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2024.08.23

工事担任者試験の難易度(合格率)や試験概要について解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

私たちが電話で通話したりケーブルテレビを観たり、またインターネットを利用したりするためには、電気通信回線の接続が必要です。

工事担任者は、これらの回線の接続工事を実施・監督する仕事。

工事担任者として活躍するためには、工事担任者試験に合格し、資格を取得する必要があります。

 

では、工事担任者試験の難易度はどれくらいなのでしょうか。

また、合格するためにはどのような対策を行えば良いでしょうか。

 

今回は、工事担任者試験の難易度や試験概要、勉強方法について、わかりやすく解説します。

電気通信回線

工事担任者試験とは?

工事担任者試験とは、工事担任者の国家資格を取得するために、受験・合格する必要がある試験のことです。

 

工事担任者とは、電気通信の配線接続工事に関するスペシャリストのこと。

公衆回線やケーブルテレビ、光ファイバーケーブルなどといった電気通信回線やそれに付随する端末設備等の接続工事、またはその監督を担います。

 

電気通信の配線接続には、専門的な知識や技術が必要です。

工事には電気通信回線の損傷などのリスクがあり、このようなリスクを抑え工事の品質を確保するために、知識と技術を持つことを証明する工事担任者の国家資格取得が必須とされているのです。

 

工事担任者資格の種類

工事担任者は、総務省が管轄する国家資格にあたります。

1985年に施行された電気通信事業法をもとに、導入されました。

 

前述のとおり、工事担任者資格は電気通信回線工事の実施に必要な資格です。

この資格は5つの種類に分かれており、どの種類の資格を取得するかによって、担当できる回線工事の種類に違いがあります。

 

工事担任者資格の種類と担当できる工事の種類を、確認しておきましょう。

 

第一級アナログ通信

アナログ伝送路設備と端末設備の接続工事、総合デジタル通信用設備と端末設備の接続工事を扱うことができます。

 

第二級アナログ通信

アナログ伝送路設備と端末設備の接続工事(回線の数が1のもの)、総合デジタル通信用設備と端末設備の接続工事(回線の数が基本インターフェースで1のもの)を扱うことができます。

 

第一級デジタル通信

デジタル伝送路設備と端末設備の接続工事において、総合デジタル通信用設備と端末設備の接続工事以外の工事を扱うことができます。

 

第二級デジタル通信

デジタル伝送路設備と端末設備の接続工事(接続点でのデジタル信号の入出力速度が毎秒1ギガビット以下であり、インターネットの接続を主な目的とした回線に限定)において、総合デジタル通信用設備と端末設備の接続工事以外の工事を扱うことができます。

 

総合通信

全ての通信設備工事を扱うことができる資格です。

 

それぞれの第二級資格は、第一級に比べ、担える工事が限定されます。

また、総合通信の資格を取得した場合には、アナログ・デジタルに関わらず、全ての工事を担うことが可能です。

 

工事担任者資格を取得するメリット

情報化が進む現代社会では、インターネットを中心に通信回線の接続工事の需要が高いといえます。

接続工事を実施するには、工事担任者資格の保有者が必要であるため、電気通信会社の工事担任者に対する需要も、高い水準を維持していくと考えられます。

 

電気設備業界の将来性については、「電気設備業界の動向や課題、M&Aを行うメリットも」をご一読ください。

 

また、工事担任者資格の保有は、自分のスキルの証明になります。

これは、就職や転職、キャリアアップの点で有利に働くでしょう。

 

さらには、同じく電気通信系の資格である電気通信主任技術者の資格取得にあたって、試験の一部免除を受けることができる点も、工事担任者資格取得のメリットだといえます。

 

電気通信主任技術者については、こちらのコラムでもご紹介しています。

電気通信主任技術者の試験の難易度(合格率)を詳しく解説!

 

工事担任者試験の難易度(合格率)は?

