こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
建物を利用する人に不便や危険を及ぼす工事上の施工不良は、あってはならないことです。
しかし、現実には様々な理由から、施工不良が発生しています。
では、なぜ施工不良は発生するのでしょうか。
また、施工不良をなくすためにはどのような対策を取れば良いのでしょうか。
今回は、工事の施工不良の原因と対策について詳しく解説します。
目次
起きやすい施工不良の事例とは?
まずは、起きやすい施工不良の事例をご紹介しましょう。
作業漏れによる施工不良事例
必要な作業が行われていないというのは、起こりやすい施工不良の一つ。
起きやすい事例として挙げられるのが、排水・給水管の接着漏れです。
建物には、排水管や給水管が設置されています。
これらは通常床下の見えない部分に設置されています。
配管を接続するときには専用の接着剤による接着が必要になりますが、この接着作業をしないまま、排水・給水管の設置工事を完了させてしまう施工不良が発生しているのです。
きちんと接着されていない配管は、やがて外れ、これが排水・給水管の場合であれば、漏水が起こり、床下が水浸しになってしまいます。
実際の事例では、ユニットバスの排水管の接着漏れにより床下が水浸しになり、気づいたときには基礎の断熱材も傷んでしまっていたということがありました。
建材の用途外使用による施工不良事例
建材を本来の使用用途以外の方法で使ってしまう事例も多くあります。
例えば、シーリング材の用途外使用。
部材の継ぎ目を埋めるシーリング材には、複数の種類が存在し、用途に合った種類のものを選ばなければなりません。
しかし、このシーリング材を用途外に使用することで、施工不良を起こすケースが発生しています。
例えば、屋外の部材に屋内用のシーリング材を用いた事例では、すぐにシーリング材が劣化し、ひび割れが発生。
これには、耐久性に優れている分価格も高い屋外用シーリング材を使わないことで原価を下げたいという工事業者の意図もあったようです。
施工不良は、ご紹介したような部分的なものだけではありません。
中には、大規模マンションが完成した後に、建物全体の耐水性や防音性の重大な欠陥が発覚した事例も存在します。
このような施工不良は住人や建物に出入りする人々を危険に晒すことになるため、工事業者は入念な対策を行う必要があります。
施工不良が発生する原因は?
施工不良が発生する主な原因としては、次の3つが挙げられます。
- 工期に余裕がなく十分な確認時間を取れていない
- 原価を抑えるため性能不足な安い材料を使用したり手抜きをしたりしている
- 作業員の知識・技術が足りていない
各原因について詳しくみていきましょう。
工期に余裕がなく十分な確認時間を取れていない
工期に余裕がない現場は、なんとか工事を工期に間に合わせようと、急ピッチで作業が進められていきます。
しかし、工期にも作業員の数にも余裕のない現場では、作業の確認にまで十分な時間を取ることができません。
確認漏れの結果、施工ミスが発見されず、それが大きな施工不良につながるケースも発生しています。
また、場合によっては、工期を間に合わせるためにミスをそのままにして、工事を進めてしまうことも。
施工不良を防ぐためには、工期にある程度の余裕を持たせることが重要だといえるでしょう。
工期が厳しい場合には、工期の延長も検討しなければなりません。
工期延長については、こちらのコラムもご一読ください。
原価を抑えるため性能不足な安い材料を使用したり手抜きをしたりしている
性能不足な材料を使用してしまうことも、施工不良の原因の一つでしょう。
なぜこのようなことが起こるのかというと、性能の低い材料は、その分安価だからです。
安価な材料を使うことで、原価を下げれば、工事業者は自社の利益を上げることができます。
しかし、材料の性能不足により施工不良が発覚すれば、その補修には下げられた原価分以上のコストがかかるでしょう。
また、悪質な業者の中には、手抜き工事によって原価を抑えようとするものも存在します。
利益は、性能不足の材料使用や手抜きによって確保すべきではありません。
これは、信用を落とす行為ではなく、無理のない請負金額の提示と信頼感のある作業によって実現すべきでしょう。
利益と品質を両立させるためには、品質・機能を維持しつつコストを抑える「VE提案」が有効です。
「VE提案」については「建設におけるVE提案を解説!導入効果や資格、事例までを詳しく」で詳しく解説しています。
作業員の知識・技術
建設工事には、あらゆる専門知識・技術が必要です。
施工不良の中には、作業員にその知識や技術が不足していることで発生するものもあります。
特に経験浅い作業員の作業内容については、注意が必要でしょう。
この施工不良を防ぐためには、知識・技術に優れた監督者による作業の確認が必要です。
そしてそのためには、前述のとおり、工期に余裕を持たせることも重要になります。
施工不良を起こさないための対策
施工不良を起こさないためには、次の対策が有効です。
- チェック表を活用する
- 見えなくなる部分は写真を残す
上記2つの対策について、順にご説明します。
チェック表を活用する
施工不良をなくすには、監督者による各作業の確認が重要です。
作業者本人と監督者の2人でダブルチェックを行うことで、施工不良につながるミスを発見できる可能性が高まります。
とはいえ、膨大な数の作業をただ目で確認していくのは困難です。
確認漏れが発生する恐れもあります。
そこで活用したいのが、チェック表です。
施工不良が起きやすい部分を一覧にしたチェック表を用いれば、効率的な確認作業ができ、確認漏れのリスクもなくなります。
まずは、「基礎」「外壁」「屋根」など項目別にチェック項目を洗い出してチェック表を作成し、現場で活用してみましょう。
見えなくなる部分は写真を残す
施工した配管や配線などは、床下や壁の中に隠され、見えなくなります。
よって、万が一施工不良があった場合でも気づかれにくく、気づいたときには状況がかなり悪化している例も少なくありません。
これを防ぐためには、見えなくなる部分を写真に残しておく方法がおすすめです。
施工部分を写真に撮っておけば、壁や床で見えなくなってからも、その施工状態を第三者が確認することができます。
施工不良の対策は積算見積段階から始まっている
先ほど、施工不良の原因の一つとして「工期に余裕がない」ことを挙げました。
工期に余裕がなくなる原因は、拾い出し段階での拾い漏れにより資材が届かず、工事が止まってしまうことや、人手不足も原因として挙げられます。
この問題を解決するためには、業務を効率化できる専用ソフトの導入が方法の一つです。
建設業では、拾い出しソフトや積算見積ソフトを導入することで、拾い漏れや積算ミスを予防することができます。
また、ソフトの活用によって事務作業が効率化されれば、現場に人を回すことができ、人手不足の解消を図ることも可能です。
アークシステムでは、拾い出しソフト・積算見積ソフト「楽王シリーズ」を提供しています。
専用ツールを上手く活用して、拾い出し・積算見積業務を効率化し、「工期に余裕がない」という課題の改善を目指しましょう。
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工事の施工不良は、その建物の利用者に不便や危険を及ぼします。
その発生原因は、「工期の余裕のなさ」や「原価抑制による利益の確保」、「作業員の知識・技術不足」など。
施工不良をなくすには、これらの原因を解決し、チェック表や写真を用いて作業の確認を徹底する必要があります。
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