動で取得されます。
規格や単位、単価なども同様にVLOOKUP関数を設定していきます。
今回の例では、以下のように列番号を変更すれば完了です。
- 規格・・・=VLOOKUP(A2,’データベース|材料’!A2:G8,3,FALSE)
- 単位・・・=VLOOKUP(A2,’データベース|材料’!A2:G8,7,FALSE)
- 単価・・・=VLOOKUP(A2,’データベース|材料’!A2:G8,6,FALSE)
同様の手順で各行にVLOOKUP関数を設定しました。▼
今回は材料コードをキーとする例を説明しましたが、
自由に検索キーを設定できるため、業務に合わせて変更しましょう。
作成したテンプレートの保存方法
エクセルには、作成したファイルをテンプレートとして保存・利用する機能があります。
テンプレートの保存方法は、 Windowsの場合「新しいバージョン」か「Office 2010」かによって少し異なります。
それぞれの作り方の手順をご紹介します。
新しいバージョンの場合
- テンプレートを保存する場所を作成
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」をクリックし、「個人用テンプレートの規定の場所」の空白ボックスにパス※を入力
※通常であれば「C:\Users\[UserName]\Documents\Custom Office」となります - テンプレートを作成
- 作成後「ファイル」→「エクスポート」→「ファイルの種類の変更」をクリックし、「テンプレート」を選択
- ファイル名のボックスにテンプレートの名前を入力し保存
Office 2010の場合
- テンプレートを作成し、「ファイル」→「名前をつけて保存」をクリック
- ファイル名のボックスにテンプレートの名前を入力
- ファイルの種類のボックスから「Excelテンプレート(マクロが含まれる場合には「Excelマクロ有効テンプレート)」を選択し、保存
この場合、保存したテンプレートは、自動でTemplatesフォルダに保存されます。
テンプレートから新たな文書を作成する方法
続いて、登録したテンプレートを使って新たな文書を作成する方法を確認していきます。
新しいバージョンの場合
- 「ファイル」→「新規作成」→「個人用」をクリック
- 使用したいテンプレートを選択
Office 2010の場合
- 「ファイル」→「新規」をクリック
- 「使用可能なテンプレート」から「最近使用したテンプレート」「サンプルテンプレート」「個人用テンプレート」「既存のブックから新規」のいずれかを選択
テンプレートの修正方法
テンプレートの項目の内容ではなく、テンプレート自体を修正したいときは、次の手順で作業を行います。
- 「ファイル」→「開く」→「参照」をクリック
- 「Officeのカスタムテンプレート」から対象のテンプレート名を選ぶ
この手順で開かれたテンプレートブックは、そのまま編集が可能です。
必要な部分を修正し、再度保存しましょう。
エクセルでテンプレートを作る際の注意点
エクセルのテンプレートを利用していて、誤ってテンプレート部分の情報を変更してしまい、データ活用に支障が出る事例は少なくありません。
テンプレートにおけるミスによる情報変更のリスクを減らすためには、エクセルの「ロック機能」と「シートの保護機能」の活用がおすすめです。
ロック機能とは特定のセルをロックする機能、シートの保護機能はシート全体を保護する機能です。
この2つの機能を使えば、シートの一部は変更可能に、それ以外は変更不可能に設定することができます。
主な手順は次の通りです。
- 変更可能にするセルを選択
- 「書式」→「セルのロック」をクリックし、セルのロックを無効に
- 「校閲」→「シートの保護」をクリックし、「ロックされたセル範囲の選択」のチェックを外す
この作業により、初めにセルのロックを無効にしたセル以外は、変更不可能になります。
ロック機能とシートの保護機能は二重構造になっています。
この両方を使うことで、一つのシートに変更できるセルと変更できないセルを設定することができます。
エクセルでテンプレートを活用するメリット
エクセルでの帳票作成でテンプレートを活用することには、次のメリットが期待できます。
- ミスを減らせる
- 業務を効率化できる
テンプレートを使って変更する必要のない項目をロックしておけば、入力は最小限になり、入力ミスのリスクを減らすことができます。
テンプレートとしてフォーマットが決まるので「◯◯の項目が足りなかった」というような失敗も避けられます。
また、テンプレートが用意されていれば、帳票作成のたびにフォーマットから作成を行う必要がなく、一部だけを入力すれば帳票が完成。
帳票作成にかかる手間が少なくなり、業務が効率化されます。
建設業では人手不足による一人ひとりへの業務負担の増加が深刻といわれている業界でもありますが、テンプレートの利用による業務効率化は、この課題の改善にも効果的です。
一方、エクセルでのテンプレート作成は、作り込みが必要になるため、関数や機能の知識が不可欠。
メンテナンスにも工数が大幅に掛かってしまいます。
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また、積算見積を効率化するITツール導入にあたっては、下記のコラムもご一読ください。
積算・見積を効率化するシステムやソフトは?表計算ソフトには問題点も
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