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積算の基礎知識

2024.11.18

プロット図とは?施工図との違いや種類・作成の注意点も解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

正確に建設工事を進めるために、プロット図は重要な役割を果たします。

 

プロット図とは、設計図書のあらゆる情報が一元化された図面のこと。

工事の施工前の最終確認には、この図面が欠かせません。

 

では、建設現場において、プロット図は具体的にどのように用いられているのでしょうか。

今回は、建設工事のプロット図に着目し、その役割と作成手順、作成時の注意点をわかりやすく解説します。

図面

プロット図とは?施工図との違いも解説

プロット図とは、構造・意匠・設備といった設計図書の情報を一元的にまとめた図面のこと

総合図とも呼ばれます。

 

全ての情報を一つの図面に記したこの図面は、各工事の相互関係や部材の納まり、使い勝手、設備の位置などを確認・共有し、工事品質を確保するために用いられるものです。

 

特に、空調設備や電気設備、衛生設備などの施工にあたって、各種設備の配置を調整するために、プロット図は重要な役割を果たしています。

 

プロット図は、各種工事の施工前の最終確認に使用されます。

万が一プロット図にミスがあった場合、施工開始後にやり直しが生じる可能性があるため、プロット図の作成には高い正確性が必要となります。

 

プロット図の基となる設計図書については、「設計図書とは?種類や基準、保存期間を確認!積算時にも必要?」をぜひお読みください。

 

プロット図の種類

プロット図は、次の3つの種類に分類されます。

  • 天井プロット図
  • 壁・床プロット図
  • 展開プロット図

 

各種プロット図の概要は、次のとおりです。

 

天井プロット図

建築物の天井面に設置するものの配置を記した図面のこと。

 

具体的には、照明器具や火災報知器、人感センサー、コンセント、空調の制気口などを記入します。

 

壁・床プロット図

建築物の壁や床に設置するものの配置を記した図面のこと。

 

具体的には、コンセント、照明スイッチ、電話・インターネット回線、分電盤、空調設備、衛生設備などを記入します。

 

展開プロット図

高さや位置など、壁に設置するものに関する詳細を示した図面のこと。

壁の総合図とも呼ばれます。

 

プロット図に用いられる記号

プロット図によく用いられる記号の中から、代表的なものをいくつかピックアップしてご紹介します。

 

【照明の記号】

【照明の記号】

【スイッチの記号】

スイッチの記号

【コンセントの記号】

コンセントの記号

 

施工図との違い

施工図とは、工事業者が工事を実際に施工するために用いる作業図面のこと。

正確に工事を進めるため、設計段階の図面には記されていない細かな情報が記されます。

 

一方、プロット図も正確に工事を進めるために作成される点は同じですが、その主な目的は各工事間の取り合いを事前に調整することにあります。

プロット図を用いて事前に取り合いを調整しておかなければ、施工図を用いて施工を進めても、不具合が発生するリスクが高くなります。

 

そのため、工事現場では、プロット図を用いて取り合いを調整した上で、それを基に施工図を作成し、施工に入るという手順が取られています。

 

施工図については、「施工図とは?設計図・竣工図との違いや書き方のポイントを解説」でも詳しくご紹介しています。

 

プロット図の作成手順

プロット図の作成手順

ここからは、プロット図の作成手順を確認していきましょう。

プロット図は、以下の手順で作成されます。

  1. 弱電・強電機器の書き入れ
  2. 各種機器の書き入れ
  3. 調整

 

プロット図の作成にあたっては、各種設計図を基にして、まず弱電機器と強電機器を図面に書き入れていきます。

 

弱電機器は、電話やインターホンなど、主に電気を信号として利用する48V以下の低電圧で動作する機器、強電機器は照明や空調など、​​電気をエネルギーとして利用する48V以上で動作する機器を指します。

 

前章でご紹介したような共通記号を用い、コンセントやスイッチをわかりやすく記入しましょう。

続けて、電気機器や空調機器、衛生機器など、他の機器類を書き入れていきます。

 

もし機器が図面上に納まらない場合には、壁や柱の仕上げ面を大きくしたり前に出したりして面積を増やすことで、全ての機器を納めます。

この調整を「ふかし」と呼びますが、「ふかし」を行う場合には設計者などの確認が必要です。

 

プロット図作成における注意点とは?

プロット図を作成する際に注意すべきポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。

 

最新の設計図書を基に作成する

プロット図は、最新の設計図書を基に作成する必要があります。

多くの場合、設計図書には変更が生じますが、最終決定の設計図書を用いて作図しなければ、正しいプロット図を作ることはできません。

 

古い設計図書からプロット図を作成した場合、各種設備工事の変更が反映されず、施工図や実際の工事にも不具合が生じる恐れがあります。

 

機器を配置すべきでない場所を確認する

プロット図上での機器の配置にあたっては、適切でない場所に配置をしないよう気をつける必要があります。

 

具体的には、次のような場所には機器を配置すべきではありません。

  • 躯体の柱
  • 引き戸の戸袋
  • 外壁の躯体壁 など

 

躯体の柱は、そのほとんどが鉄筋コンクリートです。

そのため、スイッチやコンセントなどの機器を取り付けることはできません。

 

また、機器の配置では引き戸の戸袋部分も避けるべきです。

戸袋に機器があると、扉を開けることができなくなってしまいます。

 

外壁の躯体壁は結露が発生しやすい部分なので、やはり機器の設置は避けたほうが良いでしょう。

どうしても取り付けたい場合には、結露防止ボックスを利用します。

 

取り合いでは電気設備を優先する

照明などの電気設備は、建物の意匠に大きく影響します。

そのため、プロット図内での取り合いでは、なるべく電気設備を優先することが推奨されています。

 

機器の高さを揃える

同じ壁に複数の機器を取り付ける場合には、なるべく高さや機器の間の距離を揃えるようにしましょう。

高さや距離が揃っていることで、統一感が生まれ見栄えが良くなり、利便性も向上します。

 

プロット図とは各工事の取り合いを調整するための図面

プロット図とは、各種設計図書の情報を一元的にまとめた図面のこと。

各工事の相互関係を確認し、設備工事の取り合いや部材の納まりを調整することが、プロット図を作成する目的です。

 

プロット図の作成では、まず弱電・強電機器を、次に他の機器を書き入れ、調整を行います。

 

このとき、必ず最新の設計図を用いるとともに、機器を設置すべきではない部分をよく確認するようにしましょう。

 

また、図面の記入にあたっては、電気設備を優先することや見栄えの良さも意識することが大切です。

 

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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