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積算の基礎知識

2023.08.18

工務店開業で必要なものとは?許可・費用・機材について解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

特定の地域で住宅の建設や修繕を請け負う建設業者を、工務店と呼びます。

工務店は、個人事業主、または法人として設立することが可能です。

大工としてキャリアを積んできた方が独立し、自身の工務店を開業するケースは少なくありません。

 

では、工務店を開業するためにはどのような手続きが必要なのでしょうか。

また、それにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

 

今回は、工務店の開業に必要な手続きと費用について詳しく解説します。

電卓

 

工務店を開業するなら工務店の種類を決める必要がある

工務店を開業するには、まずどのような会社形態で工務店を設立するか決めなければなりません。

工務店の会社形態には、次のような種類があります。

会社の種類

工務店の開業では、上記それぞれの形態におけるメリット・デメリットを把握しておくことが大切です。

その上で、自身の目指す工務店経営に合った形態で会社を設立しましょう。

 

工務店営業の型も決める必要がある

工務店事業を開始する前には、営業の型も決める必要があります。

工務店の営業の型には、次のような種類があります。

  • 独立自営型:自社の中で建築に関わる全ての業務を行う
  • 下請け型:ハウスメーカーなどからの下請けとして施工を行う
  • 不動産会社連携型:不動産会社と連携し、不動産会社が顧客対応を、その他の業務を工務店が担う
  • 施工特化型:施工に特化し、設計は自社で行わない(建築家や建築事務所と連携する)
  • リフォーム型:リフォームに特化する

 

営業の自由度を重視する場合には、全ての業務を自社の判断で行える「独立自営型」がおすすめです。

しかしこのケースでは、施工だけでなく営業活動も自社で担い、集客を行わなければなりません。

 

一方、「下請け型」や「不動産会社連携型」になると、ハウスメーカーや不動産会社からの要望を業務に反映させなければなりませんが、営業活動の負担は減ります。

 

工務店開業で建設業許可が必要なケースとは?

建設業には、建設業許可というものがあります。

これは、資本や実績などの要件をもとに工事の請負金額を規定したもので、「特定建設業許可」と「一般建設業許可」の2種類に分けられます。

 

【特定建設業許可】

顧客から直接工事を受注した、1件の工事金額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の案件を下請けに出す場合に必要な許可。

 

【一般建設業許可】

顧客から直接工事を受注し、工事の一部もしくは全てを下請けに出す際の下請け金額が4,000万円未満(建築一式工事の場合は6,000万円未満)の場合に必要な許可。

下請けとしての工事の受注時にも必要。

 

このように、取得した許可の種類によって、受注できる工事の規模は異なります。

また、これらの許可を取得している工務店は、受注した工事を自ら施工する場合の制限を受けません

 

しかし、これらの許可を取得しない場合、工務店で受けられる工事は、請負金額1,500万円未満の建築一式工事、または請負金額500万円未満の工事に限定され、大規模な工事には対応できません。

 

このうち、非常に規模の大きい工事を元請として受注する場合に必要な「特定建設業許可」の取得は、事業の成長過程で検討するのも一つでしょう。

しかし、受注機会を失わないためにも、「一般建設業許可」については、工務店開業時に取得しておくことをおすすめします。

 

一般建設業許可の取得に必要な要件

工務店開業時に取得しておきたい「一般建設業許可」を取得するには、次の要件を全て満たす必要があります。

  • 経営業務管理責任者がいること
  • 専任技術者がいること
  • 自己資本金が500万以上であること
  • 欠格要件への非該当であること
  • 社会保険と労災保険へ加入していること

 

各要件について詳しくご紹介します。

 

経営業務管理責任者がいること

「一般建設業許可」を受けるには、会社の常勤役員から1人(個人事業主の場合は本人)、経営業務管理責任者を任命しなければなりません。

 

経営業務管理責任者は、経営に関する幅広い業務を担当する責任職ですが、この職に就くには、定められた要件のうちどれかを満たす必要があります。

 