工事担任者試験の直近過去3回の合格率は、以下のとおりです。

 

2024年度第1回 2023年度第2回 2023年度第1回
第一級アナログ通信 30.0% 36.1% 38.6%
第二級アナログ通信 100.0% 100.0% 100.0%
第一級デジタル通信 21.7% 25.2% 27.4%
第二級デジタル通信 100.0% 100.0% 100.0%
総合通信 25.8% 29.4% 27.5%

※参照:日本データ通信協会「工事担任者定期試験の実施結果:試験種別毎推移表

 

第二級資格は、アナログ・デジタルともに合格率100%

一方で、第一級資格と総合通信資格は20〜30%台と、合格率は低めになっています。

第二級資格の難易度の低さに比べて、第一級資格と総合通信資格の難易度はかなり高いといえます。

 

工事担任者試験について詳しく!

電気通信回線

ここからは、工事担任者資格を取るための試験について、詳しくみていきましょう。

 

工事担任者試験の概要

工事担任者試験の概要は、以下のとおりです。

 

【受験資格】

なし

 

【試験科目】

  • 電気通信技術の基礎
  • 端末設備の接続のための技術及び理論
  • 端末設備の接続に関する法規

 

【試験実施日】

1年に2回、5月と11月に実施

 

【試験地】

札幌、青森、仙台、さいたま、東京、横浜、長野(第1回)、新潟(第2回)、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇

 

【解答方式】

マークシート方式

※第二級アナログ・デジタルについてはCBT方式を採用

 

【試験時間】

  • 総合通信:11:00〜13:40
  • 第一級・第二級アナログ通信:11:00〜13:00
  • 第一級・第二級デジタル通信:15:00〜17:00

※何科目受験するかで終了時間は異なる

 

【受験手数料】

8,700円(非課税・1試験種別あたり)

 

【合格基準】 

各科目100点満点中60点以上

 

工事担任者試験の免除条件

工事担任者試験には試験免除制度があり、条件を満たす受験者は、試験にあたって一部試験科目の免除を受けることができます。

試験免除の条件は、保有資格や学歴、実務経験など。

 

また、過去の受験ですでに合格している科目も、免除の対象となります。

詳しい条件は日本データ通信協会「工事担任者 試験免除 : 試験科目の試験免除」をご確認ください。

 

試験免除を受けるには、指定期間内の申請や証明書の提出が必要になります。

制度を利用する際には、要項の内容をよく確認し、期限内に手続きを行うようにしましょう。

 

工事担任者試験の対策方法

最後に、工事担任者試験に合格するための対策をご紹介します。

 

学習計画を立てる

工事担任者試験は、種類ごとに大きく難易度が異なるため、必要な勉強時間にも差があります。

第一級デジタル通信の場合、推奨されている勉強時間は100〜150時間

まずは十分な時間を確保した上で、計画的に学習を進めるようにしましょう。

 

スケジュール作成においては、出題範囲を満遍なく学習した上で、過去問を繰り返し解いたり苦手分野を復習したりする時間も十分に組み入れることが重要です。

反復学習を行うことで、学習内容を記憶として定着させやすくなります。

 

参考書や過去問を活用する

工事担任者試験の勉強は、市販の参考書や過去問を利用して進めていくことになります。

 

参考書選びにあたっては、法改正の内容がしっかり反映されている最新の参考書を選ぶのがおすすめです。

古い参考書を使うと、内容に旧法が反映されていて、法規科目で点が取りにくくなる可能性があるので注意しましょう。

 

過去問については、日本データ通信協会が数年分の試験問題と正答を「試験問題・正答」に掲載しているので、それを活用するのがおすすめです。

 

工事担任者の難易度は種類で異なる!計画的な学習で合格を

工事担任者は、電気通信の配線接続工事・監督を担うスペシャリストです。

 

工事担任者資格の種類は、第一級・二級アナログ通信、第一級・二級デジタル通信、総合通信の5種類。

どの種類の資格を取るかで扱える工事は異なります

 

このうち、第一級と総合通信は合格率が低く、難易度が高いのが特徴です。

勉強にあたっては、しっかり計画立てるとともに、復習や過去問で反復学習を行い、記憶の定着を目指しましょう。

 

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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