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積算の基礎知識

2024.11.12

施工図とは?設計図・竣工図との違いや書き方のポイントを解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

建設工事を実施する場合には、まず図面の作成が行われます。

この図面にはさまざまな種類があり、目的によって用いられるものが異なります。

 

施工図と呼ばれる図面もその一つ。

施工図なしに、スムーズな工事は行えません。

 

そこで今回は、施工図に着目し、施工図とは何か、またその重要性や他の図面との違いなどについて、わかりやすく解説します。

模型と図形

施工図とは?

施工図とは、建設工事を行うために施工業者に向けて作成される詳細な作業図面のことです。

設計フェーズの図面にはない情報が記されている点が、施工図の大きな特徴です。

 

建物の寸法や納まり、部材、製品の型式など細かな部分についても記載があり、それをもとに施工業者が工事を進めていきます。

施工に関する具体的な指示がまとめられた図面だと考えると良いでしょう。

 

建設工事では、施工図なしに正確に工事を行うことはできません。

施工図は、実際の建設工事にあたって非常に重要な役割を果たしているといえるでしょう。

 

施工図の作成目的

施工図は、以下の目的で作成されます。

  • 実際の施工の工程やコストについて検証するため
  • 施工業者に具体的な指示を伝えるため

 

施工図には、施工に関する詳しい情報が記載されます。

 

施工業者は、施工図の情報をもとに、施工の工程や品質に問題はないかコストを予算内に収められるかなどを検証することになります。

施工図がないと検証を正確に行うことができず、施工品質や利益を確保することができません。

 

また、建設工事では複数の施工業者と多くの作業員が作業にあたりますが、施工図があれば、全ての人に対し、正確かつ効率的に工事に関する情報を共有することができます。

これも、施工図を作成する理由の一つです。

 

施工図の重要性

施工図は、以下の点でも非常に重要な役割を担っています。

  • 作業の効率化
  • 施工ミスの防止
  • 円滑な情報共有

 

施工図には、細かな寸法や納まりが記されています

それが図面から把握できない場合、寸法などを計るところから作業を始めなければならず、工期が伸びてしまう原因になります。

施工図は、このような手間を削減し、作業を効率化するのに有効です。

 

また、施工図に細かな寸法や納まりが記載されていることで、サイズ間違いや納まりの悪さなどといった施工ミスのリスクを低減できます。

複数の施工業者に対し情報を円滑に共有できることで、工事の際の連携もスムーズになるでしょう。

 

施工図は、スムーズかつ正確に工事を進行するという点で、重要性の高い図面なのです。

 

施工図の種類

施工図は1つの図面ではなく、さまざまな種類の図面を含みます。

その種類と概要についても一覧でみていきましょう。

  • 平面詳細図:建物の内装や家具・設備の配置、扉・窓の位置などを記載した図面
  • 躯体図:建物の基礎や重要な柱・梁、壁、コンクリートの打設位置など、主要構造を記載した図面
  • 断面詳細図:建物の断面で横から見た詳細を記載した図面
  • 天井伏図:天井の高さや下地、仕上げ、設置する設備など、天井面の詳細について記載した図面
  • 配管図:水道や電気、ガスなどの配管経路を記載した図面
  • 割付図:意匠的な施工のため、タイルや石、サイディング、などの正確な位置を記載した図面
  • プロット図:各種設備の位置を確認するため、設計に関する情報を一元的にまとめた図面
  • 外構図:塀や植木、地面の傾斜、排水ルートなど、建物の外にある物や設備の位置を記載した図面

 

このうち、外構図については「外構図とは?役割や見方をチェック!」でも詳しくご説明していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

このように、施工図は種類ごとに記載されている内容が異なります。

従って、工事内容によって使われる図面にも違いがあります

 

施工図と竣工図・設計図の違いとは?

