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積算の基礎知識

2025.06.11

建設業の課題とは?現状や今後の動向、課題への対策を解説!

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献するアークシステムです。

 

現代社会において、建設業は大きな役割を果たす業界です。

しかし、現在の建設業界はさまざまな課題を抱えており、その先行きが心配されています。

日本の建設業を守るためには、現状の課題を把握し、それを解決するための対策を速やかに取ることが大切です。

 

そこで今回は、建設業の現状と課題、課題を解決するための対策について解説します。

建設業を俯瞰する人のイメージ

建設業界の現状は?最新動向をチェック

国土交通省「建設業を巡る現状と課題」によると、日本国内の建設投資額は、1992年に84兆円となり、ピークを迎えました。

その後は減少を続け、2010年には42兆円に。

 

2010年以降は徐々に増加し、 2022年には67兆円まで回復しています。

 

近年は ピーク時と比較して約20%減の状態で横ばいとなり、国土交通省総合政策局「令和5年度(2023年)建設投資見通し」「令和6年度(2024年)建設投資見通し」によると、2023年には70兆円、2024年には73兆円となる見通しです。

 

建設投資額が回復・横ばいとなる一方で、 2024年の建設業の倒産件数は、1,890件と過去10年で最多に。

倒産の理由としては、他にも新型コロナウイルス感染症の影響、世界情勢や円安による建設資材の高騰などが考えられます。

 

また、小規模事業者を中心に、職人不足や人件費の高騰を理由に事業継続を断念する会社も増えました。

 

倒産する会社、事業継続を断念する会社が増える一方で、今後は新規の建築需要はもちろん、 高度経済成長期以降に整備され老朽化した建造物の修繕や災害対策工事の必要性が高まると予想されています。

そのため、建設需要が著しく減少することはないでしょう。

 

近年増加している建設業の倒産については、「建設業の倒産が急増!その理由や回避するための対策をチェック」でも解説しています。

 

建設業が抱える課題

建設業の現状と将来のイメージ

ここからは、建設業が抱える課題について解説していきます。

 

建設業が抱える課題

現在の建設業は、以下のような課題を抱えています。

 

人手不足と高齢化

建設業界では、 慢性的な人手不足という課題を抱えています。

 

国土交通省の「建設業を巡る現状と課題」によると、建設業就業者数は、1997年に685万人のピークを迎えて以降、2022年には479万人と、 ピーク時の約30%減となりました。

この数字から、建設業の人手不足の深刻さがわかります。

 

さらに、2022年の建設業における 55歳以上の就業者の割合は全体の35.9%に。

現在の建設業は高齢化の状態にあるといえるでしょう。

 

このまま建設業界で働く人が先細りし、高齢化していくと、建設会社の倒産件数は増え、 建設需要に対する供給も不足することが予測されます。

 

労働環境改善の遅れ

建設業界は、長時間労働や休日の少なさ、給与水準の低さなどの点から、他の業界と比べ、 労働環境が良いとはいえない状況が続いていました。

工期が厳しく人手も足りていないことから、 週休2日制の導入が遅れていることが、その原因の一つです。

 

これは、若い世代の担い手が増えない原因にもなっています。

 

建設業の若者離れについては、「建設業で若者離れが進むのは当たり前?そういわれる理由や解決策」で詳しくご説明しています。

 

DX・業務効率化の遅れ

業界全体として業務へのIT導入が遅れ、デジタル格差も大きいことから、いまだに アナログで手間や時間がかかる業務進行が多いことも、建設業界の課題です。

 

人手不足という課題を解決するためにも、 DXによる業務の効率化を進める必要があります。

 

建設資材の高騰

近年の 建設資材の高騰も、建設業が抱える深刻な問題です。

新型コロナウイルス感染症の流行やウクライナ情勢、円安の影響から、建設に用いる資材は軒並み高騰しており、これは建設コストの増大につながっています。

 

新型コロナウイルス感染症の建設業への影響については、「新型コロナウイルスの建設業への影響は?今後の動きについても解説」もお読みください。

 

建設業と2024・2025年問題

建設業の課題としては、 2024・2025年問題についても確認しておくべきでしょう。

 

2024年問題とは、 2024年4月1日から建設業にも改正労働基準法が適用されることによる影響を指します。

これにより、36協定で定める時間外労働の上限規制が見直され、時間外労働の上限は原則として月45時間、年間360時間となりました。

長時間労働が慢性化し、休日も少ない建設業では、法改正に対応するため、人手不足の解消や業務効率化に本格的に取り組む必要が生じたのです。

 

また、2025年問題とは、 2025年に後期高齢者の割合が急激に増えることで起こる問題を指します。

建設業の場合、高齢者の離職による人手不足の深刻化が問題視されています。

 

2025年問題については、「2025年問題とは?建設業が抱える人手不足の課題と対策をチェック」もご確認ください。

 

建設業の課題解決のための対策と今後の動向

建設業における課題は多くありますが、解決に向けてどのような対策や取り組みを行うべきなのでしょうか。

今後の建設業の動向についてもチェックしておくことで、具体的な対策も取りやすくなるでしょう。

 

