こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
1998年に施行され、2022年に大きく改正された「電子帳簿保存法」。
この法律は、建設業にも深く関わるものです。
電子帳簿保存法に違反した場合には、ペナルティの可能性があります。
そのため、事業者はこの法律の内容についてしっかり把握し、事務処理に反映させなければなりません。
そこで今回は、電子帳簿保存法について詳しく解説します。
すでに改正法に対応している事業者の方も、内容の再確認にお役立てください。
目次
建設業も要対応!電子帳簿保存法とは?
電子帳簿保存法とは、事業者による書類のデータ保存に関する法律のこと。
事業者には、各種税法によって書類や帳簿の保存が義務付けられていますが、この法律ではこれらを電子データで保存するにあたってのルールが定められています。
この法律は1998年に施行されたものですが、2022年1月に大きな改正がありました。
2023年12月までがこの改正に対する猶予期間となっており、2023年5月現在、事業者には早期の対応が求められています。
電子帳簿保存法の3つの保存区分
電子帳簿保存法についてまず知っておきたいのが、この法律では以下の3つの保存区分が設定されているということです。
①電子帳簿等保存
電子データとして作成した帳簿や書類をデータのままで保存すること
②スキャナ保存
取引先から受け取った紙の書類をスキャニングしてデータで保存すること(請求書や領収書など)
③電子取引データ保存
電子データとして受け取った書類をデータのままで保存すること(請求書や領収書など)
上記に当てはまる書類については、事業者は電子データとして保存しなければなりません。
区分ごとに対象となる書類が異なるので注意しましょう。
対象書類については、後ほど詳しく解説します。
2022年の改正のポイント
電子帳簿保存法は、2022年1月より改正法が施行されました。
この改正のポイントは以下の4つです。
- 電子取引における電子データの保存が義務化
- 特例のための事前承認制度の廃止
- タイムスタンプ要件の緩和
- 検索要件の緩和
各ポイントについて詳しく見ていきましょう。
1.電子取引における電子データの保存が義務化
2022年改正法の大きなポイントとなるのが、「電子取引における電子データの保存が義務化されたこと」です。
これまで、電子取引のデータはプリントアウトして紙の状態で保存することが認められていました。
しかし、法改正によりプリントアウトした紙での保存は不可となり、今後電子取引のデータは電子データのまま保存することが義務となります。
ただし、2023年12月末までの取引については、紙での保存が可能。
これは、電子データ保存への即座の対応が難しい事業者に向けて設定された猶予期間です。
2.特例のための事前承認制度の廃止
従来の電子帳簿保存法では、事業者が電子帳簿等保存やスキャナ保存を希望する場合には、まず税務署から事前承認を得なければなりませんでした。
しかし、2022年の法改正によりこの事前承認は不要になり、事業者は電子帳簿保存に対応しやすくなりました。
3.タイムスタンプ要件の緩和
スキャナ保存におけるタイムスタンプ要件が緩和されたことも、大きな改正点の一つです。
これまでは、紙の書類をスキャナ保存する場合、受領後速やかにデータ化し、3日以内にタイムスタンプを付与して保存する必要がありました。
しかし、今回の法改正により保存までの期間は最長2カ月+7営業日以内となり、要件が緩和されています。
また、訂正・削除履歴が残るクラウドシステムにデータを保存する場合であれば、タイムスタンプの付与も不要に。
これにより、事業者による事務処理の負担軽減が見込まれます。
4.検索要件の緩和
電子データの保存については、「可視性の確保」のため検索要件が定められています。
今回の法改正では、この検索要件も緩和され、記録項目は「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3つとなりました。
電子帳簿保存法はインボイス制度にも関係あり
日本では、2023年10月からインボイス制度の導入が予定されています。
これは適格請求書の保存により仕入れ消費税額を控除し、消費税の二重課税を改善する制度です。
インボイス制度では、電子帳簿保存法の要件さえ満たせば、国税関係書類を電子データとして保存することが可能です。
インボイス制度と電子帳簿保存法の両方に対応するシステムを利用すれば、適格請求書の電子データ保存は比較的簡単に行えるでしょう。
インボイス制度については、「インボイス制度が建設業に与える影響とは?知っておくべき注意点も」で詳しくご紹介しています。
建設業で電子帳簿保存法の対象となる書類
電子帳簿保存法の対象となる書類を「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3つに分けて確認していきましょう。
【電子帳簿等保存における対象書類】
- 国税関係の帳簿(総勘定元帳、仕訳帳、売掛・買掛帳など)