設計図

建設工事で混同されがちな図面には、施工図のほかにも竣工図設計図などがあります。

これらの図面の違いについても確認しておきましょう。

 

竣工図とは

竣工図とは、実際に竣工した建物を図面にしたものです。

 

建設工事では、工事中にさまざまな変更が行われます。

特に配線や配管関連の変更は多く、設計図通りに建物が竣工されることはほとんどありません。

この現場での変更を反映し、実際に出来上がった建物を現したのが竣工図です。

 

建物は、竣工後、定期的なメンテナンスが必要です。

時には、建物の一部をリフォームすることもあるでしょう。

 

竣工図は、将来的なメンテナンスやリフォームにあたって重要な資料として使用されるもの。

メンテナンスやリフォームを担う会社は、竣工図を参考にプランを作成することになります。

 

竣工図については、「竣工図とは?作成の目的や施工図との違いも解説」もぜひご確認ください。

 

設計図とは

設計図とは、完成すべき建物の姿を表した図面のことで、計画段階での図面だともいえます。

 

建設工事にあたって、まず建築士は、施主の意向を反映させながら設計図を作成します。

図面には、間取りや構造、内装、外装、設備などあらゆる情報を書き込みます。

 

設計図は、デザインと施工性を踏まえて作成されますが、このうち特に重視されるのはデザインです。

設計図はデザインの全容を理解するために作成されるものだからです。

 

設計図と混同されやすいものに、設計図書と呼ばれるものがあります。

設計図書は、工事に関する設計図や仕様書全般を指す言葉です。

 

以下のコラムでは、設計図書について解説しています。

設計図書とは?種類や基準、保存期間を確認!積算時にも必要?

 

施工図と竣工図・設計図の違いを解説

施工図と竣工図、設計図は、記載される内容と目的が異なります

 

施工図は、工事に必要な細かな情報が示された作業図面であり、工事を正確かつ円滑に進めるために活用されます。

一方の竣工図は、竣工後の建物を図面化したものであり、これは将来的な資料として作成されます。

 

また、設計図は完成を目指す計画段階の建物を図面化したものであり、施主や現場の職人と完成図のイメージを共有するために役立ちます。

 

施工図、竣工図、設計図の図面は、作成する人も異なります。

施工図が施工管理者や施工業者などの施工者によって作成されるのに対し、設計図や竣工図は基本的に建築士によって作成されます。

竣工図については、建築士から送られたデータをもとに、施工者が作成することもあります。

 

施工図の書き方とポイント

お伝えした通り、施工図にはさまざまな図面が含まれるため、書き方は図面によっても異なります。

 

多くの図面に共通する作成時の準備や確認すべきことは、次のようなポイントです。

  • スケールの確認
  • 使用するツールの準備

 

施工図は、実際のサイズを縮小して作成します。

一般的には、1/501/100が使用されることが多いです。

 

また、施工図は手書きでも作成できますが、建築CADなどの専用ツールを使うのが一般的です。

ミスを防ぐためにも、可能であれば専用ツールの導入を検討しましょう。

 

多くの工事で必要となる「平面詳細図」を例に書き方をご紹介すると、図面に書き込む順番は以下の通りです。

  1. 柱と壁芯の中心線
  2. 柱や壁の躯体部の線
  3. 窓や建具などの開口部
  4. 設備機器
  5. 床の仕上げ
  6. 縮尺や方位、室名等の情報

 

平面詳細図は、柱や壁から書き込みを始めます。

開口部を記入するときに扉の種類に応じた表記を用いること、床の仕上げを記入するときには割付図も作成するなども、作成時のポイントです。

 

施工図は、実際の施工を行うための作業図面となるため、正確さが求められます。

平面詳細図に限らず、どのような施工図を作成するときも、図面が完成したらよく見直しを行い、間違いがあれば修正をします。

 

図面の内容に変更が生じた場合は、訂正箇所を明確に記載し、変更履歴を記録しておくとトラブルを防げます。

 

施工図とは円滑な工事のための情報がまとめられた図面のこと

施工図は、建設工事に必要な情報が記載された図面で、施工業者に向けて作成される詳細な作業図面のようなものです。

 

各種寸法や納まりなど、建物に関連する細かな情報が記されているのが施工図の特徴。

施工図があることで、作業内容や情報共有がスムーズに進み、ミスを防ぐことができます。

 

建設工事の図面で混同されやすいものには、竣工図設計図などがあります。

このうち竣工図は実際に出来上がった建物を図面化したもの、設計図は完成すべき建物を図面化したものです。

 

施工図が円滑な施工のため作成されるのに対し、竣工図は将来的なメンテナンス・リフォームのために、設計図は施主や職人との完成図の共有のために使用されるなど、作成目的にも違いがあります。

 

施工図は手書きでも作成可能ですが、建築CADなどの専用ツールを活用するのが一般的です。

作成時は、どのスケールで作成するかを確認してから着手しましょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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