こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
大規模な建物を設計するには、一級建築士の資格が必要です。
難易度が高いといわれる一級建築士ですが、資格を取得すると仕事の範囲が広がり、年収の増加が見込めるなど多くのメリットがあります。
今回は、一級建築士について、二級建築士との違いや、試験の難易度、合格に向けて必要なことなどを紹介していきます。
一級建築士の資格に興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
一級建築士とは?二級建築士との違いも
一級建築士と二級建築士は、設計できる建物の規模や構造などが異なります。
それぞれの違いを確認してみましょう。
設計できる建造物の違い
一級建築士と二級建築士で大きく異なるのは、設計できる建造物の違いです。
一級建築士は、設計する建物の規模や構造に制限がないのに対し、二級建築士は主に戸建ての住宅の設計を想定した資格となっています。
そのため、二級建築士の場合、高さが13m以下、軒高9m以下の建物で、なおかつ鉄筋コンクリートなど木造以外の建物では、延べ面積が300平方メートル以下、木造であれば一部を除き、1,000平方メートル以下の建物しか設計できません。
免許交付元の違い
一級建築士と二級建築士では、免許交付元が異なります。
一級建築士は、国土交通大臣から免許の交付を受ける国家資格なのに対し、二級建築士は、各都道府県知事から免許の交付を受ける国家資格です。
働き方・年収の違い
建築物の規模や構造の制限がない一級建築士は、ハウスメーカーや設計事務所のほかに、ゼネコンなどで大規模な建築を手掛けるなど活躍する幅が広いのが特徴です。
二級建築士の場合は、設計できる建物に制限があるため、主に戸建て住宅の設計をすることが多く、ハウスメーカーや工務店が中心となります。
一級建築士の年収は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2019年)で約703万円となっています。
二級建築士の年収については公的な統計がないものの、一般的には350万円〜450万円ほどといわれています。
一級建築士や二級建築士の資格を取得すると、建設業界では必須の業務「積算」のプロフェッショナルである建築積算士の一次試験が免除されます。
建築積算士についてはこちらのコラムで紹介していますので、あわせてご覧ください。
建築積算士の資格について解説!難易度や試験内容、取得のメリットとは
さらに建築積算士の上位資格である建築コスト管理士の資格取得については、こちらのコラムで紹介しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
積算に役立つ建築コスト管理士の資格とは?難易度や試験内容を詳しく確認
一級建築士の難易度
建築士として広い範囲での設計を行うには一級建築士の資格が必要となりますが、資格取得の難易度はどの程度なのでしょうか?
合格率や試験範囲などから難易度を見ていきましょう。
一級建築士の資格試験合格率と受験資格
一級建築士の直近5年間の合格率を見てみると、概ね10%前後となっています。
令和4(2022)年、令和5(2023)年については、どちらも9.9%の合格率でした。
一級建築士の受験資格は以下の通りです。
下記のいずれかを満たす必要があります。
- 大学で指定の科目を履修している
- 二級建築士の資格を保有している
- 建築設備士の資格保有者
- 国土交通大臣が上記と同等と認める者
さらに、一級建築士の免許登録までに2年間の実務経験が必要です。
試験合格前後どちらでもOKとなります。
一級建築士試験の試験範囲
一級建築士の試験は、「学科試験」と「設計製図の試験」に分けて行われ、設計製図の試験は学科試験に合格しなければ受験できません。
学科試験は、学科Ⅰ(計画)、学科Ⅱ(環境・整備)、学科Ⅲ(法規)、学科Ⅳ(構造)、学科Ⅴ(施工)に分かれており、合計6時間30分のテストが行われます。
合格するには全科目合計の合格ラインである合格基準点と、それぞれの科目の合格ラインである科目基準点を両方超える必要があります。
各科目の基準点と試験時間は以下の通りです。
科目 | 科目基準点(2023年) | 試験時間 |
学科Ⅰ(計画 | 11/20 | 2科目で計2時間 |
学科Ⅱ(環境・整備) | 11/20 | |
学科Ⅲ(法規) | 16/30 | 1時間45分 |
