こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
断面図は、建設工事の設計・施工において、重要な役割を果たす図面です。
断面図には、建築基準法を遵守し、設計通りに各階や各部屋を作り上げ、これらを建物内でつなげていくために必要な情報が記載されています。
では、断面図には具体的にどのような情報が記されるのでしょうか。
今回は、断面図の概要と他の図面との違い、書き方、また書くときのポイントなどについて、わかりやすく解説していきます。
目次
断面図とは?簡単に解説!
断面図とは、建築図面の「意匠図」に分類される図面の一つです。
対象の建物を垂直に切断し、その断面を横から見た状態を表した図面です。
断面図では、建物の各階のつながりや高さの関連を確認することができます。
具体的には、次のような情報を得ることが可能です。
- 建物の地盤面の位置
- 各階の床高
- 天井高
- 屋根の勾配
- 軒や庇の高さや出具合
- 斜線制限との関係 など
断面図では、横から建物の断面を見るため、各階の床や天井、屋根などの関連がよくわかります。
特に、階段や吹き抜け、スキップフロア、ロフトなどの構成を把握するには、断面図が欠かせません。
さらに、前面道路斜線や北側斜線などといった建築基準法に係る部分についても、断面図をもとに確認が行われます。
断面図は、一般的に100分の1の縮尺で作成されます。
また、多くの場合、平面の切断面の全体を表す「全面断面図」という図示法が用いられます。
断面図から建物の設計を把握するには切断面の場所を理解する必要がありますが、断面図の切断面の場所は平面図に記載されます。
そのため、平面図とあわせての確認が必要です。
矩計図(かなばかりず)との違い
断面図との違いがわかりづらい図面の一つに「矩計図(かなばかりず)」があります。
矩計図は断面図同様、意匠図に分類される建築図面の一つです。
建物を垂直に切断し、その断面を横から見た状態を表した図面という点では、断面図と矩計図は同じです。
しかし、断面図と矩計図は、図面に記される情報量が異なります。
断面図には、それぞれの高さの関連がわかるよう、基本的な高さが記されます。
一方の矩計図には、高さだけでなく、寸法、仕上げ方法、部材の種類まで記され、より詳しい内容が記されます。
また、断面図の縮尺は100分の1であるのが一般的ですが、矩計図の場合は、縮尺20分の1〜50分の1で図面が作られます。
縮尺の大きさを考えても、矩計図には断面図よりも詳しい情報が記載されていると分かりますね。
矩計図については、「矩計図とは?矩計図と断面図の違いについても解説!」でも詳しく解説しています。
立面図との違い
立面図も、断面図と混同されやすい図面の一つです。
立面図は、断面図と同じ意匠図に分類される建築図面で、建物を横から見た状態を図にしたものです。
ただし、立面図が表すのは、建物の外観。
断面図のように、建物の内部構造を表したものではありません。
建物の外観を示す立面図からは、外観デザインやドア・窓の位置、屋根の形、建物の高さなどを把握することが可能です。
立面図については、「立面図とは?作成するときのポイントや他の図面との違いもご紹介!」もぜひお読みください。
断面図を書くときのポイント
断面図を作成するときには、次の2点を意識するようにしましょう。
- 高さに関する理解が必要な部分で切断する
- シンプルさ・分かりやすさ・正確さを重視する
ここからは、この2点について詳しくご説明します。
高さに関する理解が必要な部分で切断する
断面図は、建物を垂直に切断した面を表したものです。
このときに切断する面は、施工に際して、高さに関する理解が特に必要な部分を選ばなければなりません。
例えば、高さの違いで空間を仕切るスキップフロアを採用する場合、各フロアの高さ関連が把握できる位置で切断し、断面図を作成します。
勾配天井の場合や屋根裏収納を作る場合なども、それらの高さ関連がはっきりとわかる場所を切断面に選ばなければなりません。
また、スキップフロアや勾配天井など高さ関連の複雑な要素がない場合には、リビングや寝室などの主要な部屋の位置や開口部がある位置で切断を行います。
シンプルさ・分かりやすさ・正確さを重視する
断面図の作成にあたっては、シンプルさと分かりやすさ、正確さを重視することが大切です。
具体的には、次の点を意識するようにしましょう。
- 構造や重要な部分は強調して記載する
- 線(基準線や寸法線など)を明確に使い分ける
- 図・寸法を正確に記載する
- 余分な情報を省く
断面図では、どこが重要部分か、各線が何を表しているかを明確に表す必要があります。
図や寸法を正確に記載することはもちろん、余分な情報はなるべく省き、シンプルで視認性の高い表現を心がけましょう。
記載する情報が多すぎると、図面は見にくく見間違いも起こりやすくなってしまうので、注意が必要です。
断面図作成の流れを簡単に紹介
ここからは、断面図を作成する一連の流れを簡単に紹介します。
断面図の作成では、以下の順番で線や情報を書き入れていきます。
- 通り芯・補助線・寸法線
- 床・天井
- 梁・柱
- 壁
- 部屋名
- 見えがかり線
各手順について、詳しくみていきましょう。
1.通り芯・補助線・寸法線
断面図の作成では、まず壁や柱の中心を表す「通り芯」から記入していきます。
通り芯は基準となる線なので、先に書いておくと後の情報を正確に記入しやすくなります。
続いて補助線や寸法線も記入し、GL(地盤面)、FL(フロアライン)などの符号も振っていきます。
2.床・天井
次に、補助線を基準にして、床や天井を記入していきます。
断面線となる床については、太めの線で引くと、後から書き入れる線との見分けがつきやすくなります。
3.梁・柱
梁や柱を記入します。
最初に書いた通り芯や補助線を基準にしながら、建物の梁や柱を書き入れていきましょう。
このときにも、断面線は太めの線で引くようにします。
4.壁
ここまで書き入れたら、壁を記入していきます。
普通の壁は二重線で表し、窓がある部分は一本線で表すようにしましょう。
また、ここまでの手順と同様に、断面線は太めに表現します。
5.部屋名
基本的な情報を記入し終えたら、各部屋の中心部分に部屋名を書き入れます。
6.見えがかり線
最後に、見えがかり線を細めの線で記入していきます。
見えがかり線とは、建築物において表面に見えている部分のこと。
この手順では、梁や柱、パラペット(屋上の端に設けられる低い立ち上がり壁)、植栽設備などの見えがかり線を書き入れます。
断面図とは建物の高さの関連を把握するための図面
断面図とは、建物を垂直に切断した面を横から見た様子を示す図面です。
建物の内部を横から見ることで、各部屋や設備などの高さ関連の情報を得ることができます。
よく似た図面に矩計図や立面図がありますが、矩計図にはより詳しい情報が、立面図には建物の外観が記載されるという点で、断面図とは異なります。
断面図の作成にあたっては、高さ関連の理解が必要な部分に切断面を設定すること、また分かりやすくシンプルな表現を心がけることが大切。
作図時には、基準となる通り芯や補助線などの記入から始め、順に床や柱、壁…と情報を書き入れていきます。
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