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積算の基礎知識

2023.04.05

建設業の工事原価管理とは?難しいといわれる理由や効率化のポイント

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

建設業で重要とされる業務の一つに、「工事原価管理」と呼ばれるものがあります。

文字通り工事にかかる原価を管理するこの業務は、事業者が利益を把握するために欠かせないものです。

 

一方で工事原価管理は、難易度が高い業務としても知られています。

原価の管理は多くの業界で行われるものですが、建設業の工事原価管理が特に難しいといわれるのはなぜなのでしょうか。

 

今回は、建設業の工事原価管理について、その内容や難しさの理由、大まかな流れなどわかりやすく解説します。

 

工事原価管理とは?工事原価管理を行うメリットも確認

工事原価管理とは、工事にかかる原価を管理する業務のことです。

一般的に、工事の原価は以下の4種類で構成されます。

  • 材料費:木材や鉄筋など、工事に必要な材料の原価
  • 労務費:現場の作業員への給料や福利厚生などの費用
  • 外注費:工事の外注にかかる費用
  • 経費:水道光熱費や通信費など、その他の費用

 

工事原価管理では、上記4つの項目について原価計算を行い集計して、管理します。

これにより、事業者は工事にかかっている費用(原価)を把握し、それをもとに利益を算出したり、コストを見直して赤字を回避したりすることができます。

 

また、建設業法では、4種の原価をまとめた「完成工事原価」と、工事の利益を示す「完成工事高」を損益計算書に計上する旨が定められていますが、この計上作業も、日頃から工事原価管理をしていなければ行えません。

 

つまり、工事原価管理は建設会社が工事の原価や利益を把握し、法律に基づいて売上を計上するにあたって、欠かすことのできない作業なのです。

 

原価をはじめとした工事価格の構成については、「工事価格の構成とは?内訳や積算に関わる直接工事費や間接工事費も」で詳しく解説しています。

 

工事原価管理を行うメリット

工事原価管理を行うメリットとしては、次の2点が挙げられます。

  • 工事の無駄をなくすことができる
  • 事前に利益を明確にすることができる

 

工事原価管理をしておけば、常にコストや利益額を正確に把握することができます。

「何にどれだけコストがかかっているか」がリアルタイムにわかれば、無駄な材料や人員などの発注をなくしてコストを改善し、利益向上を意識することができるでしょう。

 

また、利益を意識しておくことで赤字を避け黒字化することも可能になるほか、利益率を踏まえた撤退の判断要素としても工事原価管理は利用できます。

 

もし工事原価管理がされていなければ、何にどれだけのコストがかかっていて、どれだけの利益・損失が出ているかわかりません。

そのまま工事を進めれば、企業側に利益が全く出ない、もしくは赤字になってしまうということもあり得ます。

 

工事にあたって確実に利益を出すための対応の判断基準となる点が、工事原価管理を行う大きなメリットです。

 

建設業の利益率については、「建設業での利益率を解説!計算方法や平均値、利益率を上げる方法まで」でご紹介しています。

あわせてご覧ください。

 

建設業の工事原価管理はなぜ難しい?

工事に欠かせない工事原価管理は、適切に行うのが難しい作業だといわれています。

その理由としては、次の2つのことが考えられます。

  1. 特別な会計方法を用いなくてはならない
  2. 売上・原価計上のタイミングが特殊

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

1.特別な会計方法を用いなくてはならない

建設業で用いる会計方法は、他の業界とは異なります。

 

一般的に用いられるのは商業会計や工業会計ですが、建設業で用いるのは建設業会計という方法。

この方法は、他の方法に比べ勘定科目が特殊かつ細分化されています。

この複雑な会計方法に基づいて行わなければならないため、工事原価管理は難しいといわれるのです。

 

例えば、他の会計方法による原価計算では、原価に外注費は含まれません。

しかし、工事原価管理では外注費も原価として扱います。

 

また、人件費がその対象によって、労務費か外注費、または労務外注費として処理される点も複雑なポイント。

これは、さまざまな雇用・外注形態で人員を確保し工事を進める建設業界ならではでしょう。

 

外注費については「建設業の「外注費」とは?給与との違い、外注のメリット・デメリットも」でも詳しくご紹介しています。

 

また、工事費の費用構成自体の複雑さも、管理の難しさに拍車をかける要素となっています。

 

