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積算の基礎知識

2026.10.16

仮設工事とは?直接仮設・共通仮設の違いや項目、費用を解説

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こんにちは!ITの力で建設業界に貢献する「アークシステム」です。

 

仮設工事とは、建物の新築・改修・解体などの工事期間中に、足場や仮囲いなどの一時的な設備を整える工事です。

工事が終われば片付けられるため、工事完了後にはその存在に気づきにくいかもしれません。

それでも、現場の安全や作業のしやすさを大きく左右する、重要な工事です。

 

今回は、仮設工事の種類や具体的な項目、進め方、注意点、費用を抑えるコツまでまとめてご紹介します。

現場でのトラブルを防ぐ準備として、ぜひお役立てください。

仮設工事の現場

仮設工事とは?

仮設工事とは、本体工事を支えるために一時的な設備を設ける工事のことです。

具体的には、高い場所で作業するための足場や、現場の周りを囲う仮囲い、作業員が使う仮設トイレや現場事務所などが含まれます。

どれも建物の一部にはなりませんが、これらがなければ安全に工事を進められません。

 

主な目的は、安全の確保、作業効率の向上、品質の維持、近隣への配慮、法令の遵守の5つです。

 

まずは、仮設工事の種類や現場で行われる具体的な作業内容を順番に見ていきましょう。

 

仮設工事の種類(直接仮設工事と共通仮設工事)

仮設工事は、建物本体の作業に直接必要な「直接仮設工事」と、現場全体の運営に必要な「共通仮設工事」の2つに大きく分けられます。

 

直接仮設工事とは

直接仮設工事とは、建物本体をつくる作業そのものに直接必要となる仮設工事です。

例えば、外壁を仕上げるための足場や、床や壁を傷から守る養生など、特定の作業のために設けるものが当てはまります。

水盛・遣り方や墨出しが直接仮設工事の代表例で、いずれも施工の精度や品質に直結します。

 

積算(工事費を一つひとつ積み上げて算出する作業)では、この費用を「直接仮設費」と呼び、材料費や労務費と同じ「直接工事費」に含めます。

 

共通仮設工事とは

共通仮設工事とは、特定の作業ではなく、工事現場全体を運営するために必要となる仮設工事です。

現場事務所や仮囲い、仮設電気・仮設水道、仮設トイレなど、現場で働く全員が共通して使う設備が当てはまります。

 

積算では「共通仮設費」と呼ばれ、建築の積算では「共通費」、土木の積算では「間接工事費」の一部に位置付けられます。

 

仮設工事の作業内容

仮設工事の代表的な作業内容を、役割ごとに3つに分けてご紹介します。

 

建物の基準を出すための作業

建物の位置と高さを正確に決めるための作業です。

 

【水盛・遣り方(みずもり・やりかた)】

建物の位置や高さの基準を、木杭や水糸、測量機器などを使って現場に示す作業です。

ここで決めた基準をもとに、基礎工事が進みます。

 

【墨出し(すみだし)】

図面上の柱や壁の位置を、床や壁に線で書き写す作業です。

大工道具の「墨壺(すみつぼ)」が名前の由来で、今はレーザー墨出し器も使われています。

 

作業環境を整えるための作業

​​安全かつ効率よく作業できる環境をつくるための作業です。

 

【足場】

足場は、高所で安全に作業するために組み立てる作業床や通路です。

高さ2m以上の場所で墜落のおそれがある作業では、足場などで作業床を設けることが法令で義務付けられています。作業床の設置が困難な場合には、法令に定められた代替の墜落防止措置が必要です。

 

【仮設電気・仮設水道】

電動工具や照明に使う電気、清掃などに使う水を確保する設備です。

 

【仮設トイレ】

作業員が衛生的に働くための設備です。

労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則第628条では、事業者に便所の設置が義務付けられており、建設現場でも適切なトイレを確保する必要があります。

 

【現場事務所】

工程や安全、品質を管理する、現場の司令塔となる建物です。

 

現場と周囲を守るための作業

建物や近隣を守り、現場の安全と秩序を保つための作業です。

 

【養生(ようじょう)】

床や壁、既存の設備を、ベニヤ板やシートで覆って傷や汚れから守る作業です。

 

【仮囲い】

現場の周囲をパネルなどで囲い、部外者の立ち入りや資材の盗難を防ぐ設備です。

建築基準法施行令では、一定の工事で高さ1.8m以上の仮囲いを設けるよう定めています。

 

【警備・資材運搬】

交通誘導員の配置や、資材の搬入ルート・仮置き場の確保も仮設工事の一部です。

 

【廃材処分・整理清掃】

現場で出た廃材を法令に沿って処理し、日々の整理整頓や清掃で安全な環境を保ちます。

なお、廃材処分費などは工事内容や積算基準に応じて適切に区分して計上します。

 

仮設工事の進め方は?

