こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
住宅業界は、今後厳しくなるといわれていますが、本当にそうなのでしょうか?
それが本当のことだとすると、住宅業界で生き残るためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。
今回は、住宅業界が厳しいといわれる理由をデータをあげながら解説するとともに、困難な状況を乗り越えるために効果的な戦略もご紹介します。

目次
なぜ住宅業界は今後厳しいのか?現状と課題を解説
住宅業界が厳しい状況に直面している背景には、社会全体の構造的な変化と業界内部の特殊事情があります。
ここでは、住宅業界が今後厳しいといわれる主な理由について、データを用いて詳しく解説します。
着工数の減少
国土交通省の「住宅着工統計」によると、2024年の新設住宅着工数は約79万戸で、前年比で5.2%減少しています。
また、野村総合研究所の予測では、2040年度には61万戸まで減少する見込みです。
一方で、フラット35の利用者調査によると、中古住宅購入割合は2024年に約35%と過去最高割合を記録し、新築需要の減少が目立っています。
日本では、2070年には人口が9,000万人以下になると予測されており、住宅建築の需要そのものが長期的に減少していく見通しです。
人口が減少する中、新築住宅への需要が今後さらに低下することは避けられない状況となっています。
材料費の高騰
建築資材の価格は2021年から2024年の3年間で約30%上昇しました。
原価率の高騰でキャッシュフローが悪化し、経営が厳しくなる企業が増えています。
原価高騰にはウッドショックや円安、原油価格など多数の原因があり、今後も住宅業界の原価率が急激に低下する可能性は低いと考えられています。
建築資材の高騰については「建設工事費の推移を解説!資材・労務価格の高騰理由、今後の予測も」でも触れておりますので、あわせてご参考ください。
労働者不足
建設業従事者は1997年の685万人をピークに減少しています。
また、2024年4月からは、働き方改革により、建設業にも時間外労働の上限規制が導入されました。
これにより、労働者不足はさらに深刻化。
人件費も上昇を続けており、住宅価格を押し上げる大きな要因となっています。
労働時間の上限規制については、こちらもご覧ください。
建設業も36協定で残業が規制!労働時間の上限規制と対策を解説
また、建設業界では従事者の高齢化も大きな課題として挙げられます。
建設業の高齢化による人手不足については、「2025年問題とは?建設業が抱える人手不足の課題と対策をチェック」で詳しく解説しています。
省エネ基準の義務化と業務負担の増加
2025年4月から、すべての新築住宅に対し、省エネ基準への適合が義務化されます。
断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上を満たす必要があり、これらの基準を満たさない建物は建築確認が下りず、着工できなくなります。
これにより、住宅業界では、設計管理業務や事務作業で業務時間が大幅に増加すると予想されています。
高性能な断熱材や省エネ設備の導入も必須となるため、建築コストの上昇も避けられません。
省エネ基準の義務化については「省エネ基準適合義務化とは?2025年実施の法改正を解説」のコラムでも解説しています。
住宅価格の高騰
材料費の高騰をはじめ、さまざまな要因から住宅価格の高騰が続いています。
国土交通省の調査によると、住宅建築資金総額の推移は以下の通りとなっています。
- 2020年度:3,168万円
- 2021年度:3,459万円
- 2022年度:3,935万円
- 2023年度:4,319万円
- 2024年度:4,695万円
※参照:国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」
このような価格上昇により、マイホーム購入を諦めたり、購入価格が安い中古住宅を取得したりするケースが増えていると考えられます。
さらに、電気料金の高騰や住宅ローン金利上昇の可能性など、家計への負担増加も懸念されており、これらは新築住宅の需要減少につながる要因となっています。
住宅価格の高騰は、業界にとって売上減少につながる厳しい状況を生み出しているのです。
建設業が抱える課題については、「建設業の課題とは?現状や今後の動向、課題への対策を解説!」もぜひお読みください。
厳しい住宅業界を今後生き抜くための戦略

住宅業界が厳しい状況にあることは事実です。
しかし、きちんと戦略を立てることで生き残りを図ることは可能です。
ここでは、今後の住宅業界で長く生き残るための具体的な戦略をご紹介します。
業務効率化の推進
業務効率化は、労働者不足の解消や人件費の削減を実現するために有効な対策です。
例えば、建築物の情報を一元管理するBIMや積算見積などに特化した専用ソフトなどを積極的に活用しましょう。
さらに、クラウドツールの導入による情報共有の円滑化や、顧客管理システムの活用による営業活動の効率化も検討する必要があります。
補助金などを活用することで、導入コストを抑えながらDX化を進めることも可能です。
住宅業界・建設業界で活用できる補助金については、こちらのコラムもご参考ください。
建設業におすすめの補助金・助成金を紹介!概要や活用のメリットは?
