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積算の基礎知識

2024.02.09

産業廃棄物マニフェストとは?制度の概要やしくみ・書き方を解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

建設工事では、不要になった木材やガラス、瓦礫といった産業廃棄物が出ることがあります。

この産業廃棄物の処理にあたっては、事業者は産業廃棄物マニフェストを使って、それを管理しなければなりません。

 

では、この産業廃棄物マニフェストとはどのようなものなのでしょうか。

今回は、産業廃棄物マニフェストの概要や、建設業界における活用方法をわかりやすく解説します。

産業廃棄物

 

産業廃棄物マニフェストとは?

産業廃棄物マニフェストとは、排出事業者が産業廃棄物の処理を収集運搬業者に委託するときに発行・交付する管理表のことです。

 

産業廃棄物の名称や数、収集・処理業者名等を記載したこの管理票を交付することにより、排出事業者は「自社の産業廃棄物がどのような流れで処理されたか」「きちんと最後まで処理されたか」などを管理・確認することができます。

 

この仕組みによって、廃棄物処理法に基づいた適切な産業廃棄物処理を実現することが、産業廃棄物マニフェストの主要な目的です。

 

関連する法律に、建設工事で発生する廃材(建築廃棄物)を正しく処理し、リサイクルを促す建設リサイクル法というものもあります。

建設リサイクル法とは?簡単にわかりやすく解説!」もぜひご一読ください。

 

産業廃棄物の処理にあたっての産業廃棄物マニフェストの交付は、廃棄物処理法で定められています

そのため、産業廃棄物を排出する全ての事業者は、マニフェストの交付・運用を必ず行わなければなりません。

 

これを守らなかった排出事業者は、刑事処分を下される可能性があります。

 

産業廃棄物の問題については「建築資材のロスが発生するのはなぜ?理由やロス減少の事例を紹介」でも解説しています。

 

なお、産業廃棄物の処理にかかる費用は、直接仮設費に分類されます。

直接仮設費の詳細については「積算における直接仮設費とは?内訳や共通仮設費との違いを確認!」をご確認ください。

 

運用方法と保管期間

産業廃棄物マニフェストの運用方法は、紙と電子の2種類です。

紙の場合は、複数の伝票が1つになった管理表を使って、また電子の場合は全てをインターネット上で管理していくことになります。

 

ただし、紙か電子かによってマニフェスト交付・報告等のタイミングが異なるので注意しましょう。

 

また、紙ベースの産業廃棄物マニフェストには「各伝票を交付・送付した日から5年間」という保管期間が設定されています。

紙ベースのマニフェストの各伝票を取り扱う事業者は、処理後の伝票も適切に保管するようにしましょう。

 

産業廃棄物マニフェストの種類

産業廃棄物マニフェストの種類は、大きく次の3種類の様式に分類されます。

  • 事業系マニフェスト
  • 建設系廃棄物マニフェスト
  • 積替保管用マニフェスト

 

建設業界においては、建設六団体が策定した「建設系廃棄物マニフェスト」が利用されています。

その他の事業では「事業系マニフェスト」が、産業廃棄物を積み替えたり保管したりする場合には「積替保管用マニフェスト」が利用されます。

 

上記のうち、今回は「建設系廃棄物マニフェスト」について詳しく解説していきます。

 

建築系廃棄物マニフェストの種類

建築系廃棄物マニフェストは、A・B1・B2・C1・C2・D・Eという7つの伝票で構成されています。

ここでは、これらの各伝票の役割について表でご紹介します。

 

伝票 役割
A 排出事業者の控え
B1 【収集運搬事業者が1社の場合】収集運搬事業者の控え

【収集事業者が2社の場合】排出事業者が、委託した収集運搬事業者①から収集運搬事業者②へ廃棄物が運搬されたことを確認する

B2 【収集事業者が1社の場合】排出事業者が、委託した収集運搬事業者によって、廃棄物が中間処理・最終処分業者へ運搬されたことを確認するための伝票

【収集事業者が2社の場合】排出事業者が、委託した収集運搬事業者②によって、廃棄物が中間処理・最終処分業者へ運搬されたことを確認するための伝票

C1 中間処理・最終処分業者の控え
C2 収集運搬事業者が、自身が運搬した廃棄物の処分を確認するための伝票
D 排出事業者が、委託先における廃棄物処分の完了を確認するための伝票
E 排出事業者が、廃棄物の全ての最終処分が終了したことを確認するための伝票

