こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
建設業界において、省エネルギー対策は年々重要性を増しています。
そのなかで注目されるのが、「エネルギー管理士」という国家資格です。
エネルギー管理士は、大規模な工場やビルの省エネルギー化を推進するスペシャリストとして、高い需要があります。
しかし、その資格取得の難易度はどの程度なのか、気になる方も多いでしょう。
そこで今回は、エネルギー管理士の概要から取得メリット、試験の難易度、合格率などについて詳しく解説します。
資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
エネルギー管理士とは?
エネルギー管理士は、省エネ法に基づき定められた国家資格です。
2005年度の省エネ法改正により、かつて別々に存在していた「電気管理士」と「熱管理士」が一本化され、現在のエネルギー管理士となりました。
この省エネ法改正前の電気管理士、熱管理士資格(免状)保有者は、エネルギー管理士試験の「エネルギー総合管理および法規」の科目を受験し合格することで現行制度のエネルギー管理士となることができます。
近年の省エネ法改正の影響については、「省エネ基準適合義務化とは?2025年実施の法改正を解説」でご説明しています。
活躍の場は多岐にわたり、製造業や鉱業のほか電気やガスに関わる業界でも重宝される資格です。
近年では、太陽光発電を中心にさまざまな発電設備の開発が進んでいることから、電気設備業界などでのエネルギー管理士の需要も増加傾向にあります。
また、大規模な商業施設やオフィスビルなどの省エネ対策の専門家として、エネルギー管理士が活躍するケースが増えています。
資格取得のメリット
エネルギー管理士に限りませんが、資格を取得することで就職や転職の際に高く評価されたり、待遇面でプラスになったりというメリットがあります。
そのほか、エネルギー管理士の資格を取得するメリットとしては、以下の点が挙げられます。
将来性のある分野である
環境問題への関心の高まりとともに、企業における省エネの取り組みはさらに推進されていく傾向にあります。
そのため、エネルギー管理士の重要性は今後も高まると考えられます。
法律で定められた役割がある
エネルギー管理者は、省エネ法において施設内のエネルギー消費設備の維持、エネルギー使用の方法の改善および監視などを行うことが法的に規定されています。
たとえば、「第一種エネルギー管理指定工場※」に指定される工場では、エネルギー使用量に応じて1〜4人のエネルギー管理者(エネルギー管理士の有資格者)を選任することが義務付けられています。
※年間の原油換算エネルギー使用量が3,000kl以上で、主に製造業等5業種(鉱業・製造業・電気・ガス・熱供給業)に該当する工場・事業場
エネルギー管理士試験の難易度は?試験内容と合格率
エネルギー管理士の資格を取得するには、「国家試験に合格する方法」と「実務経験+研修を受ける方法」の2つのルートがあります。
ここでは、主に国家試験について詳しく見ていきましょう。
資格試験の概要
まずは、エネルギー管理士試験の概要をご紹介します。
- 実施日:年に1回(8月)
- 試験会場:北海道、宮城県、東京都、愛知県、富山県、大阪府、広島県、香川県、福岡県および沖縄県の10カ所
- 受験資格:特になし
エネルギー管理士試験は、誰でも受験することができます。
ただし、免状を取得するためには、エネルギー使用の合理化に関する実務に1年以上従事したことを証明する「エネルギー使用合理化実務従事証明書」を提出する必要があります。
この実務経験は試験合格の前でも後でも構いません。
また、エネルギー使用の合理化に関する実務経験が3年以上ある方は、国家試験を受けなくてもエネルギー管理研修を受講・修了することで免状を取得できます。
研修の修了試験の合格率は55~67%前後となっています。
試験科目
エネルギー管理士試験は、必須基礎区分と専門区分に分かれています。
専門区分は「熱分野」または「電気分野」のいずれかを選択して受験します。
【必須基礎区分(熱・電気共通)】
- 課目I:エネルギー総合管理および法規(試験時間:80分)
【専門区分(熱分野を選択した場合)】
- 課目II:熱と流体の流れの基礎(試験時間:110分)
- 課目III:熱利用設備およびその管理(試験時間:110分)
- 課目IV:燃料と燃焼(試験時間:80分)
【専門区分(電気分野を選択した場合)】
- 課目II:電気設備および機器(試験時間:110分)
- 課目III:電力応用(試験時間:110分)
- 課目IV:電気の基礎(試験時間:80分)
試験形式はマークシート方式の筆記試験で、各課目ごとに60%以上を獲得すれば合格となります。
一部課目だけに合格した場合でも、3年間はその課目の試験が免除されるという制度があります。
なお、熱分野と電気分野のどちらを選択しても、合格後の資格内容に違いはありません。
難易度と合格率
一般財団法人省エネルギーセンターが発表したデータによると、2024年度のエネルギー管理士試験の合格率は約37%です。
過去数年間ではおよそ30%〜37%の間で推移しており、3人に1人が合格する難易度となっています。
国家資格としてのエネルギー管理士は、ビルメンテナンス関連の資格の中では難易度の高い上位資格として位置づけられています。
エネルギー管理士試験の勉強法
エネルギー管理士の資格取得を目指す方に向けて、出題傾向や勉強方法についても簡単にご紹介します。
出題傾向
まずは、熱分野と電気分野に分けて、それぞれの出題傾向について見ていきましょう。
熱分野
熱分野では熱力学や流体力学の基礎知識が必要です。
特に熱力学は重点的な学習が必要といわれています。
燃料と燃焼に関しては暗記と計算パターンの習得が効果的で、熱利用設備はボイラーやタービンなどの設備知識が多く問われる傾向にあります。
電気分野
電気分野においては、電気の基礎ではベクトル図や複素数計算の理解が必要となります。
電気設備および機器では工場配電や電気機器について出題され、電力応用では電動力応用や電気加熱などから幅広く問題が出ます。
電験三種との共通点も多いため、既に資格を持っている方は有利です。
関連資格である電験については、「電気主任技術者試験の難易度とは?電験三種・二種・一種それぞれを解説」をお読みください。
効果的な勉強法
試験全体をカバーできる教材を一冊しっかりと使い込むことが重要です。
広範囲な出題に対応するためには、余裕をもったスケジュールを立てることが大切です。
得意分野や基礎的な内容から段階的に学習を進め、過去問演習で出題傾向を把握しましょう。
また、忙しい社会人であれば、課目合格制度を活用して数年かけて合格を目指す戦略も有効です。
独学に不安がある場合は通信講座の活用も検討しましょう。
エネルギー管理士の難易度や合格率を知って試験に備えよう
エネルギー管理士は、大規模な工場やビルの省エネルギー化を推進するための重要な国家資格です。
試験の合格率は約30%〜37%程度で推移しており、専門的な知識が求められるため、しっかりとした対策が必要です。
試験は必須基礎区分と、熱分野または電気分野の専門区分から成り、各課目で60%以上の得点を獲得することが合格条件となります。
また、課目合格制度を利用して年度を跨いで取得を目指すことも可能です。
合格を目指すには、余裕をもったスケジュールを立てることが大切。
段階的に学習を進め、過去問演習などから出題傾向を掴みましょう。
エネルギー管理士の資格は、今後も省エネルギー推進の流れが強まる中で、さらに価値が高まることが予想されます。
就職や転職、キャリアアップを考えている方は、ぜひエネルギー管理士の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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