省エネ基準の義務化などで業務の増加も懸念される今、業務の効率化を図っていくことは、施工や営業に集中するためにも必要な取り組みです。
厳密な原価管理
工事の原価管理は、住宅業界で生き残っていくために必須の対策です。
何にどれだけコストがかかっているかを把握し、無駄な材料や人員などの発注を減らし、コスト改善に取り組んでいきましょう。
確実に利益を出し、黒字経営を続けていくためにも、工事原価を正しく管理することが大切です。
原価管理によって利益をきちんと把握しておくことは、利益率を踏まえた撤退の判断要素としても参考になります。
こちらのコラムもぜひあわせてご覧ください。
建設業の工事原価管理とは?難しいといわれる理由や効率化のポイント
他社との差別化
厳しい競争環境の中で選ばれる企業になるためには、明確な差別化戦略が必要です。
特定の工法や素材への特化、アフターサービスの充実など、他社にはない魅力を打ち出すことが重要です。
また、省エネ性能や耐震性能において高い水準を実現することも、効果的な差別化の手段となります。
2025年4月以降は省エネ基準適合が義務化されますが、基準以上の性能を提供することで他社との違いを明確にできます。
地域の気候や風土に適した住宅提案で差別化を図ることも有効な戦略の一つです。
地域密着型の営業活動は信頼関係を構築しやすく、紹介による集客も期待できます。
顧客のファン化推進
新規顧客の獲得が難しくなる中、事業を成長させるためには、既存顧客との関係性を深めて長期的な取引につなげることが重要です。
住宅の建築後も継続的にサポートする体制を整え、リフォーム時の再依頼や口コミにつなげましょう。
定期的なメンテナンスサービスの提供や、住まいに関する相談窓口の設置など、顧客満足度を高める取り組みが効果的です。
リフォーム事業
新築市場が縮小する一方で、リフォーム市場は今後も拡大が見込まれています。
国土交通省の調査によると、2024年度第4四半期の建築物リフォーム受注高の合計は、3兆3,424億円で、前年度比で7.3%増加しています。
高齢化社会の進展により、バリアフリーリフォームや2世帯住宅へのリフォームなど、多様なニーズが生まれているのが、その理由の一つです。
また、省エネリフォームの需要も高まっており、断熱性能の向上や高効率設備への交換など、補助金を活用したリフォーム提案も効果的です。
空き家活用
日本では、空き家が急速に増加しており、社会問題となっています。
この問題を解決するためにも、住宅業界では、リノベーションや再販売など、空き家を活用するビジネスモデルを推進することが大切。
空き家問題の解決に貢献するビジネスは、今後さらに注目される分野となるでしょう。
Web集客の強化
住宅購入を検討する人々は、インターネットで情報収集することが一般的になっています。
集客向上を目指すなら、SNSや公式サイトで情報発信し、潜在顧客との接点を増やしましょう。
特に情報収集先として有力な、YouTubeで施工事例や家づくりのポイントを解説する動画を配信したり、InstagramやXで日々の活動を発信したりすることが効果的です。
人材確保と働きやすい環境づくり
住宅業界の人手不足を解決するためには、新たな人材の確保と既存社員の定着が重要です。
建設業従事者の高齢化が進む中、若い世代に選ばれる企業になるための取り組みが必要となっています。
例えば、働き方改革への対応として、時間外労働の削減や休日の確保など、労働環境の改善に取り組むことが求められます。
また、社員教育や資格取得支援を充実させることで、従業員のスキルアップを支援し、長く働ける環境を整えることも効果的です。
さらに、福利厚生の充実や給与水準の見直しなど、従業員満足度を高める施策を実施することは、人材の定着率向上につながります。
人材が定着し、技術の継承がスムーズに行われる企業は、厳しい住宅業界でも生き残れる可能性が高まります。
建設業の若者離れと人材定着のための施策については、「建設業で若者離れが進むのは当たり前?そういわれる理由や解決策」でもご紹介しています。
今後の住宅業界、正しい戦略で生き残りを目指そう
少子高齢化、材料費高騰、労働者不足、省エネ基準義務化などにより、住宅業界は今後厳しい状況が続くと予想されますが、正しい戦略で生き残ることは可能です。
業務効率化や原価管理、他社との差別化など、できることから取り組むことが重要です。
厳しい状況があるとはいえ、住宅業界は「衣食住」の「住」を提供する魅力的な業界であることに変わりはありません。
業務効率化と顧客のニーズに寄り添う施策で、より良いサービスを提供することが大切です。
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