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2025.10.29

建設業も36協定で残業が規制!労働時間の上限規制と対策を解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献するアークシステムです。

 

2019年に労働基準法が改正され、労働時間の上限規制が設けられることになりました。

建設業は5年の猶予期間を与えられていましたが、2024年4月からは建設業も36協定および労働時間の上限規制の適用対象となっています。

 

今回のコラムでは、建設業における36協定と労働時間の上限規制について解説します。

手続きの流れや対策についてもご紹介しますので、労働基準法遵守と働き方改革実現のための参考にぜひお役立てください。

残業をする男性

建設業における36協定と労働時間の上限規制とは

まずは、2024年4月より建設業にも適用されることになった36(サブロク)協定労働時間の上限規制について、基本のルールをご紹介します。

 

労働時間・36協定の基本ルール

労働者の働き方のルールについて定めた労働基準法では、法定労働時間として、労働時間の上限が以下のように決められています。

 

【法定労働時間】

  • 1日8時間
  • 1週間に40時間

 

上記の法定労働時間を超える労働は、「時間外労働」となります。

企業が労働者に時間外労働をさせるためには、事業主と労働者の間で「36協定」を締結し、労働基準監督署へ届け出なくてはいけません。

このことは、労働基準法第36条に定められています。

※参考:e-Gov 法令検索「労働基準法」

 

ただし、36協定を締結したからといって、無制限に時間外労働をさせられるわけではありません。

時間外労働には上限規制があり、これを超えて労働者を働かせることは認められていません。

 

とはいえ、建設業については、人手不足の深刻さや長時間労働の常態化、災害対応の必要性などの点から、36協定および上限規制の適用に猶予がありました。

2024年4月からはこの猶予がなくなり、36協定の適用および上限規制に関するルールの遵守が、建設業でも必要となっています。

 

長時間労働の常態化などといった建設業の課題や今後についてはこちらのコラムもぜひご覧ください。

建設業の課題とは?現状や今後の動向、課題への対策を解説!

 

建設業に適用される時間外労働の上限規制の内容

建設業にも適用される、36協定を締結した場合の時間外労働の上限は、以下のとおりです。

 

【時間外労働の上限】

  • 月45時間以内
  • 年360時間以内

 

また、臨時的な特別の事情があり労使が合意する場合(特別条項)には、上記の上限を超えることが認められています。

しかしその場合でも、以下のルールを遵守しなければなりません。

 

【特別条項におけるルール】

  • 時間外労働は年720時間以内
  • 時間外労働が45時間を超えるのは年6カ月まで
  • 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満(※特別条項の有無にかかわらず遵守)
  • 時間外労働と休日労働の合計について2~6カ月の平均が80時間以内(特別条項の有無にかかわらず遵守)

 

ただし、建設業では災害復旧や復興事業などに従事する場合のみ、上記の「時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満」「時間外労働と休日労働の合計について2~6カ月の平均が80時間以内」という2つの規制は適用されないので注意が必要です。

 

違反した場合の罰則

36協定の締結や時間外労働の上限規制など、労働基準法に定められたルールに違反した場合、企業は罰則を課される可能性があります。

 

具体的な内容は、以下のいずれかです。

  • 6カ月以下の懲役
  • 30万円以下の罰金

 

また、悪質とみなされた事案については、厚生労働省が企業名を公表することもあるようです。

 

建設業の36協定締結手続きの流れと注意点

ここからは、建設業の36協定締結のための手続きについて、一連の流れと注意点を確認していきましょう。

 

36協定締結手続きの流れ

36協定の締結手続きは、以下の流れで進めます。

  1. 労使間の話し合い・合意
  2. 36協定の締結
  3. 労働基準監督署へ36協定届の提出

 

36協定の締結にあたっては、まず会社は労働組合や労働者の代表と話し合いを行う必要があります。

労働条件について労使間で合意できれば、36協定書を作成し36協定を締結します。

 

その後は、36協定届を作成し、労働基準監督署へ提出します。

協定届の提出方法は、以下の3つを選択できます。

  • 窓口での手渡し
  • 郵送
  • 電子申請

 

電子申請には事前登録や電子証明書の取得が必要になるので注意しましょう。

 

また、36協定届のフォーマットは複数あり、使用すべきフォーマットは労働条件などによって異なります。

間違いのないよう、よく確認することが大切です。

 

36協定締結に関する注意点と関連法規

36協定の締結にあたっては、手続きの注意点や関連法規についても理解しておきましょう。

 

