こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
建物を造る際に準備するさまざまな図面の中で、最も基本となるものの一つに「配置図」があります。
今回は「配置図」がどのようなものか知りたいと考える方に向けて、配置図の概要に加え、配置図の見方や書き方も詳しく解説します。
配置図に用いられる代表的な記号についても説明しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
配置図とは?
まずは、配置図の概要や作成目的、内容について解説します。
配置図とは「建物の位置関係を表示した図面」
「配置図」は、敷地や建物を上から見た状態を表示した図面です。
建物の設計段階で作成される重要な図面で、一般的に1/100、もしくは1/200の縮尺で書かれます。
敷地とその周辺を上から俯瞰した状態で表し、隣地や道路からの寸法、方位などの詳細な情報が記載されます。
配置図を読むことによって、隣地との境界線がどのような状態になっているか、道路の幅はどのぐらいあるか、など敷地周辺の様子についても把握できるでしょう。
なお、設計段階で作成される図面に関しては「設計図書とは?種類や基準、保存期間を確認!積算時にも必要?」でも詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
配置図を作成する目的
配置図の作成には、次のような目的があります。
- 建物の配置確定
- 敷地周辺状況の把握
- 建物の外構回りの検討
- 建物のインフラ経路の検討
建物の配置を確定することで、敷地内に収める外構やインフラの配置も検討できるようになります。
配置図に書かれる内容
配置図にはさまざまな情報が表記されます。
具体的には次のような内容です。
- 敷地の形状
- 敷地と道路の位置関係
- 敷地と建物の位置関係
- 方位
- 隣地の境界や境界線部分の情報
- 大まかな外構計画
- 敷地内、道路や隣地との高低差
- 排水管・止水栓などの位置と計画
敷地の形状や道路との位置関係、方位などが表記されているので、建物の配置や駐車場など外構計画を明確化するのにも役立ちます。
これにより、建設計画の具体化や実施がスムーズに進むでしょう。
配置図の見方
配置図にはさまざまな情報が記載されるため、分かりやすく表現するために共通の記号や凡例、専門用語などが用いられます。
ここからは、配置図の見方について詳しく解説します。
配置図の主な要素
配置図から読み取れる主な要素は、次のようなものです。
- 方位
- GL(グランドライン)
- BM(ベンチマーク)
- 境界線
- 排水計画
それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。
方位
シンプルな矢印状の形などを用いて、北の方角を示します。
配置図の余白部分に大きく記載されるのが一般的です。
方位は建物の配置を確定するために、非常に重要な要素です。
日当たりや風通し、景観などの計画にも大きく影響を与えるため、一目で見て分かるように記載されます。
GL(グランドライン)
GL(グランドライン)は、建物が建つ地盤面の高さを表す数値です。
GLをどこにするかによって、敷地内の勾配や雨水処理に大きく影響するため、全体のバランスを考慮して決める必要があります。
BM(ベンチマーク)
BM(ベンチマーク)は高さの基準点を指します。
電柱やマンホールなど、工事完了まで動くことのない既存の工作物をBMとし「BM±0」と表記します。
境界線
境界線にあるブロック塀やフェンス、側溝などがそれぞれの記号によって表示されるため、境界線がどのような状態になっているかを読み取れます。
排水計画
水道メーターや止水栓、給排水管などの給排水計画に関する情報も読み取れます。
給排水に関する設備は設置位置が変更できないものもあります。
そのため、その位置によって建物や外構の計画に大きく影響する要素です。
配置図に使われる代表的な記号
ここからは配置図に使われる代表的な記号について、いくつかピックアップしてご紹介します。
配置図の書き方
配置図に記載する内容は、誰が見ても分かるようにするため、一定のルールに従って記載することが必要となります。
中でも最も重要なことは、実際の現場を調査・測定した結果を、正確に配置図に反映させることです。
ここからは、実際に図面を書くまでの準備も含めた、配置図を書く手順について解説します。
現地調査・現場寸法測定
配置図を書く前に必要なのが、現地での調査と寸法の測定です。
敷地内の高低差や敷地の正確な寸法を計測します。
敷地内にある工作物や隣地、道路との境界線部分の状態などの情報についても、調査する必要があるでしょう。
これらの情報は、建物の配置や向きに大きく影響するため、正確な測定と調査が重要です。
図面の縮尺決定
現地での調査が完了したら、図面の縮尺を決定します。
国土交通省のガイドラインでは、1/100または1/200を基本に、1/300、1/500、1/600も使用可能としています。
どの縮尺を使うかは、配置図に記載する内容によって決定します。
記載するべき情報が多いほど、縮尺を大きくして見やすく表示する必要があるからです。
建物の配置
縮尺が決定したら建物を配置します。
建物は工事開始後の変更ができないため、正確に記載する必要があります。
敷地境界線や道路境界線など、基準となる地点からの寸法を正確に記載しましょう。
建物は、壁の厚みの中心部分を基準線として外形を表現します。
なお、現地調査で分かった、動かせない工作物に干渉しないことを確認しながら配置することも重要です。
外構計画・その他構造物の配置
建物の配置が完了したら、外構やその他の構造物を配置します。
敷地境界に設置する必要があるブロックや水路があれば記載します。
駐車場など、外構で設置する場所が決まっているものがあれば、それも記載しましょう。
なお、外構に関しての詳細は「外構図」で示されます。
外構図に関しては「外構図とは?役割や見方をチェック!」のコラムで詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
記号・凡例の表記
建物やその他の構造物の配置が完了したら、ルールに従って記号や凡例を表示します。
北が図面の上側にくるよう配置図を調整するのが一般的です。
凡例には「雨水桝」「排水桝」「BM」の記号などを、見て分かるよう表にまとめます。
敷地の概要や建ぺい率などが記載されることもあります。
図枠作成・最終チェック
全ての情報を記載し終わったら、図面の周りに枠を付けて完成です。
枠には、作成した会社名や日付、縮尺など、図面に関する補助的な内容を記載します。
図枠も完成したら、最終的にミスがないか確認しましょう。
配置図とは設計段階での重要な図面
配置図は、敷地やその周辺を上から見た状態を表した図面です。
建物の配置について、隣地や道路の境界線からの寸法を含めて正確に記載し、敷地内での位置関係を明確にした最も基本的な図面です。
配置図によって敷地全体の計画が明確になる点からも、非常に重要な図面の一つといえるでしょう。
配置図は、縮尺など国土交通省のガイドラインによってルールが決められている部分があります。
設計段階における重要な図面ですので、ルールに従って記載されたミスのない正確な図面であることが求められます。
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