このような複雑な会計方法に適切に対応するには、人力での管理ではなく、建設業会計に対応する専用システムの利用も検討しましょう。

 

2.売上・原価計上のタイミングが特殊

売上や原価計上のタイミングが特殊な点も、工事原価管理が難しいとされる理由の一つです。

 

他の業界では、モノを仕入れたときに原価を計上し、モノが売れたときに売上を計上することが多いでしょう。

しかし、完成までの工期が長くなることが多い建設業の場合、計上のタイミングはこのように単純ではありません。

 

建設業では、工事の進捗に合わせて、売上や原価を計上します。

場合によっては、収益を分割計上したり、入金に先行して発生した経費を「未成工事支出金」として計上したりすることもあります。

 

この計上のタイミングの複雑さは、工事原価管理の難易度をさらに上げてしまう要因となっています。

 

工事原価管理を行う流れは?

工事原価管理は、次の①〜④の流れで行われます。

 

①標準原価の設定

工事の目安となる「標準原価」を設定します。

この標準原価は工事の前に目標値として決め、原価管理はこれをもとに利益を意識しながら行います。

 

②原価計算

原価計算の方法は、次の3種類です。

  • 標準原価計算:標準値から原価を計算する方法(着工前)
  • 実際原価計算:実際原価(実際にかかった原価)を計算する方法(標準原価との比較で無駄の把握が可能)
  • 直接原価計算:費用を固定費と変動費に分類し、変動費を原価として計算する方法(利益を把握したい時)

 

建設会社は、場面に合わせて上記の原価計算を適切に実施した上で、意思決定を行う必要があります。

 

③差異分析

標準原価と実際原価の差異を算出し、その原因を分析します。

差異の理由がわかったら改善のための行動を策定します。

 

④改善行動

③を踏まえ、改善行動を実施します。

 

工事原価管理では、必ず改善まで行うようにしましょう。

工事ごとに差異を分析し改善を続けていくことで、工事の総合的な効率化を図れます。

 

工事原価管理を効率的に行う方法

特殊な方法で行う工事原価管理には、手間がかかります。

そのため、経理担当者の負担は大きくなってしまうでしょう。

 

また、アナログな入力方法で経理を行なっている会社では、管理内容の正確性を確保することも難しくなります。

 

そこで、活用したいのが会計ソフトです。

建設業に特化した会計ソフトを導入すれば、手間なく正確に工事原価管理ができ、担当者の負担も軽減可能。

工事原価管理作業の効率化を図れます。

 

ただし、現在リリースされている会計ソフトは多種多様。

会計ソフトの選定にあたっては、次のポイントに着目しましょう。

  • 目的を実現できる機能はあるか
  • クラウド型がオンプレミス型か
  • 操作性に優れているか

 

まずは、会計ソフト導入の目的を明確にします。

例えば、「工事原価管理を効率化する」「コストの無駄を見える化する」など。

その上で、目的を実現できる機能を搭載しているソフトを選びましょう。

 

また、アクセスしやすく導入しやすい「クラウド型」か、導入にコストがかかるものの安全性は高い「オンプレミス型」かも重要なポイント。

従業員が積極的に利用できるよう、操作性の高さにもこだわりましょう。

 

ソフト導入には、ある程度のコストと手間がかかります。

導入を検討するソフトについては情報をよく確認し、なるべく事前トライアルを利用することをおすすめします。

 

工事原価管理は正しい積算が大切!積算ツールで正確・効率的に

工事原価管理を正確に行うには、その前提として原価の正しい積算が必要です。

工事にかかった費用を一つひとつ積み上げていくこの積算業務も、工事原価管理と同じく、複雑で手間のかかる作業。

経理担当者の負担軽減を目指し経営向上を目指すなら、積算業務向けのツール導入も検討してみましょう。

 

 

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工事原価管理とは工事の利益確保の指標となる作業

工事にかかった費用の原価を管理する作業を、工事原価管理と呼びます。

これは、工事の無駄をなくし利益を確保するための指標として役立つもの。

会計方法が特殊であり、計上のタイミングも複雑なことからハードルの高い作業ですが、工事を黒字化させるためにはこの管理作業が欠かせません。

 

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正しく工事原価管理を行うためにも、ミスのない、効率的な積算を目指しましょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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