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積算の基礎知識

2026.03.27

電子帳簿保存法とは?建設業への影響や対象書類を解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

電子帳簿保存法は、帳簿や書類のデジタル保存を認める法律です。
2024年1月の抜本的な改正で、全事業者で適切な対応が必要となりました。

法令違反には罰則(ペナルティ)が科されるリスクがあるため、改正内容を正確に把握し、日々の事務フローに反映させる必要があります。

本記事では、その要点を詳しく解説します。

電子帳簿保存法

 

建設業も要対応!電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、事業者による書類のデータ保存に関する法律のこと。

事業者には、各種税法によって書類や帳簿の保存が義務付けられていますが、この法律ではこれらを電子データで保存するにあたってのルールが定められています。

 

この法律は1998年に施行されたものですが、2022年1月2024年1月に大きな改正がありました。その背景には、国を挙げたDXの推進電子取引の増加があります。

 

電子帳簿保存法に対応できていない場合、事業者は青色申告の取り消し追徴課税などのペナルティを受ける可能性があります。

これを避けるためにも、今後事業者には、最新の改正内容に沿って適切に対応することが求められます。

 

建設業の課題と電子帳簿保存法

建設業にとって、電子帳簿保存法への対応は非常に重要です。建設業では膨大な種類の書類を取り扱うためです。

例えば、工事請負契約書や請求書、見積書、設計図書など。

電子帳簿保存法の改正にあたっては、現場や支店、本社などで日常的にやり取りされるこれらの書類を適切に保存していかなければなりません。

 

電子帳簿保存法の対応は、多くの建設業者が抱える、紙での書類管理による業務停滞やコスト増という課題を解消することにつながります。

最初の法対応のための仕組み化により、ペーパーレス化による業務効率化を目指せるでしょう。

 

また、建設業にはIT人材不足や業種の特性によりDXが進まないという課題もありますが、電子帳簿保存法への対応は、DX推進への大きな一歩です。

 

電子帳簿保存法の3つの保存区分

電子帳簿保存法についてまず知っておきたいのが、3つの保存区分

①電子帳簿等保存

電子データとして作成した帳簿や書類をデータのままで保存すること

②スキャナ保存

取引先から受け取った紙の書類をスキャニングしてデータで保存すること(請求書や領収書など)

③電子取引データ保存

電子データとして受け取った書類をデータのままで保存すること(請求書や領収書等)

上記に当てはまる書類は、事業者は電子データとして保存する必要があります。

区分ごとに対象となる書類が異なるので注意しましょう。

 

2022年・2024年の改正のポイント

電子帳簿保存法は、2022年1月、また2024年1月より改正法が施行されました。

改正のポイント

  1. 電子取引における電子データの保存義務化
  2. 特例のための事前承認制度の廃止
  3. タイムスタンプ要件の緩和
  4. 検索要件の緩和
  5. スキャナ・電子帳簿保存の要件緩和
  6. 「優良な電子帳簿」の創設と対象範囲の見直し

 

1.電子取引における電子データの保存が義務化

2024年改正法の大きなポイントは、「電子取引における電子データの保存が完全義務化」です。

2022年の法改正では、2023年12月末までを猶予期間とし、それまでの間は電子取引のデータをプリントアウトして紙の状態で保存することが認められていました。

しかし、2024年からの完全義務化により、プリントアウトした紙での保存は原則不可となり、電子取引のデータは電子データのまま保存することが義務となりました。

 

これにより、メールで受け取った契約書や見積書、請求書などは、今後必ず電子データとして保存する必要があります。

 

 

2.特例のための事前承認制度の廃止

従来の電子帳簿保存法では、事業者が電子帳簿等保存やスキャナ保存を希望する場合には、まず税務署から事前承認を得なければなりませんでした。

しかし、2022年の法改正によりこの事前承認は不要になり、事業者は電子帳簿保存に対応しやすくなりました。

 

 

3.タイムスタンプ要件の緩和

スキャナ保存におけるタイムスタンプ要件が緩和されたことも、大きな改正点の一つ。

これまでは、紙の書類をスキャナ保存する場合、受領後速やかにデータ化し、
3営業日以内にタイムスタンプを付与して保存する必要がありました。

しかし、今回の法改正により保存までの期間は最長2カ月+7営業日以内となり、要件が緩和されています。

 

また、訂正・削除履歴が残るシステムにデータを保存する場合であれば、タイムスタンプの付与も不要に。これにより、事業者による事務処理の負担軽減が見込まれます。

 

 

4.検索要件の緩和

電子データの保存については、「可視性の確保」のため検索要件が定められています。

2022年の法改正では、この検索要件も緩和され、記録項目は「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3つとなりました。

2024年の改正では要件がさらに緩和され、売上高5,000万円以下の事業者などについて、検索機能の備え付けが不要となりました。

 

 

