こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。
建設工事に使われる設計図書は、「構造図」「意匠図」「設備図」「外構図」の主に4種類に分類されます。
これらの図面はさらにいくつかの種類に分かれており、建設工事はそれぞれの図面をもとに進められていきます。
軸組図は、構造図に含まれる図面の一つ。
建築物の構造を把握するために、軸組図は欠かせません。
今回は構造図の中でも軸組図に注目し、軸組図とは何なのか、またその見方や他の構造図の種類について、わかりやすく解説していきます。
目次
軸組図(じくぐみず)とは?
まずは、設計図書の中の構造図に分類される軸組図(じくぐみず)について、どのような図面なのか確認していきましょう。
軸組図とは、その名の通り建築物の軸組を表したものです。
軸組とは、土台や柱、桁、梁、筋交などといった建築物の骨組みを指します。
軸組図には、横から見た「通り(柱と柱を結ぶ壁面)」ごとの骨組みが示されていて、技術者や作業員はこれを確認して柱や梁の位置を把握し、建築物の構造を確認します。
また、この図からは施工手順も読み解くことが可能です。
住宅等の建設工事において、柱や梁といった基本構造を完成させることを上棟と呼びますが、特にこの上棟作業には軸組図が欠かせません。
工事現場では、軸組図の通りに構造材を組み上げ、上棟作業を進めます。
この軸組図は、100分の1の縮尺で作成されることが多く、主に木造軸組工法での建設工事に用いられるものです。
軸組図をはじめとした設計図書の種類については、「設計図書とは?種類や基準、保存期間を確認!積算時にも必要?」で解説しています。
構造図の「軸組図」と意匠図の「断面図」の違いは?
軸組図と同様に、対象の建築物を横から見た状態を表す図面に、意匠図に分類される断面図と呼ばれるものがあります。
既にご紹介したとおり、軸組図は通りごとの骨組みを示す図面です。
そこには、構造に関する情報だけが記されます。
一方の断面図は、建物の各階のつながりや高さの関連を確認するための図面で、軸組図のように通りごとに図面化することはほぼありません。
あくまで意匠図に分類されるものなので、断面図には基本的に構造は示されず、仕上げ部分に関する情報だけが記載されます。
つまり、軸組図と断面図はどちらも建築物を見る目線は同じですが、軸組図は構造の把握に、断面図は仕上げの把握に用いられるという点で異なるのです。
意匠図や断面図については、こちらもご覧ください。
軸組図の見方
ここからは、構造図に分類される軸組図(じくぐみず)の基本的な見方について解説していきます。
軸組図の情報は、次の手順で読み取ります。
- スパンの確認・把握
- 階高の確認・把握
- 部材符号の確認・把握
軸組図を読み解く際の基本の3つの手順について、詳しくご説明します。
スパンの確認・把握
軸組図を読み解く際には、まずスパンを確認する必要があります。
スパンとは、柱芯間の距離、つまり柱の中心部から次の柱の中心部までの距離を示す用語です。
単純に柱と柱の間の距離を指すものではないので注意しましょう。
軸組図には構造物として柱が記されているので、それぞれの柱のスパンを確認すれば、柱を立てるべき位置を把握することができます。
階高の確認・把握
スパンを確認したら、階高の確認に入ります。
階高とは、床の表面(フロアライン・FL)から次の階の床の表面までの高さのこと。
例えば、1階の床の表面から2階の床の表面までの高さが5mだった場合、「1階の階高は5mである」と表現されます。
軸組図には、高さについての情報が必ず示されているため、階高もわかるはずです。
これを確認し、建物や柱の具体的な高さを把握しましょう。
部材符号の確認・把握
次に行うのは、部材符号の確認です。
構造図には柱や梁の位置だけではなく、柱符号や梁符号も示されます。
図面を理解するためには、これらの部材符号をきちんと把握することも大切です。
柱符号や梁符号からは、柱や梁の高さや幅、基準線までの長さ、種類などの情報を読み取ることができます。
ただし部材断面については、別途部材リストを確認しなければなりません。
この符号では、柱であれば「C」、梁であれば「G」など、構造物ごとに異なる記号が用いられます。
例えば、1階の柱であれば「C1」、2階の梁であれば「G2」というように、数字を組み合わせて位置や階数を示すことが一般的です。
図面を正しく読み取るには、どの記号が何を示すのか理解しておくことが大切です。
よく使われる符号については、「建築図面「構造図」の見方を確認!知っておきたい記号や種類も」でも紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
軸組図以外にどのような図面がある?
構造図には、軸組図(じくぐみず)以外にも次のような図面があります。
- 標準仕様書
- 特記仕様書
- 構造標準図
- 伏図
- 部材リスト図
- 詳細図
それぞれの図面がどのような情報を示すものなのかについても確認していきましょう。
標準仕様書
標準仕様書とは、対象の工事について標準とされる情報を記した書類です。
建設工事の設計・施工は、基本的にこの標準仕様書の内容に沿って進められます。
特記仕様書
特記仕様書とは、対象の工事について特記すべき情報を記した書類です。
使用する部材やその数、工法など、構造から意匠、設備に至るまであらゆる情報が示されます。
前述の標準仕様書と特記仕様書ではそれぞれの内容が異なるケースがありますが、このような場合には特記仕様書が優先されることになっています。
特記仕様書は、それだけ重要性の高い書類だといえるでしょう。
特記仕様書や特記仕様書と標準仕様書との違いについては、こちらのコラムもご参考ください。
特記仕様書とは?標準仕様書との違いや書き方のポイントを解説!
構造標準図
構造標準図とは、各部材の納まり(部材同士の接合の状態)の標準を示した図面です。
鉄筋の配分や溶接方法などが文章や表、図を用いて記されます。
構造標準図によって標準の納まりを明確化することは、設計の合理化や工事の品質確保に効果的です。
伏図(ふせず)
伏図(ふせず)とは、構造図の中でも重要性の高い図面の一つ。
建築物を上から透かして見た状態を示した平面図のことを指し、柱や梁などの構造部材の位置や寸法、仕上げ、割付などの情報が示されます。
伏図からは各部材のおおよその大きさも把握でき、さらに、熟練の職人であれば、建築物の構造の意図や危険な部分まで理解することができます。
伏図については、こちらのコラムもご覧ください。
部材リスト図
部材リスト図とは、構造部材の詳細をまとめ、リスト化した図面のことです。
基礎や柱、梁などの構造部材について、その材質や大きさ、納まりなどが示されます。
部材リスト図は、軸組図や伏図ともあわせて使用されます。
詳細図
詳細図とは、今回ご紹介した軸組図に鉄筋の配置情報を追加した図面のこと。
他の図面に比べ縮尺が小さいため、構造部材同士の納まりの詳細を把握することができます。
軸組図の見方を押さえて構造・骨組みを正しく把握しよう
構造図の一種である軸組図とは、建築物の骨組み(土台や柱、梁など)を記した図面です。
複数の図面の中でも、軸組図は建築物の構造を正しく把握するために用いられています。
また軸組図は、横から見た建築物の様子を示す点で断面図と共通していますが、軸組図は構造を、断面図は仕上げを表すという点で異なります。
軸組図の見方では、まずスパンを把握することが大切。
そこから階高、部材符号という順に確認し、正確に情報の読み取りを行いましょう。
さらに、軸組図を含む構造図には、他にも標準仕様書、特記仕様書、構造標準図、伏図、部材リスト図、詳細図という複数の種類があります。
これらの図面にはそれぞれ異なる情報が記され、全てが建設工事に活用されています。
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