専任技術者がいること

常勤職員の中から専任技術者を設置することも、建設業許可の取得に必要です。

 

専門知識を持ち、帳票作成や顧客との交渉を担う専任技術者には、国土交通省により定められた要件を満たす必要があります。

 

経営業務管理責任者と専任技術者の要件については「建設業許可とは?その内容をわかりやすく!要件・取得方法も解説」で詳しくご説明しています。

 

自己資本金が500万円以上であること

「一般建設業許可」を取得するには、金銭的な信用として、自己資本金額500万円以上であること、または500万円以上の資金調達能力の証明が必要です。

 

ただし開業にあたって必要になる資金は、多くの場合500万円を超えます。

よって開業にあたっては、この要件以上の金額の資金を準備しておく必要があります。

 

欠格要件への非該当であること

規定の欠格要件に該当する業者は、建設許可を得ることができません。

 

欠格要件には「暴力団員であること」「法律違反から5年以上経過していないこと」「破産手続きを開始し復権していないこと」など複数の項目があります。

詳しい欠格要件は、国土交通省「建設業の許可 許可の要件」をご確認ください。

 

社会保険と労災保険へ加入していること

工務店が従業員を5人以上雇用する場合には、必ず健康保険や雇用保険などの社会保険に加入しなければなりません。

 

また、従業員を1人でも雇用する場合には、労災保険への加入が必須です。

この保険加入も、「一般建設業許可」取得の要件に含まれます。

 

工務店開業に必要な費用と業務に必要な機材

工務店の開業にあたっては、事務所の契約や工事機器の取得が必要です。

ここからは、開業に必要なもの、また、かかる費用について見ていきましょう。

 

開業に必要なもの

工務店の開業には、次のようなものの準備が必要です。

  • 事務所
  • 倉庫(資材保管用)
  • トラック(資材運搬用車両)
  • 測量・測定機器(トランジット、レベル、シュミットハンマーなど)
  • IT機器(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)
  • 書籍(法律書や仕様書、住宅地図など) など

 

工務店を経営するには、上記以外にもさまざまな工具や重機が必要になります。

営業の型や規模によっても必要なものは異なりますが、事務所や最低限必要な機器の準備は開業前に完了させておくようにしましょう。

 

開業にかかる費用

工務店の開業には、少なくとも1,000万円程度の費用がかかることが一般的です。

費用の内訳の目安を見てみましょう。

工務店の開業費用

これらの費用を合計すると、約1,000万円になります。

ただし、地域や規模によって費用は大きく異なるので注意しましょう。

 

また、安定的な経営を目指すには、十分な運転資金を確保しておくことが大切です。

開業資金が十分に用意できない場合には、金融機関から融資を受けることも検討しましょう。

工務店の安定的な経営方法については「工務店で赤字にならないために!失敗の理由や赤字脱却方法とは」でもご紹介しています。

 

 

積算見積ソフトや拾い出しソフトの導入も検討を

工務店の業務では、必ず積算見積業務拾い出し業務が発生します。

しかし、これらの業務は工数が多く手作業で進めるとなると時間がかかります。

また、ミスのリスクも大きくなるでしょう。

 

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工務店の開業には知識と資金が必要!許可取得も検討して

工務店の開業にあたっては、まず会社の形態と営業の型を決める必要があります。

各形態・型のメリットとデメリットを把握した上で、自身のビジョンに合ったものを選びましょう。

 

また、慎重に検討したいのが建設業許可の取得について。

建設業許可には「特定建設業許可」と「一般建設業許可」の2種類があり、許可の有無と取得した許可の種類によって、請け負える工事の規模が異なります。

受注機会の損失を防ぐためにも、開業時には少なくとも「一般建設業許可」は取得しておくことをおすすめします。

 

工務店の開業には、事務所の取得や機器の購入など多くの費用がかかります。

これには、事業の運転資金も含め、1,000万円は必要でしょう。

よって、工務店の開業を目指すなら、まずは十分な資金を貯める必要があります。

場合によっては、融資の利用も検討すると良いでしょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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