建設業の課題解決に向けた対策や取り組み

前述したような建設業の課題を解決するためには、各企業は以下のような対策を早急に進めていく必要があります。

 

時間外労働の是正

企業は、法令遵守のためにも、まずは 長時間の時間外労働を是正していかなければなりません。

適切・安定的な仕事量と給与を確保しつつ、 残業時間削減・週休2日モデルの工事工程を拡大していく必要があります。

 

人手不足により時間外労働が長時間化しているのであれば、年齢や経験、学歴など、採用に対する考え方の見直しも検討すべきでしょう。

 

女性・外国人労働者の雇用推進

人材を確保するために、建設業界では、 女性や外国人労働者の雇用も推進されています。

ただしそのためには、女性向けの設備や制度の拡充、外国人に向けた技能実習制度の整備や生活のサポートなどが必要です。

 

多様な人材の雇用は、人手不足解消だけではなく、 新たな視点によって建設業の可能性を広げることにもなるでしょう。

 

建設業で女性が働くメリットとは?課題や取り組みなどをご紹介!」では、建設業で女性が働くメリットについて解説しています。

 

環境と処遇の改善

労働環境の改善や働く人の処遇改善も、建設業では進めていく必要があります。

過酷な労働環境で処遇も悪いままでは、若い人材は集まりません。

 

そのためには、 安全面や衛生面を向上する取り組み給与の見直しキャリアアップ支援などの取り組みが有効でしょう。

 

また、業務によっては 在宅勤務やテレワークなどの働き方の選択肢を増やすことも、人材確保や働く人のQOL向上につながると考えられます。

 

適正な工期設定

建設工事では、 工期が厳しいことが多く、これが長時間労働やそれに伴う人材離れを引き起こしています。

適正な工期設定を行うことで、この問題は改善することが可能です。

 

短すぎる工期設定を避けるためには、 受注前の綿密な計画や柔軟な契約条件の設定が必要でしょう。

また、業務の効率化にも取り組んでいく必要があります。

 

DX推進による業務効率化

ITやAIなどのテクノロジーを導入して業務の効率化を図ることは、建設業で早急に取り組んでいくべき課題です。

例えば、AIやドローン、VR、ウェアラブルデバイスなどを活用してシミュレーションや施工を行なったり、タブレットやクラウドシステムを用いて施工管理を行なったりすれば、大きく業務効率を改善できます。

 

建設業におけるDXの推進は、長時間労働の是正や人手不足解消につながります。

 

建設業のイメージアップ

いわゆる 3K(きつい・汚い・危険)のイメージがある建設業では、イメージアップも図っていくことが大切です。

そのためには、前述した長時間労働の是正やDXによる業務効率化、労働環境や処遇の改善などを進めるとともに、 メディア・SNSの活用やインターンシップの受け入れなどを通し、情報を積極的に発信していく必要があります。

 

建設業の3Kのイメージを払拭するために現在は「新3K」というものがありますよ!

新3Kについては、「建設業の「新3K」とは?注目の背景や取り組みなどを詳しく」もお読みください。

 

建設業界の今後の動向

建設業界では、今後も 一定の需要が続くと考えられています

その理由には、次のようなものがあります。

  • 高度経済成長期に建設された建物の老朽化対策が必要になるから
  • 高度経済成長期に整備された水道管の更新・耐震化が必要になるから
  • 大規模災害に向けた災害対策に関する工事が必要になるから
  • 大規模な建設プロジェクトが進行中だから

 

今後の建設業界では、 建物の老朽化や災害への対策としての工事需要が多くなると予想されます。

 

同時に、近年陥没事故が多発している 水道管も高度経済成長期に整備されたものが多く、更新が必要になっています。

また、水道管の場合は耐震化ができていないものが大半で、災害時には長期間の断水を引き起こす可能性もあることから、 耐震化の重要性も。

 

特に 防災インフラの整備は、国を挙げた重要なプロジェクトとなっています。

 

また、東京オリンピックや大阪万博などが終わっても、リニア新幹線や高速道路の新設、海外でのインフラ整備など、 大きな建設プロジェクトは続いています

 

ただし、このような建設需要に対応するためには、建設業界が現在抱えている課題を迅速に解決していかなければなりません。

建設業界は、その需要の高さゆえに、変化を迫られているといえるでしょう。

 

建設業の現状と課題を知ってさらなる成長を目指そう

建設業の需要は、 2010年以降回復し、 近年は横ばいの傾向にあります。

 

その一方で、 倒産する会社は増加しています。

その大きな理由は、 慢性的な人手不足という多くの建設企業が抱える課題にあります。

他にも、建設業界は高齢化や労働環境改善の遅れ、DXの遅れ、資材の高騰などといった多くの課題を抱えています。

 

これを解決するためには、 労働環境の改善や業務の効率化が急務です。

 

今後予想される建設需要に対応するためにも、建設業界には変化が必要となるでしょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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