学科Ⅳ(構造) | 16/30 | 2科目で計2時間45分 |
学科Ⅴ(施工) | 13/25 |
2023年の試験では、合格基準点は、125点中88点となりました。
設計製図の試験は、あらかじめ発表されている課題に基づき、図面及び記述を完成させる試験です。
試験時間は6時間30分です。
一級建築士が難しいといわれる理由
合格率が10%前後というだけでも難易度が高い一級建築士ですが、難易度が高いといわれるのには次のような理由もあります。
- 1年に一度しか試験がなく、合格までに数年かかる場合が多い
- 学科試験に受からないと設計図面の試験を受けられない
- 法改正により試験内容が変わる
1年に一度しか試験がなく、合格までに数年かかる場合が多い
一級建築士の試験は1年に一度のみです。
さらに、学科試験と設計図面の試験がそれぞれあるため、1年で両方合格するには、かなりの努力が必要となります。
まずは、学科試験を突破することに専念するなど、目標を決めて対策することが重要です。
学科試験に受からないと設計図面の試験を受けられない
一級建築士試験は、学科試験に合格しないと設計製図の試験を受けられません。
学科試験は例年7月に行われ、設計製図の試験は10月に行われます。
学科試験に合格していれば、翌年から4年間のうち2回分は学科試験が免除となりますので、この期間で合格できるように対策することが大切です。
法改正により試験内容が変わる
一級建築士試験は、建築基準法などの法改正により試験内容が変わることがあります。
例えば、2023年4月1日の改正では、「採光規定」が見直されています。
これにより、2023年4月以降は、窓の小さい部屋でも一定の条件を満たせば居室と認められることになりました。
このように定期的に建築基準法は改正されるため、その都度知識を取り込んでいかなければなりません。
一級建築士合格に向けて必要なこと
一級建築士試験に合格するためには、長期間に渡ってスケジュールを立てて準備することが重要です。
自分で計画を立ててモチベーションを保ちながら勉強が続けられる方は、独学での合格も不可能ではありません。
しかしながら、一緒に勉強する仲間や、準備やスケジュールについて相談できる人がほしいという方、短期間での合格を目指したい方は、資格学校に通うことも検討しましょう。
また、基本的なことですが、試験合格のためには、次のようなことも意識しましょう。
- 移動などのスキマ時間もアプリや動画などを使って有効活用する
- 睡眠時間はしっかり確保する
- まずは学科試験の合格に向けて集中する
一級建築士は、学科試験に合格しなければ製図試験を受けることができません。
学科試験の後に控える設計製図の試験の対策も大切ですが、まずは学科試験の合格を第一に勉強を進めるのが良いでしょう。
一級建築士合格は、仕事の範囲が広がり、年収も上がる可能性が高いなどメリットも大きい資格。
合格後の状況を想像してモチベーションを高めることが大切です。
難易度が高い一級建築士。十分に準備して資格取得を目指そう
一級建築士は二級建築士に比べて難易度が高く、合格率は10%前後と難しい試験ですが、資格を取得できれば仕事の幅が大きく広がります。
ゼネコンなどで大規模な建築に携わることも可能で、収入も高い傾向にあるため、非常に魅力のある国家資格です。
学科試験に合格した上で設計製図の試験に受からなくてはならないため、広い範囲での試験勉強が必要になります。
合格までに数年を要する人も少なくないため、モチベーションを維持しながら、合格するまで努力し続けることが必要でしょう。
アークシステムは、ITツールを通して、建設業に携わる方の業務をサポート。
建設業で特に手間のかかる拾い出し・積算見積をサポートする「楽王シリーズ」を提供しています。
「楽王シリーズ」は、面倒で複雑な拾い出し・積算見積をぐっと楽にし、作業を正確・スピーディに改善します。
パッケージ版の他、手軽に導入できるサブスクリプション版の用意もございます。
非効率な拾い出し・積算見積作業にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
図面の拾い出しには、月額たったの¥3,800から使える 「ヒロイくんⅢ」もご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください!
★製品デモや資料請求はこちらから→「製品サイトお問い合わせフォーム」
★お電話でのお問い合わせはこちらから→045-451-5121045-451-5121