仮設工事で設置された足場

仮設工事は、本体工事の着工前の準備から完了後の撤去まで、工事の期間を通して段階的に進められます。

仮設工事の流れは、大きく4つの段階に分けて考えるとわかりやすいです。

 

STEP 01

【着工前】現場を調べて計画を立てる
敷地の広さや高低差、前面道路、隣地の様子などを確かめます。
その上で、設備の置き場所や資材の搬入ルート、作業員の動線を決めていきます。

STEP 02

【着工直後】現場の土台を整える
必要に応じて地面をならして石や草木を取り除き、トイレや電気、水道を使える状態にします。
続いて建物の外周に縄を張り、水盛・遣り方で位置と高さの基準を出します。

また、仮囲いで現場を区切り、現場事務所を設置し、警備体制を整えます。

なお、仮囲いや仮設設備の設置は、現場条件に応じて着工前に実施する場合もあります。

STEP 03

【本体工事と並行】足場を組み、作業環境を保つ
足場は、本体工事の進み具合に合わせて組み上げていきます。
各階の工事に合わせて墨出しを行い、仕上がった床や壁は養生で保護します。

日々の整理清掃も欠かせません。

FINISH

【完了後】片付けて引き渡しに備える
本体工事の進捗に合わせて不要になった仮設物を撤去し、現場をきれいに清掃します。

 

 

仮設工事を進める際に気をつけるべきこと

仮設工事は、準備不足や確認漏れがあると、工期の遅れや追加費用、近隣トラブルにつながりかねません。

近隣との関係づくり、安全対策などの視点から注意点を解説します。

 

着工前の挨拶で近隣の理解を得ておく

工事が始まると、騒音や粉じん、工事車両の出入りなどで、周辺の住民に少なからず負担をかけることになります。

着工前にご挨拶をし、工事期間や作業内容を事前にお伝えしておくと、近隣の方々の理解を得やすくなります。

 

足場が隣の敷地にはみ出しそうな場合は、口頭での確認にとどめず、あらかじめ書面にて承諾を得ておくことが大切です。

 

足場や仮囲いなどの安全対策は法令に沿って徹底する

足場の組み立てや解体は、労働安全衛生法などのルールに沿って、資格を持つ作業員が担当します。

組み上げた後も点検を続け、部材の緩みや傷みを見逃さないようにしなければなりません。

 

台風の接近が予想されるときは、仮設ネットや仮囲いを補強するか、一時的に外す判断も求められます。

 

電気・水道の手配や足場の届け出は早めに済ませる

仮設電気や仮設水道は、申請してから実際に使えるようになるまで、一般的に10営業日程度(2週間程度)が目安です。

ただし、現場状況や工事内容によっては、1カ月前後かかることもあります。

電気や水が来なければ作業を始められないため、着工日から逆算して手配しておきましょう。

 

また、足場の中には、労働基準監督署への届け出が必要なものもあります。

組み立てから解体までが60日以上の足場のうち、つり足場や張出し足場、高さ10m以上の足場などが代表例で、書類作りの時間も日程に組み込んでおく必要があります。

対象となる場合は、原則として工事開始の30日前までに計画の届け出が必要です。

 

仮設工事の内訳を明確にして計上漏れを防ぐ

仮設工事は項目が細かく分かれるため、見積では「一式」とまとめて計上されるケースが少なくありません。

しかし、一式のままでは何を含めたのかが曖昧になり、必要な費用が抜け落ちても気づきにくくなります。

 

計上漏れは自社の利益を圧迫するだけでなく、後から追加費用を相談することになれば、施主との信頼関係にも影響しかねません。

 

特に、次の3つの費用は見落としやすいため、見積に含めたかどうかを確認しておきましょう。

  • 手続きの費用:道路使用許可や仮設電気・仮設水道の申請にかかる費用
  • 片付けの費用:廃材の処分や現場の清掃にかかる費用
  • 引き渡し前後の費用:美装工事(引き渡し前の仕上げ清掃)や、仮設の配管・設備の基礎の撤去にかかる費用

また、足場や仮設トイレ、現場事務所などをレンタルする場合は、設置・撤去費用だけでなく、使用期間に応じた費用も確認が必要です。

工期が延長されれば、当初見込んでいたレンタル費用を超える可能性があります。

そのため、仮設工事の見積では「何を設置するか」だけでなく、「どのくらい使用し、いつ撤去するか」まで把握しておくことが重要です。

 

仮設工事の費用を抑えるコツ

仮設工事で足場が設置されたマンション

仮設工事は完成後に残らない分、費用が適正かどうかを判断しにくい工事です。

ここからは、仮設工事費が全体工事費に占める割合の目安や、費用が高くなりやすいケース、節約のポイントをご紹介します。

 

また、適正な仮設工事費を見積るための工夫も見ていきましょう。

 

仮設工事費は全体工事費の何%が目安?

仮設工事費の割合は建物の規模や工事の種類によって大きく変わります。

 

戸建て住宅や中規模の建物であれば、全体の2〜5%程度が目安です。

一方、大規模な建物では5〜10%程度、マンションの大規模修繕では約20%に達することもあります。

 

仮設工事費が高くなりやすいケース

次のような現場では、仮設工事費が高くなる傾向があります。

  • 工期が長い現場
  • 敷地が狭い、または市街地にある現場
  • 斜面に建つ現場
  • 高い建物

工期が長い現場では、仮設トイレや現場事務所のレンタル料がかさみます。

敷地が狭い現場や市街地の現場では、搬入の手間や防音・防じん対策が増えがちです。

 

また、斜面に建つ現場や高い建物では、足場の土台補強や風・落下物への備えが必要になります。

 

仮設工事費の節約ポイント

費用削減を検討する際は、「安全に関わる設備を削減しない」というのが原則です。

安全に関わる設備の削減によって得られるコストメリットは、万が一の事故による人的・経済的損害のリスクに見合うものではありません。

 

その上で、次のような点を見直してみましょう。

  • 仮設材は購入にこだわらず、レンタル品や再利用できるものを活用する
  • 仮設トイレや現場事務所は、現場の人数や工期に合った台数・大きさにする
  • 使い終わった足場や設備は返却の手配を早めに済ませ、レンタル期間を延ばさない

 

仮設工事費を高くしないための工夫

仮設工事費を膨らませないためには、見積段階の準備がポイントです。

早めに現地調査を行い、必要な仮設項目を洗い出しておきましょう。

 

また、必要に応じて「一式」でまとめず、項目・数量・単価・設置期間ごとに積み上げると、費用の根拠が明確になります。

過去の似た案件の見積データを参考にすれば、項目の見落としにも気づきやすくなります。

 

適正な仮設工事費の算出には専用ツールの活用が便利!

仮設工事の種類や注意点は理解できたものの、「直接仮設費や共通仮設費を漏れなく見積へ反映するのは難しい」と感じていませんか?

仮設工事は、足場や養生、仮囲いなど工事ごとに必要な項目が異なるうえ、現場の条件によって数量や費用も変わります。

 

完成後に撤去されるものも多いため、見積時に項目を見落としたり、必要な費用を十分に計上できなかったりすると、そのまま工事の利益を圧迫しかねません。

 

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仮設工事とは現場の安全と品質を支える大切な工事

仮設工事とは、本体工事を安全かつ円滑に進めるため、工事期間中だけ一時的な設備を設ける工事です。

作業に直接必要な「直接仮設工事」と、現場全体を支える「共通仮設工事」の2種類に分かれます。

 

足場や仮囲い、仮設トイレなど作業内容は幅広く、着工前の準備から完了後の撤去まで段階的に進められます。

進める際は近隣への配慮や法令に沿った安全対策を徹底し、電気・水道の手配や足場の届け出は早めに済ませましょう。

 

仮設工事が占める費用の割合は、工期や敷地、建物の高さなど現場の条件によって大きく変わります。

 

安全に関わる設備は削らず、「一式」でまとめずに必要な項目を漏れなく見積ることが、トラブルのない現場づくりへの近道です。

積算ソフトなどのツールも上手に活用しながら、仮設工事への理解を深めていきましょう。

無料の製品説明・資料請求などお気軽にご相談ください

 

この記事を書いた人

建設ICT事業 企画/プロモーション佐藤 一也

第二種電気工事士、基本情報技術者試験の資格を保持する。
10年以上のシステム開発経験を活かして、建設業向けの製品企画とプロモーションを行う。

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