こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
建物の建設にあたっては、設計が重要な役割を果たします。
この工程で行われるのが、基本設計と実施設計。
基本設計が終わったら実施設計を行うというのが、設計の一般的な流れです。
では、基本設計と実施設計は何が違うのでしょうか。またそれぞれどのような目的で行われるのでしょうか。
今回は、基本設計と実施設計の違いについて詳しく解説します。
目次
基本設計と実施設計の違いとは?
まずは基本設計と実施設計の違いについて、「タイミング」「目的」「割合」の3点から確認していきましょう。
実施のタイミング
建築工事は、以下の流れで行われます。
- 建築相談
- 設計契約
- 基本設計
- 実施設計
- 工事契約
- 施工開始・工事管理
- 工事完了
このように、基本設計と実施設計では、実施のタイミングが異なります。
基本設計は顧客との設計契約後すぐに行われ、実施設計はその後に行われます。
実施の目的
基本設計と実施設計では、実施する目的も異なります。
それぞれの目的は次のとおりです。
【基本設計の目的】
建物のイメージを依頼者と共有するために、大まかな仕様を決めること
【実施設計の目的】
建物を建てるための工事の基になる詳しい設計を行うこと
基本設計は依頼者とイメージを共有するためのもの、一方の実施設計は工事担当者が工事を進めるためのものです。
そのため実施設計では、先に行われた基本設計を基に、より詳細な設計が行われることになります。
設計の割合
前述のとおり、依頼者とイメージを共有するための基本設計は大まかで、工事に必要な実施設計はそれよりも詳細なものになります。
基本的に、基本設計の段階で細かな設計を行うことはありません。
中には、この工程をスキップするケースも。
ただし、大きいプロジェクトであれば、基本設計に時間をかけることもあります。
一般的な工事であれば設計の割合は、基本設計が2〜4割程度、実施設計が6〜8割程度。
工事を問題なく進めるため、実施設計により多くの手間と時間をかけるのが一般的です。
基本設計とは?
ここからは、基本設計についてより詳しく解説していきます。
基本設計は、依頼者と設計会社が契約を交わしてから行うものです。
この工程では、設計者は基本的な設計のみを行い、それを基に、建物のイメージやコンセプトを依頼者と共有して、工事の方向性や費用を決めていきます。
この設計は建物のイメージを依頼者と共有することが目的であり、実際の工事を進めるためのものではありません。
そのため、基本設計では細かな設計は行われず、ごく基本的な内容に留まります。
基本設計の流れ
基本設計は、次のような流れで行われます。
- ヒアリング・依頼者の要望確認
- 法律や立地条件などによる制限の説明
- 要望と制限のすり合わせ・方針の決定
- 基本設計の実施・パース作成
基本設計の前には、まずヒアリングを行い、依頼者の要望を確認します。
多くの場合は、法律や立地条件、予算などにより、建てられる建物には制限が生まれます。
設計者は、この段階で制限について依頼者に説明し理解を得て、依頼者の要望と発生する制限を調整しながら、具体的な方針を決めていきます。
予算や収支計画についても話し合います。
方針が定まったら、設計者は基本設計として大まかな設計を行い、それを依頼者と共有。
基本設計の提示により、依頼者は建物のイメージをよりリアルに想像することができ、また設計者と依頼者が同じイメージを相違なく共有することができます。
また、この段階では平面図だけでなく、3Dで建物を再現したパースを提示することもあります。
基本設計の成果物
基本設計では、成果物として次のような書類を作成する必要があります。
- 計画説明書
- 配置図
- 平面図
- 立面図
- 断面図
- 矩形図
- 透視図
- 外構・主要部分における展開図
- 建築(構造) 構造計画説明書
- 仕様概要書
- 構造設計概要書
- 電気設備設計概要書
- 給排水衛生設備設計概要書
- 空調換気設備設計概要書
- 昇降機設備設計概要書
- 建具表
- 工事費概算書
- 全体工程表 など
「基本設計は大まか」とはいっても、このように多くの図面や書類が作成されます。
ただし、ケースごとに作成する図面や書類、その内容の程度は異なります。
実施設計とは?
次に、実施設計について詳しくご紹介します。
実施設計は、最終見積や詳しい工事内容を決定するために実施するものです。
そもそも設計は、大きく次の3つに分類されます。
【意匠設計】
- 建物の外観や内部空間、装飾に関する設計のこと
- 美しさだけでなく、実用性も意識する必要がある
【構造設計】
- 基礎や骨組み、柱など、立ちものの構造に関する設計のこと
- 安全性を重視した強度が重視される
【設備設計】
- 建物のインフラに関する設計のこと
- 配管や空調、電気配線など、目には見えないが建物利用に欠かせない部分を設計する
前工程の基本設計では意匠設計をメインに行いますが、実施設計では構造設計や設備設計といったより専門的で細かな設計も行います。
実施設計の流れ
実施設計は、次のような流れで行われます。
- 実施設計
- 最終見積・工事内容の提示
- 工事請負契約の締結
- 建築確認申請
- 施工開始
実施設計では、基本設計を基により詳細な設計を行います。
これにより工事内容の詳細が決まれば、費用の最終見積を出すことが可能です。
見積や工事内容に問題がないようであれば、依頼者と建設業者の間で工事請負契約を締結し、工事を進めていきます。
このとき、必ず自治体への建築確認申請が必要となります。
この申請には、実施設計の設計図が必要です。
申請が通って通知書を受け取ったら、設計図に従って工事を開始します。
実施設計の成果物
実施設計では、成果物として次のような書類を作成する必要があります。
- 建物概要書
- 共通仕様書
- 特記仕様書
- 外部仕上表
- 内部仕上表
- 法規確認図
- 平面図
- 立体図
- 断面図
- 求積図
- 配置図
- 矩形図
- 展開図
- コア詳細図
- 各部の詳細図・建具表
- 天井伏図
- 構造図
- 設備図
- 外構図
- 家具図 など
この場合も、基本設計と同じく、作成する書類やその内容の程度はケースごとに異なります。
各種設計図については「設計図書とは?種類や基準、保存期間を確認!積算時にも必要?」でもご説明していますので、ご一読ください。
設計からの拾い出しは「ヒロイくんⅢ」を活用!
設計が完成したら、建設業者はその図面を基に見積を出していきます。
このとき、担当者は設計書を読み解き、そこから必要な資材やその数量を算出しなければなりません(拾い出し)。
これには、設計を読み解く専門的なスキルが必要であり、また全ての情報を拾い出すには時間もかかります。
※積算業務の拾い出しについては、「積算の拾い出し(数量拾い)とは?手作業の問題点や効率化のコツも」で詳しく解説しています。
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基本設計と実施設計の違いは内容・目的・タイミングにあり!
建設工事の設計は、基本設計と実施設計に分かれます。
このうちの基本設計は、依頼者と設計契約を結んだ直後に行うもの。
建物のイメージについて依頼者と共有することを目的とするこの設計は、外観や内部空間のデザインを中心に、大まかな内容で行われます。
一方の実施設計は、基本設計の後に行うものです。
工事の詳しい内容を決めたり最終見積を出したりするために必要なこの設計は、建物の構造やインフラなど目には見えない部分まで、詳細に行われます。
このように、基本設計と実施設計は、内容や目的、実務のタイミングが異なりますが、どちらもスムーズかつ安全に工事を進めるために欠かせないものです。
また、設計が完了した後には、建設業者は設計図面を基に、拾い出し作業や積算見積作業を行わなければなりません。
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