5.スキャナ・電子帳簿保存の要件緩和

2024年改正により、国税関係書類のスキャナー保存の要件が緩和され、解像度や階調、サイズ、入力者などの情報の付加は不要となりました。

ただし、スキャナで読み取る際に守らなければならない解像度(200dpi 以上)や階調(原則としてカラー画像)などの要件自体に変更はありません。

 

 

6.「優良な電子帳簿」の創設と対象範囲の見直し

2022年の改正により、電子帳簿等保存は
優良な電子帳簿」と「その他(一般の電子帳簿)」の2区分に整理されました。

「優良な電子帳簿」を満たすための要件

  • 訂正・削除履歴が保存できる
  • 帳簿間の相互関連性がある
  • 検索機能が確保されている

このような「優良な電子帳簿」に該当するものは、あらかじめ届出書を提出している場合、後から過少申告が判明しても過少申告加算税が5%軽減されます。

 

また、2024年の改正では、この軽減措置の対象となる帳簿の範囲が見直されました。

改正前は仕訳帳・総勘定元帳に加えて「全ての青色関係帳簿」が対象でしたが、改正後は売上帳・買掛帳・固定資産台帳など、一定の記載事項に係る帳簿に限定されています。

 

電子帳簿保存法はインボイス制度にも関係あり

日本では、2023年10月からインボイス制度の導入が開始。

適格請求書の保存で仕入れ消費税額を控除し、消費税の二重課税を改善する制度です。

インボイス制度では、電子帳簿保存法の要件さえ満たせば、国税関係書類を電子データとして保存することが可能です。両方に対応するシステムの利用で、適格請求書の電子データ保存は比較的簡単に行えるでしょう。

 

建設業で電子帳簿保存法の対象となる書類

帳簿

対象となる書類の例:「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引

【電子帳簿等保存における対象書類】

  • 国税関係の帳簿(総勘定元帳、仕訳帳、売掛・買掛帳、工事台帳など)
  • 決算書類(貸借対照表、損益計算書、棚卸表など)
  • 取引関係書類(注文書、見積書、請求書、契約書、領収書など)

【スキャナ保存における対象書類】

  • 注文書
  • 見積書
  • 契約書
  • 納品書
  • 請求書
  • 領収書
  • 検収書 など

※それぞれ取引先から紙で受け取った書類

電子取引における対象書類

  • 注文書
  • 見積書
  • 契約書
  • 納品書
  • 請求書
  • 領収書
  • 検収書 など

※それぞれ電子データ(電子メール・クラウドサービス・ EDIなど)でやり取りを行なった書類

書類の種類は多いですが、決算や国税に関する書類および取引先とやり取りする書類は、基本的に電子帳簿保存法の対象だと考えると良いでしょう。

 

電子データ保存の要件

電子帳簿保存法では、データの「真実性」と「可視性」を確保するため、電子データの保存方法についての以下の要件が定められています。

 

【真実性の確保のための要件】

  • 訂正・削除履歴の確保
  • 相互関連性の確保
  • 関係書類などの備付け

【可視性の確保のための要件】

  • 見読可能性の確保
  • 検索機能の確保
    (取引年月日・ 取引金額・取引先名 等)

事業者は、書類のデータ保存にあたって上記の要件を満たさなければなりません。

各要件の詳細については、国税庁「電子帳簿保存時の要件」をご確認ください。

 

要件を満たした電子データ保存を行うには、電子帳簿保存法に対応したソフトやシステムを利用するのがおすすめです。

「電子帳簿保存法対応」のソフトでは、国税庁の要件を満たした方法でのデータ保存機能が備わっており、ソフトの導入をすることで、改正法に対応することができます。

 

 

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電子帳簿保存法への対応を機に、見積書のデジタル保存を進める企業が増えています。しかし、ただ法律を守るためだけに保存した「数字だけのPDF」では、施主からの疑念が生じた際などの根拠資料として不十分。

システム上で正しく電子保存を行えば、過去の積算データを簡単に検索・引用できるようになり、見落としの内積算制度の向上と、施主への確固たるエビデンス(根拠)の提示を同時に実現できます。

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電子帳簿保存法への対応手順

電子帳簿保存法へ対応するための体制整備は、以下の手順で進めます。
各手順について解説していきます。

  1. 現状を適切に把握
  2. 優先順位や計画を決定
  3. システムを選定・導入
  4. ルール策定・社員教育
  5. 運用を開始

 

1.現状を適切に把握

電子帳簿保存法に係る書類と業務について、自社の現状を適切に把握します

  • 取り扱っている書類の種類と量
  • 書類に関する業務フロー

書類をリストアップし、それぞれの書類の量と業務フロー(受け取り方や保存方法など)を確認して、情報を整理しましょう。

 

 

2.優先順位や計画を決定

対応の優先順位具体的な計画について決めていきます。

取り扱っている全ての書類を一気に電子化することは簡単ではありません。

業務の混乱を避けるためには、優先順位をつけて、スモールスタートで対応を進めることが重要になります。

「電子取引の電子データ保存」のようにすでに法律で義務化されている対応を優先しながら、その後で「スキャナ保存」を進めるなど、適切に計画を策定しましょう。

 

 

3.システムを選定・導入

電子帳簿保存法に対応するためには、専用のITシステム・ツールを活用しましょう。

システムやツールは、「電子帳簿保存法の要件を満たしているかどうか」はもちろん、次のような点も踏まえて選択することが大切です。

  • 必要な機能はあるか
  • 使いやすさ
  • 連携性
  • スマホ対応
  • サポート体制
  • セキュリティ体制 など

システムやツールに対する自社ニーズを明確にしてから選定を始めましょう。

導入にあたってはIT導入補助金などの補助金・助成金を利用できる場合があります。

選定時には、補助金・助成金利用についても検討しましょう。

 

 

4.ルール策定・社員教育

システムを導入したら、書類とシステムの取り扱いについてルールを策定し、マニュアルを作成します。

このルールとマニュアルをもとに社員教育も行い、誰もが正しく書類を扱える体制を整えます。

 

 

5.運用を開始

ここまでの用意が整ったら、実際の運用に入ります。

運用後は従業員からの要望を聞き、必要に応じて問題の改善を行い、より良い体制を整備していきます。

 

 

電子帳簿保存法が建設業に与える影響とメリット

他業種と同様に、建設業でも電子帳簿保存法への対応は必要です。

既存業務の変更は負担にはなりますが、法律への対応で次のメリットがあります。

  • 印紙税やタイムスタンプが不要
  • ペーパーレス化によるコストカット
  • データ管理の効率化
  • テレワークやBCP対策に効果的
  • 業務効率化・DX・働き方改革の実現

 

印紙税やタイムスタンプが不要

紙の契約書には、取引額に応じた印紙を貼る必要があります。

建設業の場合、取引額が大きくなるケースが多いため、この印紙代も高くなり、事業者の負担となっていました。

電子帳簿保存法にもとづき契約を紙から電子に変えれば、印紙の貼付は不要に。

また、書類のスキャナ保存は、従来タイムスタンプを押すよう定められていました。

今回の法改正によって、履歴が残るシステムを利用する場合には、タイムスタンプは不要に。

事業者は、タイムスタンプの押印にかかっていた手間も削減することができます。

 

ペーパーレス化によるコストカット

データを電子保存するようになれば、紙への出力は不要に。
紙代やインク代などの印刷費用をカットすることが可能です。

また、データ化された書類は場所を取らず、パソコンで一括管理することができます。紙の書類や資料のように、ファイルに綴っての管理や大きな保管スペースは不要です

そのため、従来の書類管理にかかっていた人件費や場所代を削減にもつながります。

 

データ管理の効率化

膨大な紙の書類から目当ての書類を探すには、かなりの手間と時間がかかります。

書類データが電子化されていれば、目当てのデータを検索して探すことが可能です。

データ管理の手間が削減されれば、業務効率も向上するでしょう。

 

テレワークやBCP対策に効果的

電子帳簿保存法への対応は、テレワークBCP対策にも効果的。

電子化されている場合、ネットワーク環境とデバイスさえあれば、従業員はどこからでもデータにアクセスし、業務を進めることができます。

万が一の災害によって会社に出勤できなくても、業務を続けることが可能。バックアップによって書類の紛失も避けることができます。

 

業務効率化・DX・働き方改革の実現

ここまでご紹介したメリットからもわかるように、電子帳簿保存法への対応は業務効率化に効果的。

建設会社におけるDXを進める一歩にもなります。

建設業界は人手不足が深刻で、さらに近年では働き方改革が進み残業時間の規制も厳しくなっていますが、業務効率化・DXが進めば、人手不足を解消し、労働時間を削減することも可能になると考えられます。

 

電子帳簿保存法は建設業への影響大!
ソフト利用で速やかな対応を

電子帳簿保存法とは、書類や帳簿の電子データ保存のルールを定めた法律

この法律の内容は、電子取引データの保存義務化事前承認の撤廃など、2022年、そして2024年に大きく改正されました。

2024年からは、猶予期間が終了し、電子データ保存が完全義務化されています。

 

電子帳簿保存法の対象書類は決算書類や国税関係書類、各種取引書類など多岐に渡りますが、必ず要件を満たした方法で保存するようにしましょう。

 

アークシステムが提供する「楽王シリーズ」は、電子帳簿保存法にも対応する積算見積ソフトです。
複雑で工数のかかる積算見積作業が楽になるだけでなく、電子帳簿保存法にも対応しやすくなるでしょう。

法改正のこのタイミングで、業務効率化をサポートする「楽王シリーズ」の導入もぜひご検討ください。

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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