①36協定の手続きは現場単位で行う

建設業における36協定の適用は、事業場または現場ごとに行われます。

 

したがって、36協定に関する話し合い・締結・書類提出の手続きはもちろん、その後の労務管理も、基本的には事業場・現場単位で行わなければなりません。

原則「会社単位ではない」ことを理解しておきましょう。

 

ただし、36協定届を電子申請で提出する場合には、本社で複数の事業場分を取りまとめ、一括で届出を出すことが可能です。

 

②同一労働同一賃金を徹底する

同一労働同一賃金とは、同じ職場で同じ仕事をしている場合、雇用形態が正規・非正規であるということを理由に給与に差をつけてはいけないというルールです。

時間外労働にあたっても、同じ仕事をしているなら、正規雇用者に支払っている賞与や手当(出勤手当、危険手当、皆勤手当など)を非正規雇用者にも支払わなければなりません。

 

これはパートタイム・有期雇用労働法および労働者派遣法を根拠にするもので、公平性を担保するため、建設業でも遵守する必要があります。

 

③月60時間超の時間外労働は割増率が高くなる

法定労働時間を超えた時間外労働に対しては、基礎賃金に割増率を適用した割増賃金が支払われます。

通常の時間外労働の場合、割増率は25%以上と定められています。

 

ただし、長時間労働抑制のため、時間外労働が月60時間を超えた場合には、適用される割増率は上がり、50%以上となります。

 

法律の範囲内であっても、労働者を長時間労働させることは、会社のコスト増につながるのです。

 

建設業の36協定・労働時間の上限規制遵守のための対策

時間に追われるイメージ

建設業で36協定および労働時間の上限規制を遵守するためには、各企業それぞれが対策を行なっていく必要があります。

具体的には、以下のような対策があります。

 

正確な勤怠管理の徹底

時間外労働の上限規制を守るためには、まず全ての労働者の勤怠を正確に管理できる体制を整えなければなりません。

 

勤怠管理システムを導入し、一人ひとりの労働時間を見える化することは、正確な勤怠管理と労働時間に対する意識向上につながります。

 

週休2日制の促進

労働基準法による休日の最低基準は週1回。

現在多くの企業では週休2日制や完全週休2日制を導入していますが、建設業界では休日が週1回の企業も多くあります。

 

今のところ、週休2日制は法律による規定ではありませんが、国も積極的に導入を推進しています。

時間外労働削減による上限規制遵守の観点からも、週休2日制の導入は有効でしょう。

 

建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設業の技能者に関する情報を一元管理することにより、技能者に対する評価の公平化や現場管理の効率化を実現するシステムです。

 

このシステムを活用することで、ICカードを用いた現場の入退場管理や事務手続きの合理化が叶います。

各種管理業務が効率的になり、労働時間の削減も目指すことができます。

 

建設キャリアアップシステムについては以下のコラムで詳しく解説しています。

建設キャリアアップシステムとは?制度の目的や利用の流れを解説!

 

各種ITツール・サービスの導入

労働時間を削減して上限規制に対応するためには、業務を効率化する必要があります。

ITツールなどを導入し、自動化やテレワークを可能にすることができれば、人力での作業が減り、労働時間を削減することが可能です。

 

特に工数のかかりやすい積算・見積作業や作業日報などは、ITツールの活用で効率化しやすい部分です。

 

建設業の業務を効率化する方法については、「建設業で業務効率化を進めよう。効率化が必要な理由や方法を詳しく!」もぜひお読みください。

 

建設業の残業の規制は着手しやすい積算・見積の効率化から!

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建設業も36協定・労働時間の上限規制を遵守する必要がある

2024年4月から、2019年の労働基準法改正で定められた時間外労働の上限規制が、建設業にも適用となりました。

 

現在では、36協定を結び、時間外労働の上限は原則月45時間以内・年360時間以内という従来の上限に加え、特別条項付き36協定を結んでも月100時間未満・年720時間以内といった上限があります。

また、違反した場合の罰則も定められています。

 

36協定を締結するためには、会社と労働者の代表が話し合い、合意の上で協定を締結、協定届を労働基準監督署へ提出する必要があります。

手続きは事業場・現場ごととなること、同一労働・同一賃金の原則があること、時間外労働の時間によって割増率が変わることなどについても、しっかり理解しておきましょう。

 

また、36協定および時間外労働の上限規制を守るためには、業務を効率化し、全体の労働時間を減らすことが大切です。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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