こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
建設工事では、初期段階における見積として、概算工事費を提示します。
概算工事費とは、工事費の大体の見積のこと。
これは、発注者のニーズに合った工事をスムーズに進めるために、重要な作業です。
では、概算工事費とは具体的にどのようなもので、どのように算出するのでしょうか。
今回は、概算工事費とは何なのか、またその算出方法や積算との違いについて詳しく解説します。
目次
概算工事費とは?
建設工事においては、「費用」がひとつの判断基準になります。
費用感がわからないまま、施工を進めたり契約を結んだりすることはまずありません。
とはいえ、初期段階では詳細な資料が揃わず、明確な費用見積を出すのは困難でもあります。
そこで行われるのが「概算」。
つまり、おおよその見積です。
建設工事の実施にあたっては、受注業者は初期段階で工事にかかる「概算工事費」を算出して、発注者に判断を仰ぎます。
建設工事では、実際の工事費と発注者の予算、そして設計スペックという3つのバランスが重要になります。
これらのバランスが悪いと、工事を進めることはできません。
このバランスを調整するためにも、初期段階における概算工事費の提示は、非常に重要な役割を果たします。
概算工事費の構成
概算工事費の科目は、大きく「直接工事費」と「共通費」の2種類から構成され、それらはさらに次のような項目に分類されます。
【直接工事費】
- 直接仮設
- 土工(土工、山留め等)
- 地業(地業・既製杭・場所打ち杭・地盤改良等)
- 躯体(鉄筋・コンクリート・型枠・鉄骨等)
- 外部仕上(外壁・外部開口部・外部雑・屋根等)
- 内部仕上(床・天井・壁・内部開口部・内部雑等)
- 附帯屋(車庫・倉庫・自転車置場等)
- 屋外(工作物・構内舗装・屋外排水・植栽等)
- その他(既存改修・解体・仮設建築物 等)
【共通費】
- 共通仮設費
- 現場管理費
- 一般管理費等
上記各項目については、仮設計図等を基に概算数量、日数および概算金額を算出し、初期段階において概算工事費として提示する必要があります。
概算工事費の算出方法
概算工事費の代表的な算出方法は、次の3つです。
- 坪単価法
- ユニット単価法
- 概算数量法
それぞれどのような算出方法なのかご説明します。
坪単価法
坪単価法とは、工事を行う建築物の「坪単価」もしくは「㎡単価」を決め、それに建築物の「床面積」を掛けることで概算工事費を出す方法です。
㎡単価法と呼ばれることもあります。
この方法では単価設定が重要なポイントとなりますが、この設定は過去の類似企画を基に、物価上昇率を加味して行われます。
坪単価法には、次のような特徴があります。
- プロジェクト初期から概算工事費用を出せる
- 精度が低く、大きな誤差が生まれる可能性がある
坪単価法では、地域や建物の用途、規模、構造などといった建築物の概要さえ決まれば、概算工事費を算出することができます。
設計図や仕様書がまだ完成していなくても、問題はありません。
しかし、その精度は粗く、プロジェクトが進むにつれ、概算で出した金額と実際の費用に大きな乖離(かいり)が生じる恐れがあります。
ユニット単価法
ユニット単価法とは、工事を行う建築物に対して「ユニットごとの単価」を決め、それに「ユニット数」を掛けることで概算工事費を出す方法です。
ここでいうユニットとは、工種のことを指します。
この方法におけるユニットは、建築物の用途によって異なります。
そのため、「ユニットごとの単価」は建築物の用途に応じて、集合住宅なら「住戸ごとの単価」、宿泊施設なら「客室ごとの単価」というように変化します。
プロジェクト初期から概算工事費用を出せる点や、精度が低く大きな誤差が生まれる可能性があるという点は坪単価法と同様です。
概算数量法
概算数量法では、まず建築物を構成する要素から項目を設定し、各項目の単価とその概算数量を掛け合わせます。
そうして項目ごとに出された価格を積み上げていき、最終的に合計することで工事費を出します。
概算数量法には、次のような特徴があります。
- プロジェクトがある程度進んだタイミングで実施できる
- 精度は、実施者の経験や考え方に影響を受ける
概算数量法は、坪単価法やユニット単価法と違い、プロジェクトが進み建築物の詳細がある程度定まった段階で実施できるものです。
その方法は内訳書に項目や数量を計上していくというものですが、この判断には概算実施者の経験や知識、考え方が大きく影響します。
そのため、経験豊富な担当者が実施した場合には精度の高い結果が期待でき、反対に実施者の経験や知識が足りていなければ精度が落ちる可能性があります。
概算と積算の違いは?
建築工事にかかる費用を算出する作業を「積算」と呼びます。
積算では、工事に必要なリソースと数量から費用を割り出し、それを積み上げて合計の工事費を算出し、見積を作成します。
概算と積算は混同されやすいですが、これらは実施する目的やタイミング、精度等の点で大きく異なります。
その違いを確認していきましょう。
概算 | 積算 | |
目的 | プロジェクト予算の確認、確認 | 最終的な予定価格の決定、見積金額の決定 |
タイミング | 設計の詳細がまだ決まっていない段階 | 設計の詳細が決まった段階 |
資料 | 設計図や仕様書は不要 | 設計図や仕様書等の設計図書が必要 |
精度 | 低いものも高いものもある | 高い |
手間 | 比較的少ない | 手間がかかる |
方法 | 複数の方法があり、その特徴は異なる | 必要なリソースの数量と単価から項目別の費用を出し、それを積み上げていく |
このように概算と積算は異なる作業であり、初めに概算を行った後にプロジェクトの詳細が決まり、その後に積算を行うという流れが基本になります。
大まかな価格を出す概算は比較的簡単に行えますが、最終的な価格を決める積算には精度が求められるため、その作業には手間がかかります。
積算の流れや、積算に必要な設計図書については、下記のコラムもご参考ください。
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概算工事費とは初期段階で提示する大まかな工事費用
概算工事費とは、建築工事を実施するプロジェクトの初期段階で提示する大まかな工事費用のことです。
これは、プロジェクトの予算や費用バランスを確認するのに重要なもの。
その算出方法には「坪単価法」や「ユニット単価法」、「概算数量法」等複数の方法があり、算出方法によって精度も異なります。
また、概算と似た作業に「積算」がありますが、これはより具体的で精度の高い工事費用を算出するための作業で、建築物の詳細がある程度決まった時点で行われます。
積算は概算に比べ複雑で、作業には手間がかかります。
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