 

建設業の産業廃棄物処分では、排出事業者は役割の異なる上記7種の伝票を各委託業者とやり取りすることで、自社の排出した廃棄物の確実かつ適切な処分を実現しています。

 

産業廃棄物マニフェストのしくみと書き方

ここからは、産業廃棄物マニフェストのしくみと書き方について解説します。

 

排出事業者からみた産業廃棄物マニフェストの流れ

排出事業者からみた産業廃棄物マニフェストの流れは、次のとおりです。

  1. マニフェストの記入
  2. 廃棄物の引き渡し・マニフェストの交付
  3. B票の受け取りによる引き渡し確認
  4. D票の受け取りによる中間処理終了通知
  5. E票の受け取りによる最終処理終了通知
  6. 処分の確認・伝票保管

 

各ステップの内容について詳しくみていきましょう。

 

1.マニフェストの記入

7枚の伝票が複写になったマニフェストに、必要事項を全て記入します。

 

2.廃棄物の引き渡し・マニフェストの交付

産業廃棄物を引き渡す収集運搬事業者とともに伝票の内容と現物を確認し、問題がなければ、交付担当者・収集運搬担当者ともにサイン(収集運搬担当者は車番・車種の記入も必要)を行います。

 

排出事業者は控えのAだけを受け取って保管し、後の6枚は収集運搬事業者に交付します。

 

3.B票の受け取りによる引き渡し確認

収集運搬事業者が中間処理・最終処分業者に産業廃棄物を引き渡したら、処分受託者名(会社名)と処分業者の受領担当名(個人名)のサインまたは押印がされたB票が、収集運搬事業者から返されます。

 

排出事業者はこのB票と控えのA表の内容に相違がないか確認を行います。

 

4.D票の受け取りによる中間処理終了通知

中間処理業者による中間処理が終了したら、処分受託者名(会社名)と処分業者の受領担当名(個人名)のサインまたは押印がされたD票が、中間処理業者から返されます。

 

5.E票の受け取りによる最終処分終了通知

中間処理業者から、最終処分終了についての情報が記載されたE票が返されます。

 

6.処分の確認・伝票保管

排出事業者は、控えのA票と返送されたD・E票の内容に相違がないか確認し、手元のB票とともに5年間適切に保管します。

 

産業廃棄物マニフェストの書き方

最後に、産業廃棄物マニフェストの書き方を確認していきましょう。

 

排出事業者は、マニフェストの次の項目を記載する必要があります。

  • 交付年月日
  • 交付担当者の所属・氏名
  • 事前協議番号・年月日等
  • 整理番号
  • 排出事業者および事業場の住所・名称・電話番号
  • 産業廃棄物の種類・数量・形状・荷姿
  • 中間処理産業廃棄物における管理表交付者の氏名と管理表の交付番号(該当なしの場合は斜線)
  • 最終処分予定の場所
  • 運搬事業者の住所・名称・電話番号・積替保管の有無
  • 運搬先の事業場の住所・名称・電話番号・処分方法
  • 処分受託者の住所・名称・電話番号
  • 積替保管場所の住所・電話番号(ある場合)
  • 追加記載事項(ある場合)

 

これらの項目を記載したマニフェストを収集運搬事業者に交付する際には、左下に受託のサインをもらうことを忘れないようにしましょう。

 

具体的なマニフェストの記入方法については、建設六団体副産物対策協議会「建設系廃棄物マニフェストのしくみ」をご確認ください。

 

工事の産業廃棄物処理では建設系マニフェストの交付を忘れずに

産業廃棄物を処理する際には、排出事業者は収集運搬事業者に対し、産業廃棄物マニフェストを交付しなければなりません。

このマニフェストには種類があり、その中でも排出事業者が建設事業者の場合に利用されるのが「建設系廃棄物マニフェスト」です。

 

このマニフェストは、A〜Eまで7枚の伝票が複写となったもので、排出事業者はこの伝票を収集運搬事業者や処理事業者とやり取りして、産業廃棄物の処理を管理することになります。

 

適切に管理を行うためにも、排出事業者はマニフェストの記入・確認・保管を確実に行うようにしましょう。

 

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この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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