こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
全ての工事現場には、主任技術者を配置する必要があります。
これは、建設企業に課せられた法的義務の一つです。
また、法律では状況ごとに専任技術者や監理技術者の配置も定められています。
では、工事現場に配置しなければならない主任技術者とはどのような役割を担うのでしょうか。
また、専任技術者や監理技術者との違いは何なのでしょうか。
今回は、主任技術者の概要と仕事内容、ほかの技術者との違いについて、わかりやすく解説します。
目次
主任技術者とは
主任技術者とは、建設業法にて、全ての工事現場への配置が義務付けられている技術者のこと。
建設企業は、工事の規模や元請・下請に関わらず、必ず工事の内容に合った資格や経験を有する主任技術者を、工事現場に配置しなければなりません。
主任技術者は、工事の施工計画作成や工程管理、品質管理、安全管理、作業員への指導などを担います。
つまり、適正に工事を実施するために工事現場の管理・監督を行うのが、主任技術者の役割です。
主任技術者の配置義務
既に触れたとおり、主任技術者には法的な配置義務があります。
建設業法 第26条では「所定の資格・経験を有し、工事現場での施工の技術上の管理を司る主任技術者を置かなければならない」旨が定められています。
この法律に違反し工事現場に主任技術者を置かなかった場合、100万円以下の罰金を課せられる可能性があります。
主任技術者になるための要件
主任技術者になるためには、次の3つの条件のいずれかを満たす必要があります。
- 指定の1級または2級の国家資格を有している
- 指定の学歴・実務経験を有している
- 指定の登録基幹技能者講習を受講している
3つの条件について詳しくご説明します。
1.指定の1級または2級の国家資格を有している
建築士や建築施工管理技士、土木施工管理技士など、指定の国家資格の1級または2級を取得している者は、主任技術者になることができます。
ただし、認められる資格の種類は、許可を受けようとする建設業の種類に合ったもののみ。
主任技術者になることが認められている建設業系国家資格は29種類存在します。
主任技術者になり得る国家資格一覧は、国土交通省「建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者」からご確認ください。
2.指定の学歴・実務経験を有している
指定の学歴と実務経験を有している者も、主任技術者になることができます。
学歴と実務経験の要件は以下のとおりです。
- 大学・短期大学・高等専門学校・専門学校(専門士または高度専門士)の指定学科を卒業した場合:実務経験3年
- 高等学校・専門学校(専門士または高度専門士以外)の指定学科を卒業した場合:実務経験5年
- 指定学科以外:実務経験10年
指定学科の詳細については、国土交通省「建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者」からご確認ください。
3.指定の登録基幹技能者講習を受講している
許可を受けようとする建設業の種類に合った登録基幹技能者講習を受講した者も、主任技術者になることができます。
ただし、この講習を受けるためには、次の要件を満たさなければなりません。
- 当該基幹技能者の職種で10年以上の実務経験があること
- 3年以上の職長経験があること
- 実施機関で定めている資格等を保有していること
登録基幹技能者講習の種類については、国土交通省「登録基幹技能者の主任技術者の要件への認定について」をご覧ください。
主任技術者の雇用関係に関する要件
主任技術者になるための要件は、前述の資格や学歴、実務経験だけではありません。
主任技術者と工事を請け負った建設企業との間に「直接的・恒常的な雇用関係があること」も要件の一つです。
そのため、直接的な雇用関係がない派遣社員や恒常的な雇用関係がない短期労働者を主任技術者に選任することはできません。
主任技術者の選任にあたっては、雇用関係の要件にも注意しましょう。
主任技術者の業務内容
主任技術者が担うのは、工事を適正に行うための次の業務です。
- 施工計画の作成
- 工程管理
- 品質管理
- 技術的指導
- 関係者との調整
ここからは、各業務の内容を詳しくみていきましょう。
施工計画の作成
主任技術者は、工事の施工計画の作成を担います。
元請企業の主任技術者の場合、全体の施工計画を作成し、下請企業が作成した施工要領書の確認を行います。
下請企業の主任技術者であれば、元請企業が作成した施工計画を確認し、それをもとに自社で請け負う工事の施工要領書を作成します。
工程管理
事前に作成した施工計画どおりに作業が進むよう作業工程を管理するのが工程管理と呼ばれる業務です。
主任技術者は、随時工事の進捗を確認し、必要に応じてスケジュールの調整を行います。
また、元請企業が開く工程会議に参加したり、工事のコスト管理をしたりすることもあります。
品質管理
品質管理とは、工事で建てる建築物の品質を維持するために行う管理業務のこと。
建築物が事前に定められた品質基準を満たしているか現場で直接見て確認し、必要に応じて指導を行います。
技術的指導
主任技術者は、現場の作業員に対して技術的指導を行うこともあります。
元請企業の主任技術者であれば、下請企業の作業員も技術的指導の対象になります。
また、現場作業員の配置など法律や規則が適切に守られているかも確認します。
関係者との調整
主任技術者には、発注者や元請・下請企業の担当者など、作業員以外の工事関係者ともコミュニケーションを取りながら、問題なく工事が進むよう調整する役割もあります。
専任技術者・監理技術者との違い
主任技術者と混同されやすいものに、「専任技術者」や「監理技術者」があります。
ここでは、主任技術者とこれらの技術者の違いについてみていきましょう。
主任技術者と専任技術者の違い
専任技術者は、建設業許可を受けるための要件として、建設業者に各営業所への設置が義務付けられている技術者です。
専任技術者は営業所に常駐し、工事の請負契約の確認・締結や契約通りに工事を進めるための現場のサポートなどを行います。
工事現場に出ることは基本的にはありません。
主任技術者と専任技術者は、名前が似ており法的な配置義務もあるものの、全く異なる役割を担います。
専任技術者については、「専任技術者とは?仕事内容や要件、必要な資格と実務経験も解説!」でも詳しくご説明しています。
主任技術者と監理技術者の違い
「全ての工事に主任技術者を配置しなければならない」ことは、既にご紹介しました。
しかし、一定の条件を満たす工事については、現場には主任技術者に代わり、監理技術者を配置することが義務付けられています。
ここでいう一定の条件とは、「元請として4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上を下請契約して施工する場合」のこと。
このような工事については、主任技術者ではなく監理技術者を工事現場に配置しなければなりません。
つまり、主任技術者と監理技術者の違いは、工事現場における配置条件にあるといえるでしょう。
また、主任技術者と監理技術者には資格要件にも違いがあり、監理技術者のほうが要件は厳しくなっています。
監理技術者については、「監理技術者とは?資格や業務、専任・主任技術者との違い」でも詳しくご説明しています。
主任技術者とは法的配置義務がある工事現場の管理・監督職のこと
主任技術者とは、建設業法にて、規模や元請・下請に関わらず、全ての工事現場への配置が義務付けられている技術者のことです。
国家資格の取得や学歴、実務経験、講習受講など、一定の要件を満たした者のみが、主任技術者になることができます。
主任技術者の仕事は、工事を適正に実施するための工事現場の管理・監督です。
具体的には、施工計画の作成や工程管理、品質・安全管理などを担い、作業員への指導や関係者との調整も行います。
工事における主任技術者と専任技術者は混同されやすいですが、異なる役割を担います。
また、規模が大きく一定の条件を満たす元請工事については、主任技術者に代わって監理技術者を配置しなければならない点にも注意しましょう。
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