- 決算書類(賃貸対照表、損益計算書、棚卸表など)
- 取引関係書類(注文書、見積書、請求書、契約書、領収書など)
【スキャナ保存における対象書類】
- 注文書
- 見積書
- 契約書
- 納品書
- 請求書
- 領収書
- 検収書 など
※それぞれ取引先から紙で受け取った書類
【電子取引における対象書類】
- 注文書
- 見積書
- 契約書
- 納品書
- 請求書
- 領収書
- 検収書 など
※それぞれ電子データ(電子メール・クラウドサービス・ EDIなど)でやり取りを行なった書類
書類の種類は多いですが、決算や国税に関する書類および取引先とやり取りする書類は、基本的に電子帳簿保存法の対象だと考えると良いでしょう。
電子データ保存の要件
電子帳簿保存法では、データの「真実性」と「可視性」を確保するため、電子データの保存方法についての以下の要件が定められています。
【真実性の確保のための要件】
- 訂正・削除履歴の確保
- 相互関連性の確保
- 関係書類などの備付け
【可視性の確保のための要件】
- 見読可能性の確保
- 検索機能の確保
事業者は、書類のデータ保存にあたって上記の要件を満たさなければなりません。
各要件の詳細については、国税庁「電子帳簿保存時の要件」をご確認ください。
要件を満たした電子データ保存を行うには、電子帳簿保存法に対応したソフトやシステムを利用するのがおすすめです。
「電子帳簿保存法対応」のソフトでは、国税庁の要件を満たした方法でのデータ保存機能が備わっており、ソフトの導入をすることで、改正法に対応することができます。
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電子帳簿保存法が建設業に与える影響とメリット
他業種と同様に、建設業でも電子帳簿保存法への対応は必要です。
既存業務の変更を手間に感じる方も多いかもしれませんが、この法律に対応することによって、建設事業者は次のようなメリットを得ることができます。
- 印紙税やタイムスタンプが不要
- ペーパーレス化によるコストカット
- データ管理の効率化
- テレワークやBCP対策に効果的
各メリットについて詳しくご説明します。
印紙税やタイムスタンプが不要
紙の契約書には、取引額に応じた印紙を貼る必要があります。
建設業の場合、取引額が大きくなるケースが多いため、この印紙代も高くなり、事業者の負担となっていました。
しかし、電子帳簿保存法にもとづき契約を紙から電子に変えれば、印紙の貼付は不要になります。
これにより、建設事業者の税負担は軽減されるでしょう。
また、書類のスキャナ保存については、従来タイムスタンプを押すよう定められていました。
しかし、今回の法改正によって、履歴が残るクラウドシステムを利用する場合には、タイムスタンプは不要に。
事業者は、これまでタイムスタンプの押印にかかっていた手間も削減することができます。
ペーパーレス化によるコストカット
データを電子保存するようになれば、紙への出力は不要になります。
よって、紙代やインク代などの印刷費用をカットすることが可能です。
また、データ化された書類は場所を取らず、パソコンで一括管理することができます。
紙の書類や資料のように、ファイルに綴って管理したり大きな保管スペースが必要になったりすることはありません。
そのため、従来の書類管理にかかっていた人件費や場所代を削減することにもつながります。
ペーパーレス化のメリットについては、「建設業界でペーパーレス化が必要な理由は?メリットや具体策も紹介!」でも詳しく解説しています。
データ管理の効率化
膨大な紙の書類から目当ての書類を探すには、かなりの手間と時間がかかります。
しかし、書類データが電子化されていれば、検索をかけるだけですぐに目当てのデータを探し出すことが可能です。
これによりデータ管理の手間が削減されれば、業務効率も向上するでしょう。
テレワークやBCP対策に効果的
電子帳簿保存法への対応は、テレワークやBCP対策※にも効果的です。
データが電子化されている場合、ネットワーク環境とデバイスさえあれば、従業員はどこからでもデータにアクセスし、業務を進めることができます。
また、万が一の災害によって会社に出勤できなくなっても、離れたところから業務を続けることが可能。
バックアップによって書類の紛失も避けることができます。
※ BCP対策とは
災害発生時に事業の被害を最小限に抑えながら、早期の復旧と事業存続を実現するための対策のこと
電子帳簿保存法は建設業への影響大!ソフト利用で速やかな対応を
電子帳簿保存法とは、書類や帳簿の電子データ保存のルールを定めた法律です。
この法律の内容は、電子取引データの保存義務化や事前承認の撤廃など、2022年に大きく改正されました。
猶予期間中である2023年5月現在、事業者には、この改正への速やかな対応が求められています。
電子帳簿保存法の対象書類は決算書類や国税関係書類、各種取引書類など多岐に渡りますが、必ず要件を満たした方法で保存